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満ちるのは月か心か、それとも?
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ただ、見上げた月が綺麗だった。
夏の星空だって、部屋からでも十分に見られるじゃないかと思っていたくらいには、特別興味を持つものでもなかったはずなのに。
(今日だった、はず)
綺麗だとは思っても、
朝鳥 さゆる
にとって夜を象徴するような輝きは、1人穏やかに見上げられる物でもなかった。時間感覚が乏しくなるくらいに、現実から逃げる行為でしか夜をやり過ごせなくなったのも……理由があったけれど。
無意識に何かを思ったのか、嫌いなはずの夜にふらりと家を出る。隣には当たり前のように
姫木 じゅん
がいた。
職場に向かうわけでも、コンビニに寄りたいとも言わず、ただ黙って隣に居る。賑やかすことのほうが多い彼女が、寄り添ってくれているようにも感じる距離を保つのは、今日が初めてではない。
いつから、だったかは思い出せない。だけど、お互いのことを打ち明け合った
あの夜
から、確かに変わった物がある。
あれから数日、夜明けの言葉まで含めて考えた。自分の気持ちも、それを口にしていいのかも。
清らかな月の光は、自分の陰を炙り出すような、封印したはずの忌まわしい過去が見つめているような気さえする。
肉を抉った感触はいつまでもつきまとうだろう。こんな、血塗れの両手で何を掴むのだろう。
――やっぱり、夜は嫌い。
さゆるは思わず、じゅんの手を取った。指を絡め、その手に体温があるか確認するように強く握り混む。
大丈夫だ、彼女はここにいる。冷えて固くなることも、霧のように消えてしまうこともない。
(あの言葉も)
きっと嘘や同情じゃない。……そう信じたいんじゃない、本心を伝えてくれたのだと思うから。
痛いくらい眩しい月夜でも、夜がどれだけ長くても。きっとこの手は、繋いでいられる。
あてもなく歩いているだけで、浮かれてすれ違う人たちはお月見会の場所を口にしてくれた。だから、なんとなく。その賑わいを避けるようにして歩み進めたら、温泉街まで辿り着いていた。
ぽつりぽつりと露店はあれど、人通りは多くない。
ここまで足を運んで、そのまま引き返す気にもなれず。出てきたときと同じように、ふらりと気の向いた温泉宿に足を踏み入れる。
まだ縁日が盛り上がっているのか露天風呂も貸し切り状態で、のびのびとくつろぐことができるのに――2人は肩を寄せ合って月を眺めていた。
月の光は、その欠片を落とすように降り注いでいる。
いつもなら冷たく切り裂くような月光が怖くなかった。変わらず『夜』は長いし、終わりが見えないけれど。それでも、今のところは。
「この前、あたしのことを好きって言ったよね」
こうして2人でいられるのなら、長い夜でも怖くない気がした。月夜が見せる幻想なのか、温泉で身体が火照っているせいなのか、浮ついた言葉がするりと零れる。
「夢だとでも思ったの?」
薄く浮かべた笑みは、期待をしていないようにも見えた。もしくは、こちらの気持ちは透けていて、素直に今と向き合えるのを待っているのかもしれない。
どちらにせよ、嘘でも夢でもなかったのだ。
さゆるはじゅんを引き寄せて、縋るように、祈るように口づける。もう悲惨な別れなどしたくない。
どうかこの『雨』がやむまで、『夜』が終わるまで。いつか、それらに終わりを迎えることができても。
それは唇を、身体を重ねるだけでは伝えきれない。
「……好き」
長い口づけの後、さゆるは素直に想いを告げた。
今だけでなく……ずっと、ずっとこうして2人でいられるように。じゅんへ気持ちを再確認するように。
「じゅん……あたしもあなたが好き」
一瞬面食らった顔をして、じゅんはふわりと笑った。僅かに紅潮しているように見えたのは、温泉のせいかもしれないけれど。ちょっと珍しい、優しい顔が見えた気がした。
「言えるじゃない」
もう一度、惹かれるようにキスをしたのに、それは軽く啄むだけで離れてしまう。さゆるが物足りなさそうに見つめ返せば、じゅんは意地悪そうに目を細めた。
「想いが通じ合った夜くらい――優しくされたい?」
暫しのお預けで穏やかな夜を選ぶか、今すぐいつもの夜を選ぶか。
月光を浴びて妖艶に微笑むじゅんを前に、さゆるが出した選択は、夜空の月だけが知っている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
30人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月20日
参加申し込みの期限
2022年08月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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