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学校が終わってから
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もうすっかり日が暮れてしまった。
窓の外に広がる夕闇の空を見て、子どもたちに格闘技を教えていた
シダ 美穂戸
はぱんぱんと手を叩いた。
「暗くなったな! 今日はもう、終わり」
彼女の周りに集まる子どもたちの中には、見慣れない顔もいくつかある。今日は生徒の一人が友達を何人か連れてきたのだ。
太陽のように明るく、そして何よりまっすぐな強さを持つシダの魅力は近所でも評判だった。ボビナム教室もこうして徐々に子どもたちが増えてきている。
「先生、今日はありがとうございました!」
お礼を言う子どもにシダは笑顔を見せる。
「コン、この格闘技、喧嘩に使うのダメな……まあ、すぐにそんなこと、興味なくなる」
強さとは、弱いものを押えつけたり自分の我を通すためのものではない。
格闘技を通じて「強くある」という心の持ち方も、きっと子どもたちに伝わるだろう。
シダは子どもたちがふざけて技の掛け合いをするのを眺めつつ、教室の戸締りを始めた。
(今日もいつもと同じだったな。師匠、来なかった)
師匠というのは彼女に強さを教えてくれた一匹の猫だ。シダがろっこんの力を得たきっかけでもある存在なのだが、その日を境に彼女の前から姿を消してしまったのだ。
あのときより成長した自分を見てほしい。気高いあの猫の姿を思い出しながら戸締りをしていたシダは、ひとりの男性が教室へと向かってくるのにふと気づく。
「……ん?」
その男性のどこか剣呑とした雰囲気に、まるで野生の動物のようにシダは警戒心を強める。
男はボビナム教室を鋭い目つきで眺めていたが、シダの姿を認めると近づいてきた。
「お前がこの教室の師範か」
「ヴァン、シダが教えてる、だからどうした」
「評判の格闘技教室があると聞いて来たが……こんな若い女が師範とはな」
そう言うと、男はおもむろに上着を脱いだ。どこかの格闘技を修める身なのか、上着の下には道着を身に着けていた。その体つきはたくましく、シダを見据える瞳はじろりと凶暴な光を宿している。
(まさか道場破り、本当に来るとは!)
折りしも昨日、かまぼこ板で看板を作っていたところだ。ちょうどいい、とシダはにやりと不敵な笑みを浮かべる。
「お前、何者かは知らない。けど、やるなら受けて立つ!」
誰もいなくなった教室で、男と対峙する。
何の格闘技かは知らないけれど、彼が相当の実力者であるということは雰囲気で分かる。油断していると怪我では済まされないかもしれない。
その二人の緊張した空気を、子どもたちは息を潜めて見守っている。そんな彼らを安心させるように、シダはぱちりとウインクしてみせた。
(子どもたち、よく見てろ)
男が動き出す。相手の力量を測るべく、繰り出されたその一撃をシダは避けることなく手のひらで受け止めた。鈍く響くような衝撃が走り、シダは一歩よろめいた。
体格差は明らかだ。けれど格闘技は単純な力技だけではない奥深さがある。深く腰を落とすと、そのしなやかさを生かしてシダは一気に攻勢に出た。渾身の一打を放った男にはわずかな隙が生じている。その瞬間をシダは見逃さなかった。
(戦ってみないと、勝つか負けるか、わからん)
シダの攻撃は決して軽くはなかった。確実に叩き込んだはずなのに、鍛えられた男の肉体はその一撃にすら耐えている。
おもしろい、と明らかに格上の男を相手に、それでもシダは好戦的な気持ちを崩さない。
だから格闘技は楽しいんだ、と。
気迫に満ちた空気を制したのは、シダであった。
力で押してくる相手は、いつか必ず体力が落ち始める瞬間がくる。その機を狙ったシダの粘り勝ちだった。
「おっちゃん、やるな。なかなか強かった」
立てるか、と手を差し伸べると、男は苦々しげな表情で一瞬逡巡したものの、負けを認めたのかその手をつかんで立ち上がる。
「……いや、あんたこそかなりの腕前だ。俺の負けだ」
俺はまだ弱い。そうつぶやく男に、シダは思いついたように言う。
「そうだ、おっちゃん。お前もうちの道場、通うといい」
唐突の申し出に怪訝そうな顔をする男の様子には構わず、シダは名案だとばかりに言葉を続ける。
「おまえ、なかなか筋いい。ボビナム覚えたらもっと強くなるはず」
それに、と子どもたちには聞こえないようにシダは顔を近づけてそっと耳打ちする。
今、子ども多いんだ。お前も教えるの、手伝え。
裏表もないシダの様子に男は唖然としていたが、その言葉に呆れたようにふっと笑顔を漏らした。その笑みを肯定と取ったのか、よーし、とシダは男の背中をばしんと叩く。
「じゃあ、毎週やってるから、来週も来い!」
で、その怖い目つきもどうにかしろ! そう言うと、シダはぱちりとウインクしてみせた。
暗くなった学校に、閉門を告げるチャイムがなる。
「ああ、すっかり遅くなってしまったね。気をつけて帰らないと」
図書委員の仕事に励んでいた
綾辻 綾花
は、司書の
早川 珪
の言葉にふと顔を上げる。
外を見れば、空はもう薄暗い。時刻は七時に迫っていて、閉門時間まであと少しだ。
「じゃあ今日はもう帰ろうか」
「あ、はい!」
残りの作業は明日してしまおう。戸締りをすると、綾辻は早川と並んで図書館を後にした。
薄暗い夕闇の中、先生と二人で一緒に歩いている。そう考えると胸が少しどきどきする。
「今日もお疲れ様、綾辻さん」
図書館を出てそう言う早川を、綾辻は意を決して呼び止めた。
「あ、あの、先生!」
「ん? どうしたの?」
踵を返しかけていた体を綾辻の方に向けて、早川は尋ねる。
「あの……下駄箱まで、一緒に行きません?」
気恥ずかしさを覚えつつそう告げると、ああ、と早川はさわやかな笑顔を見せた。
「そうだね、せっかくならそこまで一緒に行こうか」
その言葉に綾辻はほっと幸せな気分になる。
(あと少しだけ、少しだけでも先生と一緒にいられるなら――)
二人で靴を履き替えて校舎を後にする。
学校にはまだちらほらと生徒が残っているようで、部活終わりと思しき人影がいくつか見える。
「あー、夢中で練習してたらもう真っ暗だよ」
肩に子猫を乗せながらうーんと伸びをしているのは
桜庭 円
だ。
その隣には、同じく武道場で鍛錬を積んでいた
御剣 刀
と、スケッチに励んでいた
小山内 海
の姿もある。
「やっぱりたまには整った環境で練習するのもいいな。だいぶ集中できた」
刀の入ったケースを抱えなおしながら御剣は言った。部活でいい汗をかいた二人の顔は晴れやかだ。
「なあ小山内、何をスケッチしていたんだよ」
修行を終えた御剣は、なぜか武道場で熱心にスケッチをしていた小山内に気づいて声をかけたのだ。
けれど、どうしたことか何を描いていたのか尋ねてもかたくなに教えてくれない。今もさりげなく聞いてみたつもりだったが、小山内はふいっと顔を背けて首を振るだけだ。
そんな二人の様子を見ながら、桜庭は呆れたように笑う。
(この人、ほんっとーに本当に鈍いなあ……)
「もうこんな時間ですねー」
「あっという間だったのだワ」
誰もいない教室でひとしきり遊んだ
薄野 五月
と
御薗井 E セレッソ
は、どこかやりきった感を胸に黒板を眺めていた。
先生ごっこに励んだ黒板は、セレッソが書いたイタリア語、薄野が書いた早口言葉、その他得体の知れない落書きの数々に満ちている。
楽しかった時間は過ぎていく。明日の授業で使うのだから、黒板はきれいにして帰らないといけない。
「ンー、でももったいないノ! せっかくこんなに書いたのにー」
セレッソの言葉に、薄野は携帯電話をポケットから取り出した。
「あ、そうです! じゃあ写真に撮っておきましょう」
「それは名案なノー! なら黒板にお名前書いておかないと」
黒板の開いているスペースに、セレッソは自分の名前と薄野の名前を書き足す。
「こんな感じでいいのかナ?」
「じゃあ、ちょうどこの名前が私たちの上になるように撮りましょうか」
カメラをインカメラに切り替えると、画面に収まるよう二人で肩を寄せ合ってカメラに顔を向ける。
「よし、撮りますよー」
「ハイ! チーズ!」
ぱしゃ、と携帯カメラ特有の機械音が鳴る。
うん、きれいに撮れた、と薄野は満足げに笑う。せっかくだからと壁紙に設定してみたら、なかなかいい感じだ。
「これ、セレッソさんにも送っておきますねー」
「ありがとなノー! ワタシも待ち受けにするワ!」
黒板の全景やピン写など、二人は思い出を忘れないようにぱしゃりと一枚ずつ写真に残していく。
やがてひとしきり撮影を終えると、じゃあそろそろ、と薄野は黒板消しを手に取った。
「もったいないけど、写真にも撮りましたしね」
少し名残惜しげに見つめたあと、薄野はさっと黒板消しで黒板を撫でた。二人で書いた落書きが、中途半端に消える。
隣ではセレッソも黒板消しを手に文字を消している。その顔はニコニコと笑顔だ。
「黒板は消えても、思い出は消えないノ!」
写真も撮ったし、五月チャンは明日も明後日もずーっと一緒だし。
「大好きな五月チャンと一緒に、また楽しい思い出が増えたノ! グラーツィエ!」
もう日は落ちたというのに、セレッソの笑顔はまるで太陽のように輝いている。
その親友のきらきらとした表情に、薄野も顔をほころばせた。
「こちらこそ、ありがとうございます。明日もまた遊びましょうね」
さようなら、また明日。
何でもない、けれどかけがえのない一日は静かに終わりを告げた。
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あとがき
担当マスター:
花村翠
ファンレターはマスターページから!
こんにちは、花村です。
このたびは大変長らくお待たせ致しました。
いつもいつも、仕上げるのが遅くなってしまって大変恐縮です……。
今回は放課後の様子をありがとうございます!
ストーリーの都合上、部活動の休みなどをこちらで設定させていただきました。
ご了承のほど、よろしくお願い致します。
部活や友達とのアクション、そして恋愛絡みのアクションも多くてとても楽しかったです。
カップルの方々のリアクションを書く機会は、今までそれほど多くなかったのですが、
糖度の調節はどれくらいなのか……!と頭をひねりつつ楽しく執筆いたしました。
また、個別コメントにつきましては、
PLさんでなくPCさん単位で初めましてのご挨拶をさせていただいております。
(初めましてじゃないよ!って方はすみません)
重ね重ね、このたびは本当にお待たせ致しました!
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
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花村翠
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月26日
参加申し込みの期限
2013年11月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月02日 11時00分
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