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運命の鏡を覗いたら
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◆
乱蘭・フローレンス
の場合。
どうやら九夜山の廃屋に、覗くと運命の人が映る鏡があるらしい。
なんてロマンチック。乙女心をこれでもかとくすぐる設定だが、悪いけど、もう死んでる乱蘭にはどうでもよかった。
死んでから運命の人がわかったところでどうしようもない。相手も死んでるならまだしも、生きていたなら、そりゃもうお相手にはお気の毒としか言いようがないわけで。
相手も死んで幽霊になっていたら…………ロミジュリのように、あの世で添い遂げましょう、ってか? それ、いつの時代の昼メロだって話。
だけどこの世のものでないナニカが見えるっていう設定は、アリだと思う。しかもそれが運命の人か化物かの二者択一。運命の人が映ったら大当たり、化物が出たらハズレとか。ちょっとした博打じゃーん?
「いや、オモロイよ、そーゆーの。はっきり言って、キライじゃないでござる」
となれば、いざ出陣。
袖まくりした腕をぶんぶん振って、乱蘭は鼻歌混じりにくだんの化物屋敷へと向かった。
閉じたドアをにゅっとすり抜け。
「こんばんはーっ! トリート&トリートぉ!
……誰かおらぬでござるかー?」
きょろきょろ見回しながら声をかける。が、返答はなし。
「ふむ。何やら気配はするのでござるが。この屋敷の幽霊はシャイなんでごさるなぁ」
幽霊か化物か。とにかくこの世のものでないナニカを探して屋敷をうろつく。
どこをどう歩いたか。壁も天井もすり抜けられる幽霊に、順路なんてないようなもの。だだっ広い――実をいうと、外から見たときはこんなに広いようには見えなかったのだが――屋敷を上へ下へと気ままに進んでいたせいですっかり今いる位置がわからなくなった乱蘭は、ふとどこかから声が聞こえた気がして足を止めた。
耳をすましてみたが、もう聞こえない。空耳かと思い直しそうになったころ、また聞こえてきた。今度ははっきり、すすり泣く女性の声だとわかる。
「向こうでござるね」
泣き声をたどり、壁抜けで3つ4つ通り抜けた部屋の先に、声の主はいた。
白いイブニングドレスを着た長いブルネットの髪の女性が、窓際に立ってすすり泣いている。そして乱蘭が気付くと同時に向こうも乱蘭に気付いて振り返った。
真っ赤な血の涙を両目から流したその女性の幽霊は、手も血まみれだった。右手にはナイフを握っていて、そのナイフの刃も血まみれだ。
「おおう。もしかしてこれって修羅場後? 困ったな、インタビューしても答えてもらえるかなぁ」
乱蘭がそうしゃべっている間も女性のすすり泣きは止まらない。開きっぱなしの口から洞窟のような反響音で泣き声が聞こえている。
「ま、考えるより、やってみるでござる。
こんばんはー。しゃべれますかー? 拙者、乱蘭と申す者です。見てのとおり幽霊でして。ここには鏡を探しに来たのでござる。
あれ? 言葉通じてる? 通じてない? そういやここの鏡の持ち主は外人でしたっけ。あなたももしかして欧州生まれ? だとしたら……えーと、何だっけ? ぼんじゅーる?」
「…………」
女性は、自分に話しかけながら一人で受け答えしている乱蘭を不思議そうに見て。すっと腕を水平に上げた。
その手が何か指さしているように見えて目で追うと、壁にかけられた鏡があった。
「あっあんな所に鏡が! もしかしてあれ?
わー、教えてくださってありがとうございます。じゃあ失礼して、覗いてみますねー」
ぺこっと頭を下げて会釈して、乱蘭は鏡のほうに近づいた。盗み見るように肩越しにちらりと目を向けると、女性はもう乱蘭への興味を失ったように乱蘭が来る前にしていたように、窓のほうを向いて、外を眺めながらすすり泣いていた。
もし外に誰かいて、この女性の幽霊と波長が合ったなら、血の涙にドレスを真っ赤に染めた女性の幽霊が窓際に立つ姿が見えただろう。
(ああして、館を訪れる誰かを待っているのでござろうか)
何百年も?
ああ、幽霊というのは、本当に業が深い。
(って、拙者も幽霊でござったな。何が成仏しない理由か、忘れてしまったでござるが)
案外あの女性も忘れているのかもしれない。誰を待っているのか。待つ理由すらも。
「ま、それより今は鏡でござるよ。ふーむ。これが例の鏡でござるかー。
うん……うん? 映っているのは一体誰ですかこの美少女は! まるでこの世のものとは思えない! プロポーション抜群の! オタク!!」
頭に片手を添えて、ポーズを決めて、ウインクをパチリ。
そしてすぐ、ぷーっと吹き出した。
「なーんて。思い出したでござるが、拙者鏡に映らないんでしたな! これがカメラだったらバッチリ映ったでござるが! 心霊写真として!」
わはははははー。
ひとしきり、腹を抱えて笑う。
「やっぱり駄目かぁー」
興味がなかったとはいえ、運命の相手とやらが映らなかったことに、ほんのちょっぴり残念な気持ちを感じつつ鏡から離れて背を向けた。
さて。これで第一目的は果たしたわけで、このまま帰ってもいいのだが。
でもやっぱり、泣いている女性を放置して行くのは気が引けた。
だってあの女性の待ち人は、これから先も永遠に彼女を訪ねてきたりなどしないのだから。
すすすと背後から近寄って、ぽんと肩をたたいた。
「おねえさん、ちょっといいですか。
あのですね。おねえさんは知らないかもしれませんが、霊界という場所がございましてね。そこにはおねえさんのような幽霊も、数多くいるのでござるよ。どうです? 興味ありませんか? 拙者、案内できるんですが、よかったらちょいと行ってみる気はござりませぬか」
一先ずは花緑青までご案内致しましょう。
レッドレディ――どうやらそれが彼女の呼び名らしいと、あとで知った――は、もうこの誰もいない館の窓辺で、来ない人を待って立つことはないだろう。
乱蘭が連れ去ってくれたおかげで。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
ホラー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年09月17日
参加申し込みの期限
2022年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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