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BABY STRANGE
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八畳間の部屋の壁際には大きなベッドがひとつ。
あとはフローリングだがその上には、コンフォータブルなマットが敷かれている。さらに上には敷き布団だ。
「ごめんねー、こんな急作りで」
「謝ることないって、すげーいい感じだし!」
紅こと
芋煮 紅美
の目には、ハートマークの光がやどっている。
「ですよー! 私こういうシチュエーション、初めてなんです!」
負けじとフルスロットルで瞳をピカピカさせるのは
三佐倉 千絵
だ。
「あたしも!」
「アメリカのドラマとかで出てくるこの場面、憧れてたんですー!」
「あたしも!」
日ごろは互いに『仲良くないし』『仲良くないです』と互いに公言してはばからない紅美と千絵だが、なんのことはない月でモチつくウサギのペアのごとく息はぴったりだった。
女子会やろうよとふたりに呼びかけたのは真白だった。夏の気配まだ残るこの日、お泊まり会を開催することになったのである。舞台はもちろん真白の家の真白の部屋だ。食事して交代でお風呂に入って、クライマックスは広い寝室にてだべりタイム――いわゆるパジャマパーティなのである。どうせならUSAスタイルということで、BGMには有線放送の全米ヒットソングをうっすらと流している。大抵は初聴きの曲ばかりだが、たまにドラマやショッピングモールでおなじみのナンバーが流れると、「おー」「これこれ!」と盛り上がった。
スナック菓子の大袋があいた。どかどかと数本、特大サイズのペットボトル飲料がならんでいた。
千絵がもってきたボードゲームではしゃぎ、合間合間には他愛もないおしゃべりに花を咲かせる。
「……でさあ」
「……なわけ?」
「……なんですか?」
「キモっ、それキモっ!」
一同の語尾はこんな風だ。学校の話ゲームの話、最近見つけた可愛い動画、話はあっちへ転がりこっちへ転がりしてとりとめもないが、それがいいのだ楽しいのだ。とりたてて生産的ではないかもしれないが、だからこそ貴重な、海辺でみつけた光る石のような時間ではないか。そも、人間は常に生産的なはずはないし、常に生産的であるべきでもない。
「水をさすようですが」
ふと気がついたように千絵が言った。
「いいんでしょうか、白さん。受験勉強……?」
遊んでいて大丈夫ですか? とまでは言わないが、つい気になってしまうのは千絵の性分のようである。
平気平気と真白は言う。もちろん遊びほうけているわけではない。
「問題ないよ、今日のぶんは集まる前にやったから」
受験が近づいてきたからといって、急に慌てたりハイペースになったりするのは真白流ではない。継続こそ力、自分で決めた無理のない分量を、雨の日も風の日も休みの日もいつも通りこなすだけなのだ。ターゲットも背伸びせず縮こまらず、的確なあたりにしぼったつもりだ。夏には模試も受けたが、しっかり合格圏内の判定を得ていた。
「大学……」
紅美の顔に影がさした。黒雲のようにダークになったのではないが、薄いセロファン紙をかぶせたかのように。
「どったの? 紅ちゃん、そんな顔して」
別に、と言いかけたが考え直したのか、気後れ気味に紅美はつづけた。
「……ちょっと思っただけ。真白が大学行っちゃったら、もうこんな風に遊べなくなるな――って」
「あ、それなら」
真白は麦茶を一口して安堵する。それなら心配無用だ。
「今のところは木天蓼大を受験予定だから私は島にいるつもりだよん」
キャンパスも近いし、と胸を張った。うりうりとにじり寄るようにして紅美に問いかける。
「紅ちゃん、安心した? 安心した?」
たちまち紅美は視線をそらす。染まった頬を見せたくないのだろう。
「あっ、安心とかしてねーし! ていうかあたしが何を安心するんすかー? ぜんぜんわかんないし!」
嘘のつけない紅美である。もうちょっとイジってもいいが、進路の話だし真面目にいこう。
「そういえば紅ちゃんは高校は寝子高? 来年の話だし決めてないかな?」
「わかんねーよそんなの。真白からすりゃ楽勝だったかもだけど、案外難関だよ、寝子高……一学期の通知簿、けっこう絶望的だったから」
紅美にはほぼ一年ちかく引きこもりになっていたという過去がある。その時期の勉強はからっきしだ。寝子島中学に転校し復学するようになったものの、開始早々の中間テストでキツい成績をとったおかげで通知簿には強烈な数字がならんだらしい。真白たち友人の指導もあって期末テストではいくらか持ち直したようだが、いかんせん第一打席が凶悪すぎた。
うす暗いウツボの穴にひっこんでしまいそうになる紅美を、あわてて真白はひっぱりあげる。
「ドンマイだよ紅ちゃん、がんばってるの私知ってるし。これからこれから!」
進路の話になった以上は避けられない話題があるだろう。
真白は顔を千絵に向けた。案の定、千絵は思い詰めたような顔をしてさっきまで遊んでいたボードゲームのコマを指先でもてあそんでいる。人型をしたブルーのコマはくるくると回りつづけていた。竜巻に翻弄される旅人のように。
……千絵ちゃんはまだ悩んでるよね、旅行のときに言ってたこと。
やや遅れて紅美も気づいたらしく、口を閉ざしたまま千絵の手にあるコマを見つめた。
「やっぱり……」
千絵はぽつりと言った。
「まだ私、悩んでます。『クラン=G』のこと」
当然だろう。
真白も紅美も知っている。わずか十二歳にして千絵が、人生の岐路に立たされているということを。
八月の沖縄旅行、楽しくむかえた途中の朝に、彼女は父親杏平から告げられたのである。
海外企業から、ホビーショップ『クラン=G』に買収の話がきているという。企業は日本でのボードゲーム人気拡大に目を付け、店を買い取って日本進出の足がかりにする計画らしい。提示された金額は、ケタをまちがえているのではないかと疑うほどのものだ。
店を売って引退し、世界じゅうのホビーイベントをふらふらしたり、思いのままにモデラー活動に入る生活を杏平は考えているようだ。といっても彼はすでにこの夢をなかば以上実現できているので、売っても売らなくてもさほどちがいはないだろう。
杏平は千絵に、親子でドイツに引っ越さないかと提案していた。つまり、店を売って得た資金を千絵の留学費用にあてようというのだ。ドイツへの渡航は、ゲームデザイナーという千絵の夢を実現するための大きな一歩になるだろう。
なんのつてもない話ではなかった。顔の広い杏平は、すでにドイツの友人から誘いを受けているらしい。
店を売るかどうかは千絵が決めてくれと杏平は言った。自分は店をつづけてもいいし、売ってしまってもいいからと。
こんな大きな話を旅行の途中で、それも『いま思い出したから』などという理由で切り出すあたりがまさしく自由人三佐倉杏平である。真白は杏平を知っている。店長さんらしいよね――とも思う。あのひょうひょうとしたおじさんは、まごうことなき天才だ。思いつきではじめたホビーショップを思いつきでファミレス跡に移転し大成功させ、こんなビッグな話まで引き寄せたのだから。計算高かったりこざかしいレベルではこうはいくまい。
そして天才だから、TPOとかあまり考えない。
ものすごい難題を、ファーストフードのナゲットみたいに軽々しく回してくる。
まあそれだけ、店長が千絵ちゃんを信用してるってことだろうけど――。
私は友達として何ができるだろう。考えずにはいられない真白だった。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月23日
参加申し込みの期限
2022年08月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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