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「ボク、一度このお店来たことがあるよ。出してもらったお茶、とっても優しかった。だからってこんなこと、こんな、買ってくれる人をだます様なやり方、絶対だめだよ」
「あたしは、このお店のすべてが夢幻だとは思わないけれど」
湊の代わりに応える声が上がった。此方が、階段の縁に立っている。
その場にいた誰もが、いつの間に? と此方へ注目する。
「柚川さん、あなたのつけていた日記帳、勝手ですが読ませていただきました。本当はお菓子作り、苦手なんですね」
此方の掲げた日記帳に全員の視線が動く。此方はその日記帳を隣に立っていた能美子へと手渡した。
能美子はその日記帳を両手で持ち、じっとそれを見つめる。ろっこん“役立たずの逆さ時計”は壊れたもののそうなる前の姿を認識させてくれるものだが、今の能美子の頭には、日記帳へ想いを綴っていた湊の気持ちが浮かんできていた。
“甘いものは人を幸せにできる”“誰かを幸せにできる場所を作りたい”“どうしてこんなに不器用なんだろう”“キャンディ”“キャンディなら僕にも作れるかな”
「なるほど、ね」
いつもと違う感覚に戸惑いながらも、能美子は響いてきた想いに深く頷く。
「確かにキャンディは意外と作るの簡単だしね」
「ろっこんの力で夢をみせることは確かにいけないことかもしれない。でも自分でできることを探してこうして多くの人に知られるまでになった、柚川さんの努力は幻なんかじゃ、ないわ」
此方はペンダントをぎゅっと握りしめる。誰にも聞こえないような声で呟いた言葉は「起こったことを夢で終わらせたら、だめなの」
それが湊のことなのか、此方自身のことなのかはわからなかった。
「……そっか」
円の体がずるりと傾く。慌てて刀が円を壁際に座らせた。
「純粋に、飴を作っていただけならいいのかな……。でも、だからと言って全部が許されるわけじゃないと思う。現に、今の状況を作り出したのは湊さん、あなたなんだよ」
「ろっこんの制御のことなら、俺も少しくらいは相談に乗れます。貴方がどんな決断をするのか、そこには興味がありません。貴方自身の考えで動けばいい」
円が完全なクレープになったのを確認して、刀はその隣に腰を下ろす。
「でもその決断が、俺や俺の周りにとって害となるなら、俺は何としてでも貴方を止めます。いいですね?」
決意が固い者同士、ぶつかり合うことは稀ではない。
刀は最初から、自分の意志で動いてきていた。
「俺は騒ぎが起きなければそれでいいんです。こいつみたいに、貴方のことを本気で心配している奴もいたんだ」
そう言ってクレープになった円や、バニラアイスとして横たわっている凛を視界にとらえる。
冴来の腕の中で眠ってしまった、片腕のとれた海美を見て、湊の表情が悲しそうに歪んだ。
「僕は、間違っていたのかな」
ぽつりと湊が呟いた。
今にも泣きだしそうな声で、悔しそうに、苦々しそうに呟いた。
「僕は、誰かを笑顔にしたかった。ただそれだけなんだ。珍しく成功したのがキャンディで、自分で食べてみたら意外に美味しくて。何度も何度も夢に見た自分のお店が、こうして現実になって。
それだけで、僕は誰かを苦しめていたんだね……」
「それは違うわ」
湊の悲痛な呟きを、冴来が優しく諭すように否定する。
眠ってしまった海美の髪を撫でるその指先は、優しい色合いの砂糖菓子に変化していた。
「私、このお店大好きなの。苦しんでなんかいないわ。むしろ無くなってしまった方が泣いてしまいそう」
「せっかくお知り合いになれたんですしー、世界が元に戻ったらストック用の飴をいただきにいきたいのですよー! ところでどうですか、次はお花の蜜の味の飴とか作ってみませんか!?」
梢は特に後半の言葉に力を入れる。
「辛党たるもの甘いお菓子の誘惑に負けることは恥辱です! でも現実はべつなんですよー!」
「み、みなさん……」
「で、なんでこんなことになったんか、兄ちゃん自分でわかっとるんか?」
飴の山の上に座って、足をふらふらさせながらちかが問いかける。隣にはきっちり深見の姿が。
ちかにばれないようにこっそり飴を食べようとしては、ちかに妨害されていた。
「いや、それは……」
「なにか心当たりはないの?」
能美子が日記帳をぱらぱらと捲る。
「ずいぶんいろんなお菓子を作ってたみたいだけど……なに、なにか食べたいものでもあるの?」
「日記帳には、チョコレート菓子とケーキ類、焼き菓子まで色々なジャンルのお菓子が書かれていましたが、圧倒的に作った回数が多かったのはアップルパイでしたね」
此方の言葉に能美子は確かに、と頷く。
「作ってる割には、パイ生地の時点で失敗してたり林檎を煮詰めるときの分量を間違えていたり、砂糖と塩を間違えていたり散々だけど」
「え、それ苦手っていうレベルじゃないじゃないですかー?」
「アップルパイだけは成功したことがないのだ……何かの呪いみたいなのだ」
真央も珍しく憐れんだような視線を湊へ向ける。
店内が何とも言えない湊の不器用さに言葉を失った。
「アップルパイ?」
「アップルパイって言いましたか?」
絶妙なタイミングでお店に入ってきたのは瑠奈と綾花。ふたりは顔を見合わせると声を揃えて、
「「高校のグラウンドに、おっきなアップルパイがあったよ?(ありましたよ?)」」
「えっ!?」
湊が今までとは打って変わって嬉しそうに聞き返した。
「それは本当かい!?」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
時織椎
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月21日
参加申し込みの期限
2015年05月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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