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寝子島高校
しずくがこぼれおちるとき<黒>
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──20:43、積み家・一軒家 荒れ狂うリビングルーム
黒い闇が触手を伸ばし、
佐藤 英二
へ追いすがる。時に獣のごとき姿を成し、飛びかかっては消えたかと思えば、人の形を取った闇が這うように襲い来る。そんな暗い闇が、奇怪なほどまぶしく美しい、青い輝きを内包しているのを目にして、英二はいささか複雑な思いにかられた。
「っ……!」
目の前のドアを開き、飛びこむ。慌てて叩きつけるように閉じ、そこらにあったテーブルの残骸やら砕けた椅子やらを扉に押し付けると、闇はひとまず追撃を収めたようだ。
「ふう。助かった……」
突然の襲撃だ。逃げるので精いっぱいだった。
あたりを見回すと、どうやらどこかの民家のリビングルームだろうか。荒れ放題でゴミが散らかり、あらゆる家具が破壊されていて、とても人が住んでいるとは思えない。空き家だろうか。
そんなことを取り止めなく考えつつ、窓の外をなにげなく眺めて、英二は絶句した。
「……ここは、霊界?」
あやかしがらみのトラブルは経験済みだ。以前には
豆腐小僧に変身した
ことだってある。
餅々 きなこ
から聞きかじった知見もある。それらと眼前の光景を比較するに、英二はここがいかなる場所であるのかを悟った。
霊界。人でないものが棲まう場所。人が死んだら訪れる場所。そんな程度の知識だが、いずれにせよ尋常でない事態に自分が巻き込まれていることは確信できた。
「確か……そうだ。寝子島で、あの絵を見つけて。それで」
いわゆるストリートグラフィティというやつだ。英二はなんだか惹きこまれるようにそれを見つめていた。そうするうち、襲われたのだった。染み出すように現れた、あの『青い闇』に。
近頃寝子島でいくつも起きているらしい、謎の失踪事件。面識はなく、特徴的な髪に目を惹かれたことがある程度だが、寝子島高校のある一年生がそれには関わっているらしいと聞く。
英二もそれに巻き込まれてしまったのだろうか。その可能性に思い至り、胸にざわつきと冷たいものが満ちてくる。
「あ、でも」
失踪事件の被害者がいずれも霊界へ引き込まれたのならば、ここに他の誰かもいるかもしれない。合流できればきっと、互いの助けとなるだろう。
そう心に決めて、行動を開始する。穏やかな気質の英二だが、危機的状況に放り込まれたのはもはや一度や二度ではない。覚悟を決めれば、そうした体験と切り抜けてきた経験から、勇気も沸いてきた。
少し落ち着いた気分で、再び室内を眺め回す。やはり民家のようだ。嵐が荒れ狂ったかのような有様は、よくよく見れば人の手による破壊であろうことが分かる。住人の家庭環境はよほどに荒んでいたのだろうか。
「ん……これは」
しわくちゃにされた書類が気になり、数枚を拾い上げる。
借金の督促状だった。貸金業者からの通告書。裁判所から直接届いた支払督促状。「債務者は請求の趣旨記載の金額を、速やかに債権者へ支払え」などと強い口調で書かれている。業者の通告書には債務合計なども記載されていたが、英二が見たこともないすさまじい債務額がつらつらと列記されており、めまいを覚えた。
住人は生活に困窮していたらしい。行き詰まり、途方に暮れ、感情が爆発した末のこの家内の惨状というわけか。
いままさに立っているこの場所で、かつて繰り広げられたであろう愁嘆場や修羅場を想像し、胸が詰まる思いをかみしめた、その時だった。
「ねえ」
「うん?」
さっそく同様に霊界へ連れ込まれた誰かと合流を果たせるかと期待をもって振り向けば、
「わたしたち、しんゆうだよね? ね? だから、いいよね? ね?」
「え……」
そこに立っていたのは、いやそびえていたのは、ぶくぶくと膨れ上がった肥満体。身長は2メートルを越えようかという、巨大な童女だった。
霊界に根を張り600余年を生きてきた。生業を持ち、あやかしらの繋がりを築き、はぐれものを受け入れてきた。それが
鏨 紫
にとって大切なものともなった。
600年だ。背負う重みも相応に増した。紫ときたらそれでもあっけらかんとしているが、責任を自覚しないわけでもない。
「と、いうわけでね」
だから紫は、ブン殴る。それも力の限り、怪力乱神と呼ばれるゆえんをためらいもなく発揮する。
巨大な少女は座卓とタンスを巻き込み破壊しながらよろめき、その隙に顔面蒼白な人間の少年を呼んだ。
「君、こっちへ。そこは危ないよ」
「は、はい……!」
鬼である紫の巨躯に英二は一瞬たじろいだものの、対峙する怪異よりはいくらか話も分かりそうだと判断したらしい。すぐにきりと眉尻を上げ、決意の表情を見せつつ紫の後ろへ回った。
「いい子だね。人間の子もなかなか勇気がある」
「どうも……た、助かります」
「なに、気にしないでいいよ。君もあれだろう、寝子島から霊界に引っ張り込まれたクチだろう?」
近頃、霊界にも噂があった。青い闇の出現。生きた人間が霊界へ引きこまれる事例も増えているという。霊界は謎が多いから、今までにもそんなことは幾度かあったが、それにしたってこう頻繁ではなかった。
ここはひとつ、彼にも事情を聞いてみるべきだろうと考えたところで、巨大な少女が起き上がり、焦点の合わぬ瞳でこちらを見た。
「しんゆうだよね? わたしたち、しんゆうだよね?」
「さて。いったい『誰と』しんゆうなのかな。親友なら、いきなり殴りかかるような真似はごめん被りたいものだけどね」
「え? なに? きこえない。あんたはわたしのいうこと、きいてればいいの」
豪腕を振りかぶり、叩き下ろす。木製のテーブルが砕け散り、飛散した欠片を叩き落としながら、
「きこえないなら、お静かに。やれやれ、ここが誰かの思い出なら、いたずらに壊したくはないけれど。ね!」
途端、身を低く構えた紫の体躯がみるみる大きくなり、その勢いも乗せたまま巨大な怪童を蹴り上げた。
破壊的な少女も紫の発揮するパワーにはたまらず吹き飛び、窓枠をぶち抜いて、そのまま直下へと落下していった。あやかしや怪異の類ならあの程度で滅びもすまいが、時間稼ぎにはなったろう。
「ふう。友人にはなりたくないタイプだったね」
「あの……」
「やあ。怪我は無いかい」
当面の危機は去ったと見てか、顔を出した英二が尋ねた。
「ここは一体……誰かの思い出、って……?」
「ああ」
彼は否応なくこの家へ放り込まれたのだろうが、確固とした目的もまたあるようだ。
それは紫もまた同じ。この家から噴き出す青い闇は、霊界を飲みこまんと膨張しているらしいというのだから、放ってはおけまい。
「……積み家、と呼ばれてるよ。この家のことは。霊界でも有名なスポットでね」
「つみ家……」
紫は砕けた家具のあれこれを拾い集め、端のほうへ寄せた。かつて住んでいたのだろう誰かの意思や思いを尊重し、せめてもの繕いのつもりだった。見ていた英二も何かすべきと思ったか、手を貸してくれた。
「いつごろだったかな。15~6年前に霊界へ現れたんだけど、その時はまだ単なる一軒家だった。それが、時が経つにつれて積み上がっていって、今じゃこの有様さ」
「時が経つにつれて? ですか」
「そう。まさに人が思い出を積み重ねるように」
ふと。青い輝きが二人の目を打った。
青い闇。青い幻像。
人影はふわりと二人の眼前へ降臨し、こちらを一瞥し、儚げにふわり。ひとつ微笑んでから、
「っ、そんな……待って!」
英二の呼びかけにはとどまらず、再び中空へと溶けるように消えた。
幻像は、
黒白 滴
の姿をしていた。
「失踪事件。ストリートグラフィティ……霊界。積み家」
つぶやき思考をめぐらせる英二には、道筋が見え始めているようだった。
「ここはもしかして、黒白さんの家……?」
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年10月23日
参加申し込みの期限
2022年10月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年10月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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