シナリオ「華やかなステージにようこそ」

華やかなステージにようこそ

　木天蓼市内の一角にある水着ガールズバー『ジュエル』は今日も客で賑わっていた。ある者は若々しいキャストと会話を楽しむ。カウンターの隅では好みのカクテルの味に浸る者がいた。
　訪れた客は各々のスタイルで宝石のような一時を過ごした。
　そこにビートの効いた曲が流れてきた。客達は一斉に特設ステージに目を注ぐ。焦らすような暗がりはスポットライトの光で全体を現した。
　銀色のポールを背にした真境名アリサが挑発的な笑みを浮かべた。歓声を一身に浴びるとビキニ姿で踊り出す。緩急をつけた動きは時に艶めかしく、客達の目を奪う。
　均整の取れた姿態をポールへ存分に絡ませた。曲の速度が上がると動きも激しくなった。
　ポールの上部に跳び付き、緩やかに周囲を回る。その間に姿勢を変えて技を繋げた。逆さまになって水平の開脚を見せると盛大な拍手が送られた。

　曲が終わりに近づく。アリサはポールを片手で握り、身体を水平に保った。空を飛ぶような姿勢を維持するとフィナーレに相応しい拍手と歓声に包まれた。

　ステージを終えたアリサは飲み物で喉を潤す。常連客の一人が笑顔で声を掛けてきた。
「今日のステージもよかったよ」
「ありがとう。拍手と声援のおかげね」
　さらりと感謝の言葉を入れると常連客は満面の笑みとなった。
「正面から言われると照れるね。技も増えてきたみたいだし、今後が楽しみだよ」
「挑戦はしているんだけど、ポールダンスは奥深いからね。あと副店長としての仕事もあるし」
「猫の手も借りたいって感じか」
　その一言にアリサの頭の中に妙案が浮かんだ。
「それよ！　借りればいいのよ！」
　アリサはバックヤードに駆け込んだ。一服していた店長を見つけると長い髪を振り乱して詰め寄った。あまりの勢いに出された提案には首を縦に振るしかなかった。
　喜びを爆発させたアリサはロッカーからスマートフォンを掴み出すと、即座に起動させてネットに繋げた。ねこったーの冒頭に『急募』と入れた。
　その後に続く内容はポールダンサーの募集であった。経験の有無は問わないことを明記した。１ステージの値段は少し高めに設定。当日の飛び入り参加を認める旨を最後に添えて送信した。
「借りるなら人の手よね」
「どういう意味？」
　小首を傾げる店長にアリサは片目を閉じて見せた。

運営部より

こちらは、Light and shadow キャンペーンのプレゼントシナリオです。
真境名アリサさまは、参加が確定しています。おめでとうございます！

このシナリオへの参加申し込みは、どなたでも可能です。
キャンペーンへの参加は関係ありませんので、お気軽にご参加ください。

ゲームマスターより

担当ゲームマスター

黒羽カラス

マスターコメント

　Light and shadow キャンペーンの抽選の結果、真境名アリサさんが選ばれました。
　おめでとうございます！　イラストを反映したシナリオがこちらとなります。
　ポールダンスにスポットライトを当てていますが、それだけではありません。
　どのようなＰＣであっても参加できるような内容になっています。詳しい内容は下記をご覧ください。

今回の舞台

　今日は日曜日で木天蓼市内にある水着ガールズバー『ジュエル』が舞台となります。
　副店長の提案によって営業は昼の十二時から夜の八時までとなっており、未成年の利用も可能となっています。
　喫茶店で提供されるような軽食も用意されています（アクションに明記）。

　未成年、または下戸の方々にはノンアルコールのカクテルが用意されています（成人は飲酒可能）。
　１　モスコミュール（ウォッカ抜き）：甘さがなくてさっぱりした味わいです。
　２　レッドアイ（ノンアルコールビール使用）：トマトジュースを混ぜたもので飲みやすいです。
　３　シンデレラ：オレンジ、パイナップル、レモンと少々の水を加えてシェークした甘酸っぱい飲み物です。
　４　コンクラーベ：オレンジ主体で少々の牛乳を足して、隠し味にラズベリーシロップを入れます。
　　　　　　　　　　コクのある甘さとなります。
　５　これら以外のノンアルコールカクテル。オリジナルのカクテルを作っても構いません。

ポールダンス

　ねこったーの情報を見たＰＣがポールダンサーとしてステージに立ちます。
　流れる曲は自由に選べます。店側が用意した曲で踊ることもできます（マスターにお任せ）。
　ポールダンスにはたくさんの技があります。キューピット、スーパーマン等の技名を書かないで、
　ふんわりした説明でも受け付けています（マスターのオススメ）。力強くとか、素早い動きで等。

　飛び入りで参加することができます。自身が持ってきた曲を流して踊ることも可能です。
　ポールダンスの技を使わず、身体能力を活かしたスタイルを通してもいいでしょう。
　観客の前で披露する為、ろっこんの威力は少し落ちます。
　全く使えないという状況に陥ることはないので（観客やステージに被害を及ぼさない範囲）、
　体力的に不安がある方であっても参加できます。ろっこんによる身体の強化で年配者がパワームーブを決める等。　

ダンス以外で参加

　観客として参加。または飲食目的で『ジュエル』を利用してもいいでしょう。
　偶然に立ち寄った先で初めて見たポールダンスに感動する描写も可能です。
　踊りに触発されて飛び入り参加もできます。

ＮＰＣ＆Ｘキャラ

　ＰＣと関係があって、尚且つ、不自然な場面でなければ登場させることができます（登録されたＮＰＣの全て）。
　ＸキャラはＸキャラ図鑑を参照しますので設定を省くことができます。

　長くなりましたが説明は以上になります。
　説明の通り、ＰＣがポールダンサーとして参加することはできます。
　さらにＸキャラと一緒に二人で踊ることもできちゃいます！
　あ、それとバックに流れる曲もふんわりで大丈夫です。
　アクションで実際にある曲名が書いてあれば、
　その曲調を参考にすることはあります。

　それでは皆さん、華やかなステージでお待ちしています。

サンプルアクション（1）

プレイヤーの目的・意図: ポールダンスとは無縁のＰＣですが、
うまく調和させて描写してください。
キャラクターの目的・理由: 俺は信じたものに賭ける。
キャラクターの行動・手段: ねこったーを見て店にきた。
ポールダンスとは縁がない。そこで俺は自分の得意なものに賭けることにした。
客達が賑わう中、特設ステージにスポットライトが当たる。
それだけで熱狂する客達にダンサー達は自慢の踊りで答える。

「……俺の番か」

着ていたコートを脱いだ。仕込みは十分。和太鼓の重々しい音をバックに俺は暗がりからステージに駆け上がる。

「え、マジで！？」
「あれってダンスの衣装じゃないよな？」

観客の驚きは当然で俺は空手着に身を包んでいた。
力強い和太鼓に合わせて空手の演武の一部を披露した。
音に合わせた力強い正拳突きに観客の反応が徐々に変わる。

「いいぞ。なんか迫力が伝わってきた！」
「マジでカッコイイ！」

問題はここからだ。俺はポールを架空の敵とみなし、拳や蹴りを寸止めで繰り出す。
一度、ポールを掴んで回った。初心者でもできるフロースピンではあったが、
空手の後なのでインパクトはあったらしい。想定以上の拍手を貰えた。

この流れに乗って俺は最後の技に挑む。少しの助走の力を得て跳んだ。ポールを壁に見立てて三角跳びを宙で決める。
　着地と同時に和太鼓の音が止み、俺は拍手に包まれた。

「押忍！」

決め台詞は歓声に掻き消された。