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今がきっと、夕焼けが一番きれいな時間帯。
小高い神社から見る空は、どこまでもその茜色を投げかけている。
「……きれいだ」
友人に連れられ訪れた
浮舟 久雨
は、思いがけず感嘆の声を漏らした。
その隣では、
白柳 さえ
が嬉しそうに微笑んでいる。
「でしょう? 私、夕方はここからの眺めが一番好きなの」
寝子島が一番きれいに見える時間を、一番きれいに見える場所で見せたかったのだ。
やはり白柳は芸術家らしい感性が豊かなのだろう。あのとき作っていた花瓶もそうだった。とても丹精できれいな――
(花瓶……花……あ!)
そこで浮舟ははたと思い当たった。
彼女に贈りたいものがあったということに。
なんで忘れていたのだ……! と頭を抱えたい気分になりながら、浮舟は慌てた様子で白柳に言った。
「ごめん、ちょっと待っていてくれ!」
「……え? どうしたの?」
「すぐ戻るから!」
きょとんと尋ね返す白柳に頭を下げると、浮舟は鳥居をくぐって神社から駆け出した。
(だいたいさっき花屋に立ち寄ったじゃないか!)
うっかり忘れていた自分を責めつつ、浮舟は先ほど白柳が教えてくれた花屋を訪れた。
「あら、あなたはさっきの……。さえちゃんのお友達かしら」
花屋のお姉さんに話しかけられ、浮舟は頷いた。
「ああ……さえに花を贈ろうと思って。そうだな……」
浮舟は肩で息を着きながら店先に並ぶ花に視線を向ける。赤、黄色、ピンク、色とりどりの花の中、先ほど白柳が優しげな手つきで撫でていた白いスイートピーが、風に吹かれて小さく揺れているのが見えた。
白いひらひらとした花びらは、可憐で控えめな白柳によく似合いそうだ。これをください、と浮舟は迷うことなくその花を示す。
「はい、かしこまりました。ラッピング代はおまけしておくわね」
そう言って微笑むと、花屋のお姉さんは浮舟に花を手渡した。
「……待たせて済まなかった」
「あ、浮舟さん! 急にいなくなるからびっくりしちゃった」
神社の境内に腰掛けていた白柳は、戻ってきた浮舟の姿を見つけて立ち上がる。
「急にどうしたの? 忘れ物?」
「いや、実は……これを受け取ってほしいんだ」
白柳に歩み寄った浮舟は、後ろ手に持っていた一輪の花を差し出した。
「あの授業でさえが作っていた花瓶、あれに花が活けてあったらどんなに素敵だろうと常々考えていたのだ」
唐突に差し出された花に目をしばたかせた白柳だったが、浮舟のその言葉に笑顔を見せる。
「そうだったの。そこまで考えてくれていたなんて……嬉しい!」
花を受け取ると、その香りを胸いっぱいに吸い込んだ。甘い香りが胸いっぱいにしみこんで幸せな気持ちになる。
「ありがとう、浮舟さん。おうちに帰ったら飾るね」
あ、あと、それとね……。
白柳がしどろもどろに続けた言葉に、ん、と浮舟は顔を向ける。
「どうした?」
「え、えっと。久雨ちゃん、って呼んでもいい、かな……?」
どきどきしながらそう尋ねる白柳に、浮舟は顔をほころばせて頷いた。
「ああ、もちろんだ。……今日はありがとう、これからもよろしくな、さえ」
「うん! こっちこそお花ありがとう。久雨ちゃん」
お互いの名前を呼び合うと、二人は茜空の下そっと微笑みあった。
いつの間にか、すっかり辺りは薄暗くなってしまった。
「うう、もうこんな時間かぁ。今日は遅くなっちゃったな」
テニス部に所属している
高尾 日菜
は、夜の色に染まりつつある空を見上げてため息を着いた。
同じく遅くまでテニス部の練習に励んでいた
葛城 璃人
は、そんな彼女を見つめて意を決したように口を開く。
「あ、あの、日菜さん!」
「ん? どうしたのりいちゃん、そんなに改まって」
こちらを向いて小首を傾げる高尾はやっぱり可愛い。
こんなに可愛らしい、そして好きな女の子を暗い中一人で歩かせるわけには――!
もっとも、ぱっと見では自分も美少女と見まがうほどの容姿をしている葛城。しかしその愛らしい外見とは裏腹に、彼が胸のうちに秘める決意は男らしく燃えている。
「ひ、日菜さん!」
突然改まった様子で名前を呼ばれ、高尾は驚いて顔を上げた。
「どうしたの、りいちゃん?」
「あ、あの……えっと、よかったらお家まで送ります…です!」
その申し出に高尾はきょとんと目を瞬いたが、次の瞬間には嬉しそうに笑って頷いた。
「いいの? ありがとう! じゃあ、お願いするね」
寮に立ち寄って帰ると、葛城の家までは遠回りになってしまう。
けれど、そんなことより、二人きりで過ごせる時間の方がずっと大切だった。
「もう六月かぁ。7時近くまで明るいなんて、夏になったよね」
外で運動していると日の長さの変化にもすぐ気づく。まだかすかに明かりの残った夕闇の中を歩きながら、高尾はしみじみとそう言った。
「そうですね。もう入学して三ヶ月……いろいろなことがありました」
春からの出来事を振り返るように葛城は天を仰いだ。
あの不思議な入学式以来、この島ではのんびりとした日常の裏側でおかしなことばかり起こっていた。
あんなことがあったね、とどちらかが言えば思い出話に花が咲く。嬉しかったことも悲しかったことも、それなりに経験してきた。
(でもやっぱり、一番大きな出来事は)
(大好きな人ができた、ってことかなぁ)
二人の思いはぴたりと重なったけれど、お互いそのことを知る由はない。
今はこうやって、二人だけで一緒に過ごすひとときだけで充分に幸せだったから。
「夏といえばさ、夏祭りってやっぱりあるのかな?」
思いついたように高尾が言うと、葛城は小さく頷いた。
「はい、寝子島でもやっぱりお祭りはあるみたいですね。……日菜さんは行く予定はあるんですか?」
そう尋ねると、高尾はうーん、と考えるように言う。
「今のところは、特に決めてないけど」
けど。
その後の言葉をうまく紡げずに、高尾は軽く下を向いた。
本当はりいちゃんとお祭りに行きたい。けれどそれを伝えるのがなんだか気恥ずかしくて……。
(でも、今日だってわざわざ遠回りして送ってくれたんだし。待ってるばっかりじゃダメだよね)
柔和で優しげな顔にかすかに決意を滲ませると、高尾は小さく息を吸って、言った。
「あの」
「あ、あの!」
二人の声が重なって聞こえる。どうやら葛城も同じタイミングで口を開いた。
その偶然に、思わず顔を見合わせる。
「あ、ご、ごめんね。日菜さんからどうぞ」
「ううん、いいの、りいちゃんが言って」
「いや日菜さんが……って、なんだか前にもこういうこと、ありましたね」
譲り合いながら、葛城は思い出すような面持ちでそう言った。
あったあった、と高尾も思わず笑う。まだ出会ってたった三ヶ月だけれど、二人の間にはもうたくさんの思い出がある。
これまでみたいに、これからもりいちゃんといろんな思い出を作っていきたいな……。
(よし、今度こそちゃんと、伝えないと)
気を取り直すと、また葛城とタイミングがかぶってしまわないように注意しつつ高尾は口を開いた。
「あ、あの、さっきの話なんだけど……今度の夏祭り、一緒に周りたいなって思ってるんだけど……」
駄目、かな?
緊張でかすかに瞳を震わせながら高尾が言う。
誰よりも好きな人からのその誘いに、葛城はどうしてだか泣きたくなるような気持ちになった。
泣きたくなるほど、嬉しかった。
「はい、もちろんです!」
「……よかったぁ」
満面の笑みで頷く葛城と、安堵したようにほにゃりと顔をほころばせる高尾。
ああ、彼女に勇気を出させてしまったんだな、とその様子さえ愛しくて、気恥ずかしくて、その照れを隠すように葛城はわざとに少しだけ拗ねたような表情を作ってみせた。
「あーあ、りぃから誘うと思ったのに、先を越されてしまいました。男としてちょっとショック、なのですよ?」
「ふふ、ごめんねりいちゃん。でも私、今回はどうしても自分から言いたくて」
私だってあなたが好きだということを伝えたい。
……直接言うのはまだ恥ずかしいから、ちょこっと遠回りになってしまったけれど。
やがて寮に着いた二人は、少しだけ名残惜しそうに見つめあった。
「今日はありがとうね、りいちゃん」
「ううん、日菜さんと一緒に帰れて楽しかったです。……夏祭り、日菜さんの浴衣姿、楽しみにしてますね」
じゃあまた明日。
ささやかなひとときはあっという間に過ぎ去っていく。
自分の家へ帰っていく葛城の姿を、高尾は見えなくなるまでずっと見送っていた。
(夏祭りの浴衣、今からチェックしておかないと)
乙女らしい悩みに、さっそく心を揺り動かされながら。
いつの間にか、少し眠ってしまったようだった。
理科室にいた
御巫 時子
は、漂ってくるコーヒーの匂いで目を覚ました。
「目が覚めましたか? コーヒーを淹れたのでどうぞ」
そう言ってビーカーを差し出す五十嵐に、御巫は慌てて立ち上がる。
「あっ、すみません先生……! 気がついたら眠っていたみたいで……」
「いえ、いいんですよ。あまりに気持ち良さそうだったので、起こすのも悪いと思って」
そう言いながら、五十嵐はビーカーでコーヒーをすする。最初見たときは珍妙な光景に映ったけれど、今ではもうお馴染みだ。
二人でコーヒーを飲みながら、ゆっくりと会話をする。
「何か夢でも?」
「……い、いいえ」
五十嵐の言葉にとっさに首を振ったけれど、御巫は夢を見ていた。
(鳥さんと……先生が出てきた、とっても幸せな夢)
その余韻がまだ心のどこかに残っているようで、ほわほわと少しだけ気持ちが暖かい。
「あの、尚輝先生はちゃんと睡眠は取られているのでしょうか……」
五十嵐はその浮世離れした雰囲気のせいか、生活感があまり感じられない。一日何も食べなくて平気などと言い出すくらいなのだから、睡眠もきちんととっているのか心配になってくる。
御巫の問いに、五十嵐は頷いた。
「人間、睡眠をとらなければ生きていけませんよ。もっとも、逆を言えば生きていけるだけの睡眠さえ取れればいいのです」
「……はあ」
要はあんまり寝ていないということだろうか。
「さて、今日もだいぶ遅くなってしまいましたね。もう帰りましょう」
そう言うと、五十嵐はゆっくり立ち上がった。御巫が眠っているあいだに仕事を終わらせたのか、机の上の器具はぴかぴかだ。
御巫も立ち上がると、頭を下げてお礼を言う。
「先生、今日もありがとうございました……。あ、ビーカーは洗ってきますね」
頭をさげてそう言うと、御巫は空になったふたつのビーカーを手に洗い場へと向かった。
(今日も、良い一日になりました……)
ビーカーを洗いながら、御巫は幸せそうに小さく微笑んだ。
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担当ゲームマスター
花村翠
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月26日
参加申し込みの期限
2013年11月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月02日 11時00分
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