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奇遇で儚き楽園
奇遇で儚き楽園で想う
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「知ってた」
ウォルターの短い返答に、七瀬は気の抜けたような声を漏らす。
「知って、え、……はぁ」
知ってたとはどういうことだろう。自分でもよくわからずにいることなのに。
「あのう……?」
伺うようにウォルターを見つめると、ウォルターは少し困ったように眉を下げて笑う。
「あのねぇ、疎まれてるか好意を持たれてるかくらい、わかるでしょう。それともそんなに鈍そうに見える?」
「や、見えません、けど……」
むしろその方面には経験豊富で鋭そうに見える。
ええと、なんというか、と七瀬は言葉を探した。
「……あ、好きっていうのは恋愛対象とかそういうのではなくて……たぶん?」
七瀬は疑問形に語尾を上げて、すこし首をかしげる。ウォルターはオウムのように聞き返した。
「たぶん?」
「えぇと、たぶんっていうのは、うちにもようわからんくて……。いわゆる恋人みたいな関係はピンとこんのです。かといって先生にそういう相手がおったら、それなりにショックかもって気持ちはあるので……うーん、なんなんですかね、うち」
たははー、と笑って誤魔化す。ウォルターはそんな七瀬から視線を外さず聞いてくれた。
「七瀬の言ってること、なんとなくわかるよぉ」
「わかり、ますか。うち自身がようわかっとらんのですけど」
でも、と、七瀬は肚をくくってウォルターを見つめた。
「これだけは、はっきりしてます。貴方を好いとーこの気持ちは、勘違いとかじゃなかですよ」
「うん」
ウォルターは七瀬の言葉に短いけれど真摯な頷きを返す。
それから彼はゆっくり首を回して、海の方を見つめた。
何を考えているかわからない横顔で。
七瀬は、その綺麗な横顔を、金に瞬く睫毛の長さを、しばらくぼんやりと眺めていた。
「うち、先生にとってのたった一人になりたいです」
訥々と、零れ落ちる胸のうち。
「たった一人の何か……は、まだよくわかりませんが……」
波音にかき消されそうな声。
願いはとうとう言葉になって、ウォルターの耳まで届いてしまった。
そのことに対する幾ばくかの後悔と、もう抑えられないという静かな衝動がせめぎ合っている。
ウォルターは引き寄せた膝の上に頬を預け、ゆるりと七瀬の方を見ていた。
片手が七瀬のほうに伸ばされる。
不意のことにぴくりと身を竦ませると、ウォルターは笑って、七瀬の頭をよしよしと撫でた。
頭の上にぴんと伸びた、獣の耳のあたりがくすぐったい。
「かわいいなぁ」
「かわいい、ですか? というか、こんなこと考えとる僕のこと嫌じゃないですか?」
「どうして? 君が男の子だから? そういうので嫌とかはないねぇ」
「だったら……これからも一緒にいてくれますか?」
ウォルターは、物思い気にゆっくりと瞬きし、七瀬の髪をくしゃくしゃにした。
「焦らず生きなよ、青少年」
「焦ってる、ですか? ……先生、僕おかしかですか。返事、もらえませんか」
体育座りした七瀬は、両膝の間に顔を埋める。
さっきくしゃくしゃにした七瀬の髪を整えるように優しく撫でて、ウォルターは海のほうを見た。
「自分のことがよくわからないのは僕も一緒だよぉ。昔、いろいろあってねぇ……僕はたぶんあのときから、人間らしいなにかを捨てちゃったんだろうね、正直なところ、今じゃあすっかり、ハートがご不在ぎみでねぇ」
ウォルターは冗談めかして、自らの胸のあたりを人差し指で突く。
(昔、いろいろ)
先生を庇って亡くなられた親友のことだろうと七瀬は思った。
(
たしか獅子堂さん
……)
サーベルタイガーの狩りで血を見たときに思い出したのも、きっとそのことだったのだろう。
「ここの絶滅動物を見ているとねぇ、僕と似た者同士だなあと思うんだ。もう死んでいるはずなのに、幻みたいに生きているような。だからって別に不自由とは思わないけれど……」
ウォルターの話しぶりは淡々と他人事のようで、それがどこか哀しい。
「僕は、僕にとっての特別な『たった一人』っていうのは意識的に作らないようにしてきたような気がする。だから、君をたった一人の何かにするとか、これからもとか、そういう約束は出来ないんだよねぇ」
たださぁ、とウォルターは続ける。
「君といるのは嫌いじゃないよぉ。君が持ってる空気感っていうのかな、それがなんだか落ち着くんだよねぇ。それでも君との関係に恋人とか友達とかそういう名前がついたら僕は違和感を感じると思う。君なら、なんとなく分かってくれると思うんだけど……」
頷く。なんとなく、わかる。それはきっと、七瀬が感じている違和感と同じものだから。
「だからね、倉前……僕や誰かにとっての恋人とか、友人とか、そういう一般名詞のなにかになろうとするより、そう……」
ウォルターはしばらく考え込む。
それからなにか得心したように一人頷き。
「うん、『たった一人の倉前七瀬』になるっていうのはどうかなぁ?」
なにしろ僕にとって倉前七瀬という人は君しかいないのだから、とウォルターは微笑む。
「なれるでしょうか? 僕の誕生日じゃなくても、先生に名前を呼ばれるような人間に」
七瀬は名前で呼ばれることに拘りがあった。
名前で呼んでもらいたいので、人のことを名前で呼ぶくらいだ。
けれどウォルターとは春まで先生と生徒の関係で、下の名前で呼ばれる機会がほとんどなかった。
7月17日、七瀬の誕生日
に、お願いして名前を呼んでもらったとき、思わず七瀬が涙してしまったのはお互い記憶に新しい。
「そんなに名前で呼んでほしいの」
「はい」
七瀬は即答する。
わかったよ、とウォルターは、大切なことを伝える人の目をして告げた。
「――七瀬。たった一人の『君』におなりよ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSS(500)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年08月17日
参加申し込みの期限
2022年08月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年08月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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