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運命の鏡を覗いたら
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◆
鴻上 彰尋
の場合。
鏡を覗き込んで見えるのは、運命の人? それとも化物?
夜中にリンゴとろうそくを持って覗き込むと、運命の相手が見えるかもしれない鏡。
道で呼び止められて、そんな話を聞かされたとき。なんて素敵な逸話だろう、と思った。そして、化物が出る可能性もある、と聞いたときは、すごく残念な気持ちになった。
「その令嬢の話ですが」
「ん?」
「事実なんですか」
「へえ。そんなこと質問してきたんはあんたが初めてや」
友幸は面白そうな表情を浮かべ、「なんでそう思たんや?」と聞き返す。
彰尋はためらいがちに、しかしはっきりと「もしかしたらその逸話も、魔物が獲物を呼び込むために流したものかもしれないから」と答えた。
「あー、なるほどなー。あんた賢いなあ」
「いえ」
「はっきり言って、それはわからん。何百年も前のことなんて昔過ぎて、誰もわからんちゃうんかな」
「ですよね……」
「ま、ここであーだこーだ言うても何も始まらんし。何が真実かは、行って直接その目で確かめたらえーわ」
どうしても行かせたいらしい。それはなぜかという疑問はさておき、友幸の言うことはもっともだと思えたので、彰尋は頷いた。
「わかりました。ご一緒します」
「言うとくけど、おれは入らへんよ」
館の入り口で友幸はそう宣言をした。
「え? でも」
「きのう入ってみたけどな、なーんも起こらんかったんや。だからあんたらに声かけたっちゃうわけや」
「そうなんですか……」
「ん? なんや、怖いんか?」
ニヤ、と笑う。
「そんなことは……」
「大丈夫、あの鏡のせいで人が死んだいう話は聞いたことないからな。まあ、ちょっと怖い目にはあうかもしれへんけど、へーきへーき。ほら、入った入った」
「えっ、ちょっ――」
背中をどんどん押される形で、彰尋は館の中に押し込まれた。
彼の後ろで玄関の扉が閉まる。
「あの人、ここの調査に来たわけじゃなかったのか」
想像していたのとは少し違って、なんだか都合良く利用されている気がしないでもなかったが、まあいいと思い直して。彰尋は懐中電灯をつけて歩き出した。
もう何十年放置されてきたのか、歩くたびに足元で降り積もった埃が舞い、じゃりじゃりと砂を踏んでいるような感触が靴底から伝わってくる。家具もそのままだった。白いシーツをかけられただけで、何もかも放置されて、持ち出された様子はない。
「持ち主は、また来年来よう、って。そう思っていたのかもしれないな」
だけどそうはならず、そのままこの館は放棄された。
(何があったんだろう?)
背筋がぞくっとして、彰尋は思わず身を震わせた。急に温度が数段階下がった気がする。まさかと周囲を見渡したけれど、何も動く物やそれらしい気配はなかった。
「気のせいか」
あんまり深く考えないようにしよう、と再び歩き出す。
とりあえず、1階からだ。
鏡はすぐに見つかった。
これだけの館に鏡が1枚だけとは限らず、実際いろんな大きさ、形の鏡がどの部屋にも1つはあって、最初のうちは迷いもして、見分けられるかどうか不安になったりしたが、本物を見つけると、すぐにこれだとわかった。
なんというか、雰囲気が違う。
周囲の空気からしてあきらかに違っている。
これ以外あり得ない。そんな気持ちにさせる鏡だった。
まるで野生の獣と相対した時のような緊張感で鏡から目を離せず、手探りでかばんからリンゴとろうそくを取り出す。
囮役を務めるつもりだったから、準備はしてきていた。――まさか自分一人でやることになるとは思っていなかったけれど。
化物が出てきた場合、自分で対処できるだろうか? 不安がないわけではなかったが、ここまで来た以上、とにかくやるしかない。
ろうそくに火を灯し、リンゴを手に鏡の前に立つ。一口かじって、鏡面を覗き込んだ。
じっと見ていても、何も起きない。自分が映っているだけだ。
「……化物も出ないし。ただのうわさだったのかな」
そのことにほっとするべきなのか、わからないまま咀嚼していたリンゴを飲み下す。
そのとき、鏡面が揺れた。石を投げ込まれた湖面のように幾つも波紋が立って、彰尋の姿がゆらゆらと揺らぐ。
その不思議な現象に言葉もなく見入っていると、だんだん波紋が鎮まってきた。
「……違う。俺じゃない」
揺れる鏡面は彰尋より一回り小さな、女性の姿を映していた。波紋の生まれる中央にちょうど頭部があって、肝心の顔が見えない。
「誰――あおいさん……?」
心臓が体から飛び出さんばかりにどくんっと大きく飛び跳ねて、ぎゅっと縮まる。激しい痛みに無意識のうち、リンゴを持つ手を胸に押しあて、彰尋は息をすることも忘れて鏡面に見入った。
ろうそくのあかりだけじゃよく見えない。もっとはっきり見たい。本当にあおいかどうか確かめたい。
引き寄せられるように一歩、また一歩と鏡に近づき、目を近づける。そのとき。
あおいの顔がゆがんで、口が耳まで裂けた。
みるみるうちにあおいの顔かしぼんでいき、見たこともない老婆のようなしわくちゃ顔になる。湖面のような鏡面からこちらへ身を乗り出してくるのを見て、驚き、うわっと後ずさった彰尋の肩を抱くように受け止めたのは、友幸だった。
「華徳井さん?」
「ちょお待ってな」
それから友幸は何かを口早に唱えて、人差し指と中指の2本で鏡面から出てこようとした化物との間に線を引いた。
「この線は河岸と彼岸を分かつ線。おまえは決して越えられん」
線に触れた化物はギャッとカラスのような枯れた声で叫び、フッと鏡ごと消えた。
「チィちゃん! 追って!」
ポケットから出した試験管のゴム蓋を歯でキュポっと抜いて、そこから現われた三本尾の白キツネに追尾させる。
そしてようやく肩を抱いたままだった彰尋を見た。
「えろう怖い思いさせてすまんかったな。おれがおったらあいつ出てきーひんから、ちょおおとりになってもろたんや」
「いえ、それはいいですけど……」
「え? えーんか? あんた、結構危なかったんで?」
「もとからそのつもりでしたから。ただ、前もって教えてほしかったですけど」
「いや、あんたが知っとったら気付いて出てきーひんかったわ」
「そうですか」
ならしかたない。
「それで、あれが例の鏡の化物ですか」
「の、1匹やろな。あれだけやないけど、かなり力のあるやつやったわ」
話しているうちにあの白キツネが戻ってきた。
「まかれたらしいわ。ま、しゃーないな」
試験管に戻してふたをする。そしてそれをしまいながら、「ほな戻るか」とあっけらかんと言った。
「探さなくていいんですか?」
「おれがおると知ったら、もう出てきーひんわ」
あっさりしたものだった。失敗したら失敗したで、何の執着もないらしい。
(俺は――どうなんだろう……)
暗かったし、1分にも満たないような短い間だったけど、鏡に映った女性はあおいに見えた。
あれは、鏡が見せてくれた運命の人なんだろうか? それとも、化物が仕掛けた罠?
(だけど変わったのは途中からで、最初に映っていたのは絶対あおいさんで)
だとしたら、やっぱり、あおいが運命の相手……?
玄関まで戻る間、無言で考えながら歩く。気分がジェットコースターのように浮いたり沈んだり、忙しい。そしてそんな彰尋の姿に友幸ははーっと大きくため息を吐き出して振り向くと、肩をつかんで言った。
「ええか? さっきのをどう受け止めるかはあんた次第やけどな、未来は決まったもんとちゃうやろ? 運命も同じや。この先いくらも変わることなんかいっぱいあるんや。特にあんたみたいな高校生はな」
「……そうですね」
ああやっぱり。ぬか喜びだったのか、と落ち込んだのを見て。友幸が髪をかきむしった。
「ええか! こーいうの、おれのキャラとちゃうけど、あんたには借りがあるし! 1回しか言わへんからよーく聞けや!
見えたっちゅうことは、可能性があるっちゅうことや。未来は確定しとらんけど、確定しとらんからこそ、10%を20%にも100%にもできる。望む未来を引き寄せることもできるっちゅうこっちゃ!」
「華徳井さん……」
「あんな鏡に振り回されんなや。いい未来が見えたからって、安心して手ぇ抜いたら肝心のときにとりこぼすで」
かわいい子やん。ものにしたいんやろ。男なら気張れや。
「……はい! ありがとうございます!」
頭を下げてお礼を言いながら、彰尋はあらためて頑張ろうと思った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
ホラー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年09月17日
参加申し込みの期限
2022年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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