【ハロウィン】可笑しなお菓子な甘い島｜リアクション

【ハロウィン】可笑しなお菓子な甘い島

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数日後、Candy LICORICの店内には相変わらず人が溢れていた。
一部の者のみが知る例のお菓子事件以来、湊は臨時休業として数日間店を閉めていた。
しかしリピーターたちは早く早く、と毎日のように、お店が開くのを待っていたのだ。
ようやく再開した店内には、今まで以上に優しい味わいの飴玉が並ぶ。

「なかなか美味いな」
「ね、お茶も美味しいし」

刀と円が試食用の飴を舐めながら、籠の中には色とりどりのキャンディを選んでいた。

「従妹たちにお土産で買って行こうかな」

一月は小さな小袋サイズのキャンディを選びながら。

「以前食べたときはクジラの骨格標本と泳ぐ夢を見ましたですよ！」
「すごいのだ！真央ちゃんはお猫様がいっぱい出てくる夢がいいのだー！」
「えー！じゃあ私は……アイスになる夢以外がいいな」

いおねと真央と凛の姿もあった。凛はもうどんなに好きでも、アイスクリームにはなりたくないと心の底から思っているようだ。

「お花の蜜のキャンディ、挑戦してくださったんですねー！これは買いですー！」

甘い香り対策にマスクをつけた姿で、梢も紛れていた。

「兄ちゃんたこ焼きこーてきたったでー！」
「買ったの僕なんだけど……まぁいっか」

すっかりちかに懐かれてしまった深見も、差し入れのたこ焼きを片手に訪れている。

「さきちゃん、おはなのかたちのがあるよ！」
「そうね、かわいいわね」

海美は棒付きのキャンディを片手に、冴来とにこにこ笑っている。

「綺麗……」

此方が小瓶を太陽に透かしていると、その背中にとん、と誰かがぶつかった。

「あ、すみません」
「こちらこそ」

ぶつかった相手を見やると、相手も同じように此方を驚いたような表情で見つめ返していた。

「あの時の……」
「あの時いた……」

能美子が溶かし飴の瓶を片手に、此方を見返していた。

「こんなに、いっぱいあるんだ」
「すごいでしょ？選びきれないよね」
「おれはいまだにきみたちがちゃんと生身の人間だったことが信じられないんだけど……」

望春に連れてきてもらった夏朝は、飴の多さに驚きを隠せないでいる。
なんだかんだで一緒になった時生は、まったく別のことで驚きを隠せないでいた。

「みなさん、ありがとうございます」
「私も、微力ですがお手伝いしていくので、また遊びに来てください」

そんな彼らに深々と頭を下げる湊。
その隣には、エプロン姿の綾花が同じように頭を下げていた。
ひとまずお客さんが減るまで、綾花を短期のアルバイトとして雇ったようだ。
綾花自身も初めてのことが多く、戸惑う部分もあったがなんとかふたりで余裕を持ってお店を回している。

お客さんを見送って、店内に戻ろうとした綾花の目に、見慣れた同級生が映る。
同じ寝子島高校の制服を着た男の子と女の子。

「いらっしゃい、あおいちゃん」

お店に訪れた修とあおいを笑顔で迎え入れる。
扉につけた鈴が、ちりん、と鳴った。

Candy LICORIC
甘くて優しい飴がたくさん売られる小さなお店。
そこの飴は、食べた人に幸せになってほしいと、店主が丹精込めて作っています。
あなたもひとつ、甘い夢を見てみませんか？

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あとがき

担当マスター：時織椎
ファンレターはマスターページから！

大変お世話になっております。時織でございます。
皆様ご参加誠にありがとうございました。

時織の予想に反して皆様きっちり問題解決に取り組んでくださり、ありがとうございました。
重複しているアクションも多く、採用しきれなかったものが多々ございます。
この場を借りてお詫び申し上げます。

久しぶりすぎてあとがきってどんなことを書いていたかな、と焦っております。
ともあれ、ご参加くださった皆様、目を通してくださった皆様へ感謝を。

それではご縁がございましたら、次シナリオにてお会いいたしましょう。

時織椎

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