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日もだいぶ傾いてきた。
茜差す教室の中はいつもと少し違った空気だ。忘れ物を取りに学校へ戻ってきた
薄野 五月
は、職員室から借りてきた鍵で教室の扉を開ける。
「誰もいないノ……いつもと違って、ちょっとワクワクするワ!」
一緒について来た
御薗井 E セレッソ
は、開いた扉から教室に入って楽しそうにそう言った。イタリア出身の彼女のしゃべる日本語は若干たどたどしかったが、小柄で華やかな容姿も相俟って可愛らしい印象を与える。
「あー、やっぱり机に忘れてたみたいです。見つかってよかった」
入れたままにしていたノートを見つけると、薄野はそれをカバンにしまう。
「見つかってよかったノ! ねえねえ五月チャン、せっかくだからちょっと遊ぶノ!」
きらきらと顔を輝かせながら言うセレッソに、んー、と薄野は時計を見上げる。
「ですね、下校まで時間もあるし……。じゃあちょっと遊んでいきますか」
そう言うと、薄野はそのまま自分の席に腰掛けた。その様子に、ん? とセレッソは首を傾げる。
「どういう遊びをするノ?」
「先生ごっこをしましょう。セレッソせんせー、授業をお願いしまーす」
薄野がそう言うと、意図を察したセレッソはぱっと笑顔を見せて教壇へと向かっていく。
ハーイ、みなさん前を向くノー!
一人しかいない生徒に向けて、可愛らしい先生はパンパンと手を叩いてみせた。
くいっとつけてもいない眼鏡を直す仕草をして見せると、伸びやかな声で言う。
「今からセレッソせんせーの授業なノ! 教科は、えーと、イタリア語なノ!」
セレッソせんせーの言葉に、早速生徒の薄野さんが手を挙げる。
はい、と指名すると、薄野は律儀に立ち上がって言った。
「質問でーす。今日は夕日がとってもきれいなんですけど、イタリア語ではなんて言うんですか?」
薄野の問いかけに、セレッソはチョークで文字を黒板に書く。
cielo rosso del tramonto!
「いい質問なのヨー五月チャン! ハイこれ、せんせーの後に続いて発音するノ!」
チェーロ ロッソ デル トラモント!
チェーロ ロッソ デル トラモント。
セレッソと比べて抑揚の控えめな、けれどよく聞こえる大きさで薄野は発音する。カタカナ発音になってしまうのは仕方がない。
「ハイ、よく言えたノ! cieloはお空、rossoは赤、tramontoは夕方、って言う意味ヨ」
「delはなんですか?」
「delは『~の』って意味なノ。日本語にすると、夕方の赤い空」
セレッソの言葉をノートに取る……ふりをしつつ、薄野は窓の外の空に目を向けた。
もう日はだいぶ傾いてきている。空を、教室を染める茜色はまるでセレッソの髪の毛の色みたいだ。
「ンー、五月チャンにはまだ難しかったカシラ……じゃあ次は発音の特訓なの!」
きれいだな、と夕焼けに目を向ける薄野にはお構いなしといった様子でセレッソは授業を進めていく。
「早口言葉を言ってみるノ! あかまきがきあおまきまき……とにかくそういう感じナノ!」
それってもうイタリア語関係ないじゃん。ていうか先生言えてないじゃん。
――という突っ込みはおいといて。
ローテンションのように見せてその実ノリのいい薄野は、分かりましたー、と早口言葉を口にする。
「赤巻紙青巻紙黄巻紙、赤巻紙青巻紙黄巻紙、赤巻紙青巻紙黄巻紙……言えました!」
「……ぐぬぬ……じゃなかったワ、はい五月チャンよくできたノ! じゃあ次は生ムギ生ゴミのやつヨ!」
「生麦生ゴミ生卵、生麦生ゴミ生卵、生麦生ゴミ生たまぎょ……よし!」
「よしじゃないノー! 今噛んだでショ!」
セレッソの間違いを正さないであげた薄野とは対照的に、最後に薄野が噛んだのをセレッソは見逃さない。
ひとしきり二人で早口言葉を言い終わると、ふう、と小さく息を着いてセレッソは前列の席に腰掛けた。
「あ、せんせー座っちゃった」
「せんせーも立ちっぱは疲れるのヨ」
「じゃあ質問いいですかー?」
再度はいはーいと手を挙げる薄野を、セレッソは指名する。
「ハーイ、五月チャンどうぞ!」
「セレッソ先生が好きな植物ってなんですか?」
「あら、ずいぶんプライベートなこと聞くノ? ……んー、サクラ! ワタシの昔いた場所はサクラは真っ白だけど、こっちのはとってもキレイなローザ!」
「ローザ?」
「ピンク、なノ!」
寝子島高校も学校らしくきれいな桜並木が植えられている。春先の光景を思い出しながら、セレッソは顔を輝かせて言う。
「桜は私も好きですねー。じゃあ、学校で先生が一番好きな場所は?」
「それはもちろん、この教室! みんなといつも一緒に過ごす場所だワ!」
みんなのいる教室。今は二人だけしかいない、この教室。
ワタシは1年4組が好きナノ! 笑顔でそう言うセレッソに、薄野も小さく頷いた。
「私もです、先生」
沈みかけの日はひときわまぶしい光を投げかける。
窓から差し込む強烈な西日に顔をしかめながら、
邪衣 士
は眉根を寄せつつ電卓を叩いていた。
「えーと、昨日の晩飯までにかかった費用で残りプラス250円で、今日集まった集金は……」
生徒自身で自治を行っている猫鳴館では、家計のやりくりも生徒たちの手で行われている。といっても主に家計簿をつけているのは自治会長である邪衣の役目になることが多いのだけれど。
「うー、いかんな、赤字だ。こりゃ買い出し班に今日は抑え目にしてもらうよう言っとかないとな」
はあ、と小さくため息を着く。一見自由に見える生活も、涙ぐましい努力あってのものである。
次は光熱費の確認を、と家計簿のページをめくったとき、部屋の扉が開いた。
「おう士殿、今日も手伝いに来たぞ」
現れたのは同じく猫鳴館に住む
大田原 いいな
である。
ある学生新聞の記事をきっかけに、二人は猫鳴館改善のために協力関係を築くこととなった。
ただでさえ学校不認可という微妙なポジションの猫鳴館。掘り進めていた地下帝国の崩落事故のこともあり、廃寮に向けて雲行きが怪しくなってきている。
そのため二人はどうにか現在の状況を改善しようと奔走しているのだ。
「大田原か、いつも悪いな。今日は家計が思いのほか手こずりそうでな……ちょっと修繕関係の仕事を任せていいか」
「もちろんじゃ。その辺りは儂も勉強中でな」
寮の存続のためには感情論で訴えても仕方がない。寮の安全性を少しでも主張できるようにと、老朽化している箇所の修繕に向けて動いていた。大田原が手にしている「たぶれっと」には、寮の見取り図や修繕ポイントをまとめた「でーた」が詰まっている。
「築30年以上の建物の資産価値はほぼ零だと、こないだ読んだ不動産関係の本に書いとった」
「資産価値、か。まあそうだろうなぁ」
それならばせめてもの安全性を高めなければならない。
猫鳴館の現状をまとめた資料をタブレットにまとめていく。その液晶を覗き込みながら、あ、そういえばここ、と邪衣はある一点を指差した。
「ネズミ騒動が起こったときに壁がぶち抜けてたな。ここの修繕はさすがに業者が必要だろうな……」
「うむ。して、その費用は」
「…………」
大田原の言葉に、無言で頭を抱え込む邪衣。
運営費すら生徒の小遣いからまかなっている現状、プロの手に任せた完全な修復への道のりは険しい。
「……まあ、とりあえず、現時点では修復必要箇所をまとめるかの」
ごほん、とその重々しい沈黙を振り払うように咳払いをすると、大田原は資料の整理を再開する。
「じゃあ俺はちょっとささ美とてば崎の世話にいってくる」
ずっとこもりっきりでは煮詰まってしまう。気分転換にと邪衣は大きく伸びをしつつ立ち上がった。
ささ美とてば崎とは寮で買っている鶏の名前だ。実に肉々しい名前だが、れっきとした卵用鶏である。猫鳴館には鶏舎だけでなく、欠食児童の飢餓を救うための菜園まで用意されており、ちょっとした自給自足生活も可能だ。
(ここ最近雨ばっかりだったから、天候操作で野菜のコンディションを調節した方がいいかな)
局所的に天候を操る邪衣の力は、確かに家庭菜園にはうってつけではある。
会長も楽じゃないよな、とやりがいと疲弊を一身に背負いつつ、邪衣は部屋を後にした。
その背中を見送りながら、大田原は内心で決意をする。
(穴があればこのあいだみたいに付け込まれてしまう。この寮は、儂が守るんじゃ)
会長ひとりに任せるには負担が重過ぎる。ひとり部屋に残された大田原は、積み上げられた資料の山と対峙した。
執拗とも言える綿密さでデータを集めていく。まるでどこかの『仇敵』のように……。
廃寮回避に動く者もいれば、その逆の者もいた。
「……不正や不祥事。それはどんな理由があっても正されなければならないのです」
風紀委員室に一人こもってタブレット端末を操作しているのは、
神無月 綾
だ。
彼女は先日星ヶ丘寮で起こった集団体調悪化事件を契機に、学校側は不祥事に対しては隠蔽の方針を採っているという強い疑念を抱いていた。
(あのとき理事長が言っていた……県の教育委員会では管轄外なので対応は厳しそうですね)
強すぎる正義感ゆえ、彼女はどんな不正でも見過ごすことはできなかった。
風紀委員室にひとり座りながら、ぎり、と歯噛みをする。
「こうなったら正攻法ではいかないかもしません。もしかしたら今後、私は『反社会的な危険人物』とみなされてしまうかもしれない」
たとえそうなったとしても。
正当な正義であるはずなのにどうしてまっすぐ通ってくれないのか。
その現状に怒りを覚えつつも、自身を落ち着けるためにふうと一息つく。今ここで怒りに駆られていても仕方がない。
今この瞬間でも、たとえ一人でも、私にはできることがある。
神無月は気を取り直すと、タブレット端末を操作して開いたままの教育委員会のページを閉じる。
代わりに開いたのは、鬱蒼とした木々の間に佇む古ぼけた館――猫鳴館の姿だ。
「ここの寮は30年前に廃寮が決まったはず。学校不認可の寮が、生徒の自治のみで未だに存続しているだなんて…」
猫鳴館には一度偵察に訪れたことがある。その際のデータはちょっとしたアクシデントで紛失してしまったけれど、至る所に見られた建物の破損は一般的な安全性すら保たれていない様子だった。
(考えていても仕方ないですね。まずは30年前の廃寮の決定と、にも拘らず取り壊しが回避された理由を調べなければ)
椅子から立ち上がると、彼女は取り集めた資料の読解に取り掛かるのであった。
そうした神無月の不穏な動きを、
大田原 いいな
は予見していた。
だからこそ周到に手立てを用意し、猫鳴館の穴を見つけ出していく。
「うむ……修繕箇所はともかくとして、本格的な施工はやはり社会人の力に頼らざるを得ないのう」
まとめあげた資料を、いったんサーバーの方にアップロードする。
――こうした技術を彼女に受け継いだ人物にぼんやりと思いを馳せながら。
働きづめの頭を休ませ一息ついていたとき、ガタッと音がして扉が開いた。
あ、ここのドアの立てつけもだいぶ悪くなっとる、とつい考えてしまうのは修繕作業の影響か。
「大田原、ほら……これが今月のキャベツだ。うさぎ屋に届けてくれないか」
扉の向こうから現れた
邪衣 士
は、キャベツがたくさん詰まった段ボールを抱えていた。
うさぎ屋というのは、大田原の叔母が経営しているお好み焼き屋のことである。
その大量のキャベツを見て、うぐ、と大田原は言葉を詰まらせた。こんなにたくさんの量、持っていけるはずがない。
「……うさぎ屋までの道案内と残りの書類整理は儂がやるから、荷物はお前が持て」
「はぁ? こんな重たいのうさぎ屋まで運べるかよ」
「士殿に無理なら儂にだって無理に決まっとるじゃろう!」
正論を言う大田原、確かに……、と思わず納得してしまった邪衣は大きくため息を着いた。
「仕方ないな。じゃあ残ってるウツボカズラ事件の報告書もよろしく頼んだぞ」
「げ、あの報告書また学校に提出しとらんかったのか」
「ああ。いろいろと誤魔化し……じゃなかった、調整しないといけない箇所もあってな」
そう言う邪衣の言葉は重い。ついでに両腕にのしかかるキャベツはもっと重い。
「いくら学校の管理下じゃないとはいえ、いやだからこそ、俺たちだけで管理できてるってとこ主張していかないといけないしな」
よいしょ、とキャベツを抱えなおしながら邪衣は言う。
その顔は、廃寮問題と家計簿問題と大量のキャベツに押し潰されそうになりつつも――確かに猫鳴館自治会長としての矜持に満ちていた。
そんな自治会長の横顔を見ながら、大田原も頷く。
そうだ、だからこそ、自分たちの手でここを守らなければならないのだと。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月26日
参加申し込みの期限
2013年11月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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