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運命の鏡を覗いたら
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◆
仙藤 紫
の場合。
なぜ自分はここへやってきているのだろう?
紫は自分でもわからなかった。
ここには、夜中にろうそくとリンゴを手に覗き込むと、運命の人が映る鏡があるという。
その話を聞いたのは、大学からの帰り道だった。四つ辻で「辻占」の看板の横に立った、関西弁をしゃべる男に呼び止められて、そう聞かされた。
なんでも、欧州から移築した館がどうの、いわくつきの鏡がこうの、運命の人がうんぬんとかいう話をえんえんと聞いた気がする。
それと私に何の関係が……と思ったのを覚えている。
話を聞いても、興味を引かれる箇所は1つもなかった。恋愛では痛い目にあったばかりだ。その傷も癒えたといえない状態で、また新たな傷を作ろうとは思わない。そう考えて、ベッドに入ったはずなのに。
気付けば館の前にいて、肩から下げたバッグにはろうそくとリンゴが入っていた。手には小ぶりなLED懐中電灯を握っている。
それらを用意した記憶はなく、ここまでの道中もほとんど覚えていない。
もしかして、これは夢? とも思ったが、あまりに全てが生々しくリアルだった。
「……もう。あの辻占、私に何をしたの?」
考えにくいことだが、そうとしか思えなかった。他に思い当たる節が何もない。
こういったことに、普通なら怖がるべきなんだろうが……。
紫はため息をつく。
寝子島で神魂現象に何度も遭遇するうちに、良くも悪くも慣れてしまった。
「いいわ、行きましょう」
懐中電灯をにぎり直し。玄関のドアを押した。
玄関には鍵がかかっておらず、スムーズに開いた。
長く閉ざされていた感じはしない。それに、床を見るとできたばかりのような靴跡がある。
「どうやら先に入った者がいるみたいね」
だとしても驚かない。あの男は紫の前にも後にも、誰彼となく声をかけていたに違いないから。
無人じゃない。自分以外にも誰かいる、と思うと、不思議と安心度が増した。
いざとなれば大声を上げて、その誰かを呼べばいいだろう。
館の中は本当に暗かった。特に室内は厚い斜光カーテンが引かれていて、月の光はほとんど透過しない。廊下は西に面した側はまだ少しはましだが、東や北などは、壁とドアの区別もつきにくかった。懐中電灯がなければ断念するしかなかっただろう。
紫は順に見て回り、廊下の突き当たりの壁に姿見が設置されていることに気付いた。
最初、それが鏡だと気付けなくて、階段を上がった直後、ぼうっと浮かびあがった人影にどきっとして思わず硬直してしまった。でもよくよく見るとそれは鏡に映った自分だったというわけだった。
「いやだ。驚かせないで」
ほっと胸をなで下ろして、そちらへと近づく。
鏡は、どこにでもあるような品だった。年代物のアンティークではあるが、とりたてて目を引く華美な装飾などはなく、どちらかというと実用的な額縁をしている。
そっと鏡面を人差し指でなぞると、埃が指についてきた。長い間手入れをされず放置されていたのだから当然だろう。しかし鏡面自体に傷みはなさそうだった。
「あなたが、例の運命の人を映す鏡なのかしらね」
運命の人。
かつて紫は恋をしたことがある。
彼こそ自分の運命の人だと心が感じとったのだ。
だけどそれは違って……締めつけられるような胸の痛みが、今も長く心に残っている。
真剣に恋をして、そしてそれを失ってしまったから。それだけに、まだ恋なんてする気になれない。少なくとも今は。
ずっとそう思ってきた。
「じゃあどうして、私はここにいるのかしらね」
胸の痛み。これはもう、残響でしかないというの……?
痛みに慣れて、これがあるのが当たり前になってしまって。本当は、もうとっくに次へ進む準備ができていたというのにそのことに気付けないでいた。そんなことがあるのかしら?
「運命、ね。まあ、運命と言ってもいろいろあって、必ずしも愛する人をさす言葉ではないし」
もしかしたら、永遠の親友、心友になる人かもしれない。なんて考えようとするのは、ただの言い訳? 命綱をつけようとしているのだろうか。
人生にそんなもの、ありはしないのに。
苦笑して。
紫は覚悟を決めてリンゴとろうそくを取り出して火を灯し、鏡を真正面から覗き込んだ。
映っているのは自分だけ。そのことに、ほっとするべきなのだろうか。
「ほらね。ただの鏡」
そうつぶやいて、緊張していた自分を笑おうとした時だった。
鏡の中の自分が揺らいで、だんだんと別の形をとっていく。
その光景に息を呑み、思わず鏡面へと顔を近づける。
ゆがんだ線はやがて確固たる輪郭線となり、明度を増した。不明瞭ながらも人の形のように見える。
後ろ姿だ。
「……こっちを向いて。顔を見せて」
覚えておくから。
今度出会ったとき、あなただと絶対にわかるから。
そんな紫の声が聞こえたかのように、その人物が振り返る。
まるでそこに紫がいるのに気付いたかのように、ほほ笑んでくれて……。
そして次の瞬間、それは元の鏡となり、紫の姿だけが映っていた。
そっと鏡面に触れても、何も変わらない。だけど。
「見えたわ。一瞬だけれど、確かにあなただった」
絶対に、あなたを忘れない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
ホラー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年09月17日
参加申し込みの期限
2022年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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