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BABY STRANGE
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雨かな、と思って目が覚めた。
飾り気のない天井に、非常灯の緑光がうつりこんでいる。最初こそ、蛍でもいるのかと気になったものだがもう慣れた。
蛍なんていない。ここは病院だ
それにもう、蛍の季節は終わってしまった。
手元の棒をつかんでのばし、ベッド仕切のカーテンをめくる。
思った通りだ。音もなくひそやかに小糠雨が降っている様子である。日一日と遠ざかる夏の余熱を、人々が眠っているすきに冷ましてしまおうとでもするかのように。
都府楼 暦
はうっすらと笑みを浮かべた。誰にむけた笑みでもない。それでも強いて言うならば、いま着ているパジャマに対しての笑みだろうか。なぜって黄色いパジャマには、かわいらしいカエルさんがいっぱいプリントされているから。カエルさんならきっと、雨を嬉しく思うだろうから。
枕元の時計を見る。真夜中だ。また一日、病院での暮らしがすぎたというわけだ。
暦が
暴走車にはねられた
のは数ヶ月ほど前のことだ。病院に搬送され治療を受けたものの経過は思わしくなく、以来、寝子島総合病院での入院生活がつづいている。
事故の後遺症で暦は、右手と左足が不自由になった。
左足はリハビリでなんとか生活に支障ないレベルに戻る見込みだが’、右手は難しいそうだ。
いまもカーテン開閉用の棒を握るのは左手であり、右手を開いて閉じてくらいはできるが、おもちゃのマジックハンドのようにぎこちない。ペンを握ることはできても、前のように自在にあやつることはもう無理らしい。握力だって子ども以下である。
残酷なこの事実を、受け入れるのには時間が必要だった。
いまだって、完全に受け入れているとは言いがたい。
それでも生きていく。生きていきたいと暦は思う。
とにかく眠ることにする。
眠りの精が砂をかけにくるのをしばし待ったが、かき氷でも食べたみたいに頭は冴えておりどうしようもなかった。早々にあきらめることにする。
どうしたものだろう。
暦はため息をついた。
なんとか車椅子には慣れたものの、消灯時間ばかりはどうしても慣れなかった。場所が場所だけに毎夜の消灯時間は早すぎるほど早く、もともと宵っ張りだった暦はなかなか寝付くことができないのだった。ようやく寝入ったしても、こんな風に目が覚めてしまうともうだめだ。訪れるとも思えないものをひたすら待つだけの、長く退屈な時間に逆戻りである。
こうなったらと棒を置き、暦は左手をついてベッドから起き上がった。
夜中の散歩に出ることにしたのだ。これが初めてではなかった。
同室の他の患者を起こすわけにはいかない。スケーターのようにスムーズに床から滑り降り、水色の病院着を羽織って車椅子に腰を下ろす。
今夜の行き先は、中庭あたりにきめた。
非常灯に車椅子が照らされ、無人の廊下に車輪の影を描く。
窓が開いているのか、はたはたと白いカーテンが揺れていた――何だか、別のものみたいと思った。
静かなだけに、タイヤが回る音がやけに大きく聞こえる。
でも耳をすませば、聞こえる音はこれにとどまらない。
ブーンとうなるモーター音は、きっと冷蔵庫のもので、ピッピという電子音はたぶん、患者を飼い犬みたいにベッドサイドにつなぐ機器に由来するものだろう。
夜の病院って、独特の雰囲気ですよね――。
悪くはない。
といっても以前、霊安室に迷いこんだときはさすがに焦ったものだったが。
エレベーターを降りた先で、自動販売機にコインを入れた。自販機は「まだ起きてるのか」とドヤすようなうなり声を発したのち、どすんとペットボトルの紅茶を落とす。さすが病院の自販機、立たずとも買えるのはありがたい。
キャップをひねって冷たいものを口に含むと、暦は守衛やナースステーションを避けながら中庭に乗り入れた。
雨はもうやんでいる。でも雨の匂いは残っていた。雨を受けて喜ぶ草花やキノコの匂いも。湿ったやわらかい地面に車椅子で轍(わだち)を残す感覚は気持ちがよかった。
……急患?
救急搬入口のほうがさわがしくなった。救急車が来たのだ。
病院だから当然かもしれないが、なにか胸騒ぎを感じて、ゴダイヴァ夫人の裸身を盗み見るピーピング・トムのように暦は木立の間から搬入口をのぞいた。
くっきりとは見えない。
でも――。
担架に寄りそう綺麗なお姉さんに見おぼえがあるような気がした。
うちひとりが
沙央莉
(さおり)だと知って心臓が跳ね上がる。事件以来、沙央莉は何度も暦を見舞ってくれた。
だが次に襲ってきた衝撃は、より大きなものだった。
って、運びこまれたのは九鬼姫さん!?
担架に乗っているのはまぎれもなく、暦のよく知る姿だったからだ。
どうして!?
夜中に忍び出て散歩していることをとがめられるという危惧などたちまち霧消した。暦は搬入口に回ろうとするも、
「あー!」
もどかしさのあまり声が出た。車椅子だと思うように動けないのだ。わずかな段差でも足を取られてしまう。翼をもがれた鳥の気持ちか。
なんとか追わんとするも、すぐに九鬼姫たちの姿は救急病棟に消えてしまった。
九鬼姫さん、お怪我かご病気ですか?
結局その夜は、なにひとつわからないまま終わったのだった。
疑問と無念がつのるあまり、暦は朝までほとんど眠れなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月23日
参加申し込みの期限
2022年08月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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