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運命の鏡を覗いたら
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◆
三毛谷 道哉
の場合。
月が中天に昇る深夜帯。懐中電灯片手にやって来ては館へ消えていく者たちを、道哉は草葉の陰から見守っていた。
存外多い。
あんな、道端で通りすがりの者に声をかけるなどという、うさんくさいことこの上ない勧誘の割には集まったほうではないかと思う。
(みんな、そんなに運命の人とやらが知りたいものかねえ)
ふうとため息をついたときだった。
「みーつけた」
ガサガサと頭上の葉がかき分けられて、うさんくさい勧誘の主・友幸がひょっこり顔を出す。人好きのするにこにこ笑顔で、「あんたは入らへんのか?」と道哉に問うた。
今の道哉は一本尻尾の三毛猫の姿で、その辺の野良猫たちと区別がつかない格好をしている。けれども友幸は彼を猫又と見抜いているようだった。
(ま、おキツネさまを式紙にしているような青年だからね)
彼のモッズコートのポケットでうっすらと光っているものをちら見して、そんなもんなんだろう、と納得して、「私はいいよ」と答えた。
「ふーん。でも、興味はあるんやろ? なかったらきーひんもんな。塀の上で箱座りしてたときも、フツウの猫のフリして聞き耳立てとったぐらいやし」
「彼らが心配なだけさ。きみの話だと、あそこには化物がいるらしいじゃないか」
「あー。けど、ほんの小物や。本気で危険やと思う相手には声かけてへんしな」
ちらりと館を見る彼の横顔を見る。彼は嘘をついていない。少なくとも、彼は本当にそう思っているのだと理解して、道哉はふっと息をついた。
「わからないな。なぜきみが行かない? きみでは駄目なのかい?」
「おっ、理解早いなあ。そういうこっちゃ。五行相剋って知ってるか?」
「たしか風水とかいう、大陸から来た陰陽だろう」
「そそ。それによると、おれは火気で鏡は金気らしゅうて、おれが入っても全然出てきてくれへんかったんや。
ま、おれは風水は専門外やから、そいつの受け売りやけど」
ふむり。道哉は考える。
「つまりきみは、化物が出ることを期待して、彼らを送り込んだと。そういうことかい?」
「嘘は言うてへんで。ちゃんと説明済みや。あんたもあの場で聞いてたんやから、化物が出るかもしれへんのは知っとったやろ。それに、おれは首根っこつかんで放り込んだわけでもない。あいつらは自分の足で入ってったんや」
それはそう。
「鏡は運命の人を映す。それもホンマや。令嬢の話もな」
「どうにもわからないな。そんなことをして、きみに何の得がある? 何がしたいんだい?」
返答によっては足を思い切りかんでやろう、そう思ってすぐ横の友幸の足を見る。
「それは――」
と友幸が答えようとしたときだ。
ガターーンと椅子か何かが倒れる音が館の中からして、ガチャンガチャンと硬い物が割れる音や棚のような重い物が倒れる音が続いた。
部屋で何かが暴れている、そういう音だった。
申し合わせたように2人は同時に動いた。
「おーおー、派手にやっとるなあ」
「あれがきみの待っていたことかい?」
「ちゃう。言うたやろ、全然出てきてくれへんって」
友幸が向かった先で、窓が1つ開いていた。準備済みだったのかもしれない。ともかくそこから中へ飛び込む。飛び込んだ先は廊下で、こちらへ走ってくる人間の足音がしていた。
そして足音を追って走ってくる、キーキーと鳴く何か。
「この先が玄関や! 今なら外とつながっとる! そのまま走り続けろ!」
七瀬とウォルターに聞こえるよう叫んで、彼らとすれ違う。
暗闇を見通す猫の目で、道哉は彼らを追うモノを見た。でかいドブネズミほどの大きさの、得体の知れない生き物だ。それが天井や床、壁を縦横無尽に蹴って走ってきている。その生き物の爪の鋭さを物語るように、それが着地した場所は深くえぐれていた。
あれにどう対処するつもりか――少し前で待ちうける友幸を見る。が、次の瞬間。
「そっちは任せたで、猫!」
あろうことか友幸はその化物の進路からひらりと身をかわすと、その後ろの影に向かって走り込んだ。
「今度こそつかまえたるぞー!」
その姿に道哉は目を瞠る。
「ちょ――おいっ!!」
直後化物に飛びかかられたため、否応なく道哉が対処せざるを得なかった。
ネズミよりもすばしっこい身のこなしで、その上鉄をもやすやすと切り裂く爪と牙の対処に苦労しつつも、それでも昔取った杵柄でどうにかうなじに噛みついて前足で押さえ込む。床に釘付けにされた化物はキーキーとけたたましく喚いて逃れようともがいていたが、道哉の爪はしっかり化物の背中に食い込んでいて、外れることはなかった。
「あやかしなら話を聞いて、異文化交流ができるならいいかと思ったが、おまえには人語を話すだけの知恵はなさそうだ」
ふうとため息をついたとき。壁のほうでぱちぱちと拍手が起きた。
「うまく対処できてるやん。さすが猫」
いつからそこにいたのか。友幸だった。脇にはさっきまで持っていなかった鏡を挟んでいる。
「きみの狙いはそれか」
「そ。全然おれの前に現われてくれへんから、苦労したわ。けど、これでようやっと依頼が果たせるわ」
鏡を両手で持って、しみじみと言う。
ふと思いついた表情で。
「せっかくやし、おまえも覗いてみるか? 運命の相手が見えるかもわからんで?」
「遠慮しておくよ。化物が出てきそうだ」
――それに、私の運命の人だった女性も、子どもたちも、もう鬼籍に入っている。
「きみこそどうだ?」
「おれか? おれはこいつと相性からっきしやから、ヘソ曲げて全然映してくれへんわ」
わははと笑って道哉が押さえ込んでいた化物をつまみ上げ、ポイッと鏡の中へ放り込んだ。
「鏡の回収がきみの目的だったわけだ」
「いや、それもちょお違うな。正確には、化物が出るかどうか確認してほしいっちゅうだけや。
守秘義務ゆーて、ほんまは依頼主のこととか、仕事内容は話したらあかんねんけどな。ま、あんたには手伝うてもろたから、ええか」
友幸が話したのはこういうことだった。
彼の依頼主はこの館をここに移設した本土の富豪の娘で、このおとぎ話を知った彼女の幼い娘が試してみたいとせがんだそうだ。しかし娘は子どものころ、ここで怖い思いを何度も経験していて――娘が泣いて恐がるため、親たちはここへ来るのをやめてしまった――長い間かなりのトラウマになっていたため、不安が強かった。ただ、当時の自分も幼かったため、あれが本当の出来事か確証が持てない。かといって、この館へ戻る気にもなれず。確認して、大丈夫そうなら鏡を持ち帰ってほしい、というのが彼女の希望だった。
「なるほど。持ち帰るのかい?」
「魔鏡って知ってるか?」
「裏に刻まれた映像を映す鏡だろう」
「そそ。これ、それの一種なんや。そういうのがあるって知った職人がいろいろ試したうちの1つで、内部で合わせ鏡みたいな構造になっとって、そのせいで魔の通路ができたんやなあ」
「じゃあ、運命の相手が映るっていうのは」
「それも異変の一つかもしれん。わからんけどな。
けど、もう道を閉じるから大丈夫や。魔物は出てきーへんようになる。運命の人とやらも映らんよーになるやろうけど、ま、そこは堪忍してもらわんとなあ」
小さい子に怖い思いさせて、泣かすわけにはいかんもんな。
「そうだな」
「んじゃ! おれはこれで失礼するわ。ここへ来るの嫌がっとった彼女にサービスして、梱包して送ったるつもりなんや。もうちょっと予定押しとるんや」
鏡を脇に抱え、手をひらひらさせて去って行く友幸に、道哉はため息をつく。
「どうやら気付かれなかったようだね」
彼が鏡を持ち替えるとき、ちらっと鏡面を見てしまったのだ。
そこには自分でなく、きなこの姿が映っていた。
まだ彼が道を閉じる前だったのか、それとも道を閉じた後だったのかはわからない。道を閉じた後なら、あの能力は魔の通り道に関係なく、存在するものということだ。
「それに……私の見間違いということもある」
壁にかかっていた絵画の人物の1人が映っただけなのかも。なにしろ一瞬だったから、確証はない。
「リンゴだって、食べてはいなかったしねぇ」
けれども自分はそれを、きなこだと思ってしまった。
あのときの動揺、手の震えを思い出して、道哉は自分の手をそっと見つめた。
『運命の鏡を覗いたら 了』
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あとがき
担当マスター:
寺岡志乃
ファンレターはマスターページから!
こんにちは。寺岡です。
当シナリオにご参加いただきましてありがとうございました。
このたびは大遅延をしてしまい、申し訳ありません。
前回に引き続き、2度までも、ご参加者の皆さまに多大なご心配、ご迷惑をかけることになってしまいました。
本当に、本当に、ごめんなさい……っ。
謝っても誤りきれないと言いますか……でも謝ることしかできなくて……もう、もう。
画面の前で土下座して、深く、深く、お詫びいたします……。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
ホラー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年09月17日
参加申し込みの期限
2022年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年09月24日 11時00分
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