華やかなステージにようこそ｜リアクション

華やかなステージにようこそ

　木天蓼大学の一限目が終わった。講義を受けていた学生は少なく、眠そうな顔でのろのろと出ていく。
　中程に座っていた初瀬川理緒は大きな伸びをした。
「なんとか眠気に打ち勝ったわ」
「本当に？」
　右隣にいた佐和崎紗月は苦笑いで横手を覗き込む。
「理緒ちゃんのノート、真っ白なんだけど……」
「あたしは聞くことに集中してたから。ノート担当は紗月だから安心ね」
「いつ任命されたの？」
　疑問に思いながらも顔は笑っていた。理緒はスマートフォンを起動させて、さっき、と悪びれないで言った。
「ねこったーに面白そうな情報があるよ」
　スマートフォンの画面を紗月に見せる。
「ポールダンスの募集ね」
「そうだね。『急募』ってあるし、やってみる？」
「スケジュール的にはできそうだけど、初心者だし」
「二人ならできると思うんだよね」
　理緒の強い視線を受けて、そうね、と紗月は柔和な顔で答えた。

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