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BABY STRANGE
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翌朝も早々の段階で、暦の疑念は壁に突き当たることになった。
短くない滞在で、暦は複数の看護師と親しく言葉を交わすようになっていた。さっそく知り合いの看護師を見つけ、昨夜の急患について聞きだそうとするも、
「だめよ、守秘義務というものがあるから」
の一言であっさりとガードされてしまう。ノリのいい若い女性で、暦がもっとも信頼している看護師のひとりなのだが、それだけに職業意識もしっかりしているようだ。
「でも、九鬼姫さんは私の知り合い……友達なんです」
「友達だったら携帯に連絡を入れてみたら?」
看護師の言葉はもっともなのだが、すでに暦は朝から数回、九鬼姫のNYAINにメッセージを送っているのである。返事がないからこうして訊ねているのだと説明した。
「せめて院内で見かけたかどうかだけでも教えてもらえません? 私みたいに黒髪で前髪ぱっつんで、背だって私より少し高い程度で、なんというか、『わらわじゃ』なんて時代劇の姫君みたいな口調で話す人なんですが」
「ごめんなさいね。知っていても教えられないわ」
この口調から察するに、どうやらこの看護師は知らないらしい。いずれにしてもこれ以上は聞き出せそうもない。悪いけど……と言う看護師を、「いえ、いいんです」と送り出して暦は頭を悩ませた。
昨日の今日だ。おそらく九鬼姫は入院していると暦は思う。
名前さえわかれば、いっそ両親ないし知人に頼んで入院病棟を回って探してもらうという手立てもあろう。けれどまさか九鬼姫が本名とは思えない。いやもちろん本名かもしれないが、すくなくとも保険証の登録名としては通用しないだろう。
仕方がありませんね。
自分の足を使うほかない。『足』といっても車椅子だが。
朝食後、検温などのルーティンを済ませてから暦は院内に出た。
院内であれば行動制限はないので、思いつくまま車輪を回す。
昨夜はよく眠っていないせいか、暦の頭にはかすみがかかっているような状態だ。白っぽい光景も眠気を誘った。患者や見舞客の話し声、配膳トレーを運ぶ台車、忙しく行き交う医者や看護師などなど、大病院のいつもの顔に戻っていたから。風に揺られていたカーテンだって、昨夜は幽霊のように幻想的だったものだが、今朝は味気ないことこの上なく、干されているシーツ程度にしか見えない。
でも、陽が差している病院だっていいものです
活気があるから、そう考えると頭もはっきりとしてきた。
四半時ほどまわったが九鬼姫の姿は見当たらなかった。でもいいこともあった。中庭に出てみれば雨上がりのいい天気だったうえに、両手に杖をつき近づいてくる少女を見つけたからだ。
「おねえちゃん!」
淡いブルーの入院着だった。髪をポニーテイルに編んでいる。
「マキちゃん」
暦の長期入院仲間(?)である。名前は
マキ
としか知らない。たしか小学校低学年だったはずだ。マキは先天的な骨系の疾患をかかえており、このところ具合が悪くなって入院しているという。暦はマキと顔を合わせているうち仲良くなり、車椅子と杖という変則的な形で一緒に散歩を楽しむようになった。病院という閉鎖空間であっても、中庭には小さな生態系があり独自の植物や昆虫、菌類が存在する。それらの名前や特徴を散歩がてらマキにレクチャーするのが、このところの暦の楽しみであった。
暦はしばらくマキと散歩を楽しみ、マキの検診の時間がきたのでまたの再会を約束して別れた。
「さて……」
暦も小休止することにした。いちごプレッツェルを購入すべく売店に立ち寄る。自由な買い食いは、食事制限を設けられていない患者の特権である。バリアフリーの入り口をくぐって店内をめぐった。
「あ、切らしてるんですか……」
ところがうまくはいかないもので、あいにくと目指すお菓子は品切れだった。
そろそろ腕も疲れてきたことだし――。
病室に戻るべきだろうか。そうこうしている間に自分のリハビリの時間になろうし。
普段なら迷わず帰路をたどったことだろう。けれど奇妙なことに、この日に限って暦は考え直したのである。少々遠方だが、もう一箇所の売店に行ってみようと。
大病院だけあって売店はふたつある。さっきのは主として入院患者むけの大きな売店だ。今度やってきたのは外来向けの小さな売店である。扱っている商品は新聞や雑誌など時間つぶしのためのものが多く、飲食品は最低限というイメージはあったが、すぐに暦は足を運んだかいがあったと知った。
「これください」
プレッツェルの紙箱を手に、せっかくなので普段は通らないルートをゆく。
まっすぐな廊下の途中で、声が暦の耳を捕らえた。
「そうか……。あいわかった。大儀であった」
あの声、それに時代がかった口調は……!
目の前の病室だ。巡回に来ていたのかたまたま立ち寄っただけか、医師らしき男性と話している言葉の断片が聞こえたのだ。
ちょうど病室から出てきた医師を、暦はそしらぬ顔で見送った。
しかし身を強張らせてもいた。たまたまだが医師は、暦の知っている顔だったのだ。初老の男性医師である。少し前、談話室で退屈しのぎに読んでいた医療誌にインタビュー記事が掲載されていた。寝子島総合病院勤務ということもあって強く印象に残っている。
あの先生……脳腫瘍手術の権威って言われてる先生でしたよね。
総白髪でやせぎす、でも優しそうな顔をした医師だった。実際、暦の前を通りすぎたときも柔和な表情をたたえていた。九鬼姫の妙な口調も怒ったりあきれたりせず、楽しく受け止めたようである。
しかし、医師の目元は悲しげでもあった。
……なんだか妙な……嫌な感じがする。
そも、脳神経外科医が九鬼姫と会っていたということからして理由がわからない。
ためらったのはわずか一秒だ。さっきの調子からして会って問題ないと判断し、暦は病室に車椅子を滑りこませた。
「あの……九鬼姫さん、ですよね?」
病室に下がった札には、『八幡かなえ』とあった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月23日
参加申し込みの期限
2022年08月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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