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満ちるのは月か心か、それとも?
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普段から月を眺めるのは好きだから、今日の月が特別だとは感じていなかったけれど。
どこかしこから聞こえる宴会の声に、口元を緩ませる
京極 花音
は、食べ物を持ってふらりと出かけてみた。
偶然辿り着いたいい場所で、1人の月見も悪くない――というよりも。
(ここは……どこだ?)
重度の方向音痴な花音には、目的地に辿り着くことなど難しかった。
今回の目的地は温泉街、寝子島神社まで辿り着きさえすれば、あとは一本道のはず。
神社では縁日がやっているようで、向かっている人が多かったから、人の流れに着いていけば辿り着ける……はずだった、のだが。
花音は山の中で途方に暮れていた。
温泉街は確かに山手だし、道中海を見た記憶はない。寝子島から出ていない、ということだけが救いではあるのだけれど。
(戻るか? ……どっちに?)
道なりに歩いたつもりが、そういえばいつの間にか獣道になっている。さすがにこれが温泉街に続く一本道とは思えない。
(とりあえず街灯沿いに歩けばどこかに……)
見上げた先には、大きな満月があった。ルート確認だけは怠るまいとして、必死にスマホの地図を見ていた結果、街灯がなくなっていたことさえ気づかなかったくらい、明るく照らしてくれている。
人工物の気配がない。完全に、迷った。
「まあ……歩けばどこかに出るだろ」
幸い食料は持っている、迷うことにも慣れている。現在地を正しく指し示しているかわからない地図を見ながら歩み進めると、何かがキラキラ光っているのが見えた。
今度こそ、街灯か祭りの提灯か。希望を持って近づけば、聞こえてくるのは宴会の賑わいではなく悲鳴だ。
竹林で好き勝手に悪戯を繰り返していた『わるいうさぎ』は反省していた。
とても反省している、なんだったら手のつけてない戦利品はお返しする。
だから、どうか。
「いやぁああああっ!!」
「たあああああすけてぇええええええええっ!!!!!」
まさしく脱兎。
うさぎたちは、狙ってはいけない人物に手を出してしまったことを、心底後悔した。
「あらあら、もう降参ですか?」
逃げ回るうさぎたちを優雅に追うのは、
吉住 志桜里
。まっすぐうさぎを追っていたかと思えば、茂みに身を隠して油断を誘ったり、離れた場所にいることで強気になっている子には、竹のしなりを利用して跳躍してみせ間合いを詰めたり。縦横無尽かつ気まぐれに暴れ回る志桜里に、うさぎたちはヘロヘロだった。
「クッキーなら返したじゃないかっ!」
「そうですね、2枚はお返し頂きました。でも、もう少しあったはずですが……?」
「だ、だって……食べちゃったんだよ!」
お月見会の一部として配られた物だし、食い意地がはっているわけでもない。きちんと謝罪をして返そうという意志があるのなら、耳を揃えて返せるまで許さないと言うつもりは無いけれど。
「無くなってしまったのなら、仕方ないですね」
にっこり微笑んでいる色香は、許してくれそうな優しい物では無い。なぜなら志桜里はちょっかいをかけられ黙って香箱座りでいられるような性分ではないのだ。ちょっとばかりお灸をすえなければ、気も晴れない。
お月見会を楽しみにしていたことが覗える、月夜をモチーフにした爪がキラリと光る。
「足りない分のお詫びを頂きましょうっ!」
その姿は豹か、山猫か。大きく爪を振り下ろす姿に、またうさぎは走り出す。
その怯えっぷりに、本当に狩られると思っているのだろうかと小さく笑い、軽く地を蹴って烏の濡羽色を月明かりに靡かせる。
(……あまり荒事ばかりも楽しくないかしら?)
うさぎたちがもう一度きっちり謝ったなら許してあげようかと、志桜里は全力疾走で追いかけた。
「うさぎさんは追いかけっこなのですー? ふぁいとーですー!」
かわいいうさぎが見れて大満足の
ゼロ・シーアールシー
は、のほほんとそれを見守っていた。
烏の濡羽色を翻し荒れ狂う大型猫科獣な人とは違い、そのゆったりまったりな空気感がうさぎたちの悪戯心を呼び覚ます。
――狙う相手を間違えなければ、返り討ちに遭わずに食べ物を盗めるんじゃないか。
あんなにぽやぽやしているのだ、手荷物の1つや2つ無くなったって気づかないだろうし、気づいたところで精々頬を膨らませるくらいで何もできはしないだろう。
短絡的な思考で、うさぎはそろそろとゼロに近寄っていく。どんな美味しいものにありつけるかと様子を窺っていると、ぱちり、と目があった。
「うさぎさん、おいでおいでーなのですー」
散々追いかけられていた後なので、少し警戒心を見せるうさぎだが、ゼロはにこにこ両手を広げている。特に危害を加えそうには見えないが、だとしたら何が目的なのだろう。
「おいかけっこで、のどが乾いていませんか? それともお腹が空きましたか?」
遠慮しないでどうぞ、と差し出された
謎団子
は、おままごとで差し出される泥団子のようでもあり、うごめく未知の生物のようであり……うさぎは何の遊びに誘われているのかと困惑の眼差しをしていた。
続いてコップに注がれた
謎茶
も、水筒から注がれた時は緑茶に見えたのに、月明かりの元でコップを覗き込めばオーロラ色をしていて。
これはごっこ遊びなのか、食べ物なのか、それとも。
「お腹いーっぱい食べて飲んで、歌って踊るのですー」
意を決し、一羽のうさぎがシーズン外のプールのような色をした謎茶を口にする。なんとも言えない香ばしさと酸っぱさと仄かなクリーミーな甘みが押し寄せて覚悟を決めたが、後味はミントのような爽やかさで心なしか毛並みがよくなった気がする。
――これは、意外とイケるんじゃないか?
そんなアイコンタクトを受け取った仲間たちが、訝しみながら謎団子を口にして、倒れるものと何かに目覚めたように齧りつくものとにわかれた。
「うふふー、お月様での生活はどうですかー?」
倒れるうさぎを見てもさして驚きもせず、にこにこと話しかけているゼロからは、やっぱり悪意は感じないのだけれど。
当たり外れの多いらしい謎団子と謎茶を前に、うさぎたちは空腹に抗うか否かを必死に考えていた。
光る竹林と大騒動を目印に、ようやっと花音は神社と温泉街を繋ぐ道を視界に捉えた。
楽しげにうさぎを追い回す女性に、ピクニックのように謎の食べ物を広げては死屍累々のうさぎたちに話しかける少女。テントでは茶屋のお手伝いをしているようなうさぎもいて、本当にこの道が正しいのかと踏みとどまる。
もしかしたら、足を踏み入れたら帰って来れない、三途の川のような場所ではなかろうか。
とはいえ道らしい道はここしかない。花音は覚悟を決めて荷物を持ち直すと、そのガサリという音にうさぎたちは耳をたて、警戒しながらも花音を取り囲んだ。
「な、なんだ?」
にじり、にじり。花音の持つ袋を凝視し、目線が合えば半歩下がり。人の出方を伺いながらも、決して逃げようとしないうさぎ。
(こいつら、もしかして……腹でも減ってんのか?)
月より団子……というわけではないけれど、不測の事態も念のため想定し、食べ物はそこそこな量を持ってきている。人通りのある道も見つけられたことだし、分け与えても問題ないだろう。
「……食うか?」
袋からお菓子を取り出せば、待ってましたと言わんばかりにうさぎは飛びかかってきた。
器用に袋を開けてそろりと味見。すると、次の瞬間には目を輝かせて一心不乱に食べ出すものだから、周囲のうさぎたちは寄越せと先陣をきったうさぎと揉み合うし、一層こちらの袋を見つめてくる。
とても美味しいものを持っていて、襲ってこない人。うさぎからみれば、花音はとてもいい人だ。
うさぎは揃って、大乱闘している方を見る。――あんなことしないよね?
仲間の叫び声を聞きつけ、博打な食べ物の前に倒れた者を見る。――あんな危ない食べ物じゃないよね?
そう訴えかけるように、大きな瞳をウルウルさせて。食べ物の入った袋と花音を交互に見つめる。
期待に満ちたキラキラの目でにじり寄ってくるうさぎもあれば、背を向けてチラチラと様子を窺う子。多種多様の可愛さの暴力が襲いかかる。
これを断るなんて、良心が痛む以前に出来る奴などこの世に存在しないだろう。
そう思えるくらいには、破壊力が抜群だった。
「……わかったよ。全部持っていけ」
袋を置いて、喧嘩しないように方々に軽く投げようかとしゃがみ込んだ花音に、うさぎは群がっていく。
すりすりと頬を寄せるもの、撫でていいよと言わんばかりに頭を下げるもの。
スナック菓子の袋を開け損なって、破裂音にびっくりしたときなんて、散るどころかぎゅうぎゅうと花音の背中に隠れようとするくらい懐いてくれるものだから、思わず笑ってしまったくらいだ。
道に迷って散々だったし、食べ物もなくなったし、きっと温泉にも入れないけれど。遠くから聞こえる人たちの笑い声を聞いて、うさぎたちの食べっぷりを眺めて月見をするのも悪くない。
花音は穏やかな顔で、うさぎたちを愛でることにした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
30人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月20日
参加申し込みの期限
2022年08月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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