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遠くで教会の鐘が鳴る音が聞こえる。
その音に耳を澄ませながら、保健室の仕事を切り上げてきた
添木 牡丹
はひとり立っている。
ぴたりと18時を迎えたとき、待ち合わせの場所に見慣れた小柄な少年が走ってくるのが見えた。
「牡丹せんぱーい、ごめん、待った?」
先輩の姿を認めてぱたぱたと駆けてきたのは、
戌井 創
である。
そんな彼の体を抱き留めると、添木はぎゅーっと回す腕に力をこめた。深く深く息を吸って、愛しい恋人の存在にうっとりと目を細める。
「ううん、私もさっき来たところですよ~。創くん、部活お疲れ様」
「ひゃっ、ダメだよ先輩! 僕、部活終わりで汗臭いし……」
「汗臭くなんかないですよ? 頑張ってきた証なんですからぁ」
校門前でぎゅっぎゅとハグし合う二人に、周囲の生徒たちは気まずそうな、あるいはうらやましそうな視線を遠巻きに投げつつ通り過ぎていく。
頭をなでなでされると、それが発動条件である戌井のろっこんが反応し始めた。その名前に相応しい犬の耳としっぽがぴょこんと生えて、先輩の抱擁に困ったような、でもやっぱり嬉しさを抑えきれないような様子でぱたぱた動く。
「せんぱっ……くっ、くすぐったいよぉ」
「ふふ、耳が生えた創くんもとっても可愛いです」
それで、と添木は胸の中に抱きしめた戌井の耳元――頭に生えた、犬の方――に向かって優しく語り掛ける。
「今日はどこに連れて行ってくれるんですか?」
戌井が添木を案内したのは、最近評判のスイーツの店だった。
「ここのアイス、おいしいんだって! だから前から先輩と行きたいなーって思ってて」
「ほんと、おいしそうですね。調べてくれてありがとうございます~」
うきうきと心を弾ませながら二人で店を訪れると、ちょうど放課後の学生たちが帰った後らしく席は空いていた。
カバンを置いて席に座ると、早速机の上にあるメニューを覗き込む。
「どれがいいかなー? やっぱりチョコかな?」
「あ、創くんがチョコにするなら私はイチゴ味にします」
せっかくだから別々の食べましょうよ~、と添木はメニューに並ぶアイスを見てきらきら顔を輝かせながら言う。
「そうだね、じゃあ僕はチョコにしよーっと」
メニューを決めると、すみませーん、と声を張り上げて戌井はアイスを頼む。
そんな恋人の様子を眺めながら、添木は密かに胸を高鳴らせていた。
思い出すのは、先ほど鷲尾先生に聞いた「男の子が喜ぶ」というテクニック――。
(ちょうどよくアイス屋さんに連れてきてもらえました! あとは実行するだけ……)
その内容に思わず頬を赤らめたとき、店員が二人の前にアイスを持ってきた。
添木の内心のときめきには気づかない様子で、戌井はさっそく運ばれてきたアイスを口に運ぶ。
「ん! おいしーい。やっぱりチョコにしてよかったな」
「あっ、そ、そうですね! ……うん、イチゴもとってもおいしいです」
頬を赤らめつつ、添木は言葉を続けた。
あ、あーんしてください、と。
(や、やりました鷲尾先生……! これで創くんも喜んでくれるでしょうか……!)
心の中で先生に告げる添木。一方の戌井はその言葉にパッと顔を輝かせた。
「そうなの? えへへ、じゃあ一口ちょうだーい」
ぱたぱたと耳を動かしつつ甘えたような口調で言う戌井。もはや犯罪的な可愛さである。
その様子にきゅんきゅんとときめきながら、添木は戌井の口にそっとスプーンを持っていった。
「はい、あーん。どう、おいしい?」
「んー! すっごくおいしい! ほら先輩もこっち食べてみて。ほら、あーん」
今度は戌井が差し出したアイスを、ぱくりと一口。
愛しの恋人に与えられた甘いチョコレートの味に、添木はとろけるような笑みを浮かべて見せた。
スプーンを持っていく位置が少しズレてしまったのか、その口元には少しだけアイスが残っている。
戌井はいたずらっぽく笑うと、立ち上がってテーブルの向こうにいる彼女の方へ身を伸ばし――口元のアイスをぺろりと舐めた。
ある意味口付けよりも官能的なその行為に、思わず添木はひゃっと声を上げた。こ、こんなところで……と再び顔は赤く染まっていく。
「へへ、ちょっと恥ずかしいね……」
「も、もう、いきなりビックリさせないでくださいよ~。……意外に大胆なんですから……!」
上目遣いではにかんでそう言うと、お返しと言わんばかりに添木も戌井の口元を小さく舐めた。
彼の口元にアイスはついていなかったけれど。そんなことは彼女には関係ないのだった。
「…………」
その様子を遠巻きに眺めている男三人。
見ているこっちが恥ずかしくなる、とため息をついて視線を戻した
霧生 深雪
の目の前には――
口元にわざとらしくチョコソースをつけた
ロベルト・エメリヤノフ
の姿が!
「いや、舐めねえからな!?」
思わず素で突っ込むと、ふふふと目の前の赤毛の少年は不敵に笑って見せた。
「この手には引っかからなかったか……なーんて、冗談ですよ冗談」
チョコソースを手の甲で拭いながら言うロベルトに、深雪は再び大きなため息を着く。
その隣で面白そうにへらへらと笑っているのは
霧生 渚砂
だ。新調した服をそのまま着てきた彼はすっかり上機嫌だ。
彼はいつもの白シャツの上にサマーニットのカーディガンを羽織り、ロールアップのジーンズとサンダルを身に着けていた。深雪の見立てはさすがのもので、長身の渚砂にもよく似合っている。
本当は冗談で着せたアロハシャツも似合ってたのだけれど、さすがに渚砂が難色を示したので断念した。
そうしてシーサイドタウンでの買い物を済ませゆっくりお茶でもするか……とこの喫茶店に立ち寄った二人は、「偶然」この赤毛の少年ロベルトと遭遇したのだ。
「ややっ、そこにいるのは霧生くんと居候さん! 相変わらず! 美しいね!」
よっ、とテンション高めにそう告げるロベルトに、深雪は盛大なため息をついた。
もしかして今日ずっと感じていた視線って――間違いない、こいつが正体なのだろう。
「……ロベルト、またお前か! いい加減ストーカーはやめろって言ってるだろ」
呆れたような深雪の声に、おいおいとなだめるように渚砂は言う。
「友達をストーカー呼ばわりはないだろう。……やあ若者、ロベルト君というのか。お兄さんは霧生渚砂っていうんだ」
もっとも渚砂というのは深雪につけられた名前であるのだが。
そう名乗ると、ロベルトもにこやかに笑って渚砂に手を差し出した。
「渚砂さんですね、僕はロベルト。霧生くんの友達です」
「友達じゃねえ!」
「みーゆーき、だから友達にそんなこと言うのはよくないぞ。そうだロベルトくん、せっかくなら一緒にお茶でもしないか」
だめだ話が通じない。頭を抱えて深雪がため息を着く横で、二人は意気投合した様子で店へと入っていくのであった。
「いやぁ、ロベルトくんの冗談は面白いね! 危うくお兄さんが引っかかりそうになるところだったぞ」
「でしょう? もー僕の冗談には霧生くんもいっつもバカ受けで」
ロベルトと渚砂はすっかり打ち解けたようで、それは何よりと心の中で舌打ちをしながら深雪は運ばれてきたケーキを黙々と食べていた。彼らの会話にいちいち突っ込んでいたらキリがない。
そんな深雪の様子を横目でちらちらとストーカーめいた目つきで眺めながらも、ロベルトはにこやかに話を続ける。
「あ、そうだ! 渚砂さんの話はいつも聞いてます。なんでもお菓子作りが趣味とか」
僕も最近作ってるんですけどうまくいかなくってー、というと、渚砂は嬉しそうに笑って言った。
「うん、といってもまだまだ初心者だけどな。お兄さんでよかったら教えられることなら教えるぞ」
「本当ですか! いやぁー、頼もしいなぁ」
将を射んと欲すれば先ず馬を射よ。
深雪と親睦を深めるべく、まず彼と同居している渚砂と仲良くなろうというのがロベルトの作戦であった。
そんな彼の本心など知る由もなく――いや、恐らく知ったところで変わりはないだろうが、渚砂は笑いながら話す。
「深雪もこんなんなのに甘いものが大好きでさー」
「(ふ、それは既にリサーチ済みさ!)へぇ、そうなんですか!」
じゃあ僕のケーキもあげようか? とさも親しげな友達のような仕草でロベルトはケーキをフォークに刺して差し出す。
「ほら霧生くん、あーん」
黙々と食べていたせいで自分のケーキを早々に食べ終わった深雪は、差し出されたケーキに思わず目を奪われる。
……が、ここはぐっと我慢。ここで食べてしまえばロベルトの思う壺だ。
「ほら深雪ー、せっかくお友達がくれるって言ってるんだから」
渚砂もまるで後押しするように言う。差し出されるケーキは深雪がこの店で一番好きなケーキ。もちろんこれもリサーチ済み。
「食べないんなら僕が食べちゃうよ? ほら」
……もういい。我慢できない。
抵抗を諦めると、深雪は差し出されたそのケーキをぱくりと食べた。
(お、おいしい……)
甘いものを頬張って、珍しく幸せそうな表情を浮かべる深雪。
そんな彼を眺めながら、渚砂はふと思う。
(深雪は友達に恵まれているな……自分も、いつか彼らくらい深雪を支えることができるのかな)
世話になりっぱなしの状態については、彼にも思うところはあるのだ。
そんなことを考えながら、すっかり冷めたコーヒーを飲み干した。
周囲の視線には気づいていない様子の
戌井 創
と
添木 牡丹
は、甘いひとときを過ごして店を後にした。
「おいしかったねー!」
「ええ、すっごくおいしかったです。今日はありがとうございました~」
楽しかった時間はあっという間に過ぎていく。添木を星ヶ丘寮まで送り届けると、戌井は別れの言葉を口にした。
「じゃあ先輩、また明日!」
そう言って手を振る戌井の袖を、添木はぎゅっとつかんだ。
それだけ、ですか?
顔を赤らめ、けれどしっかりと戌井を見つめながら添木は言う。
そんな彼女の頭をそっと撫でると、戌井は軽く背伸びをして添木にキスをした。
「……んっ」
触れ合うだけだったはずの唇が、思いのほか深く重なる。
その感触に驚いて、けれどすぐに愛しくなって、夕闇の中二人は口付けを交わす。
やがてどちらともなく唇を離すと、戌井は照れたように小さく言った。
「もう、先輩のえっち!」
「ふふふ、さっきの不意打ちのお返しです」
そう言ってぺろりと唇を舐める添木は、ほんのりとした色香が息づいているように見えた。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月26日
参加申し込みの期限
2013年11月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月02日 11時00分
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