【１０周年】吾輩は見た～週刊かぎしっぽのねこねこ記者｜リアクション

【１０周年】吾輩は見た～週刊かぎしっぽのねこねこ記者

●週刊かぎしっぽvol.XX011『ハンティング入門～ダイブ編』

　本日は吾輩、宮祀青果店の看板娘、宮祀智瑜ちゃんに密着しているにゃ。お店の裏で野菜屑を失敬していたら、高校生になったばかりの智瑜ちゃんが学校に行くところだったのであとを追ったにゃ。
　寝子島の人は吾輩たち猫に寛容なので、学校の中に潜り込むのは簡単にゃ。
　学校というところは吾輩が身を隠す場所には事欠かないにゃ。

　智瑜ちゃんは学食に行くと、眼鏡でスーツな男の背中をじっと見ていたにゃ。桐島義弘先生にゃ。
　桐島先生を見つめる智瑜ちゃんの目は、吾輩たち猫が得物を狙う時の目にそっくりだったにゃ。
　つまりハンターの目にゃ。
　やや、これは！
　狩りの現場にゃ。
　『かぎしっぽ砲』かもしれないにゃ！
　そう思って固唾をのんで見ていたら、智瑜ちゃんは何もないところですっころんだにゃ！

「義弘先生、わっ…！！」
「……なんだっ！？」

　智瑜ちゃんは子猫がネズミに飛び掛かるみたいに、宙をとんだにゃ！
　そして振り返った桐島先生にダイブしたにゃ！
　桐島先生は智瑜ちゃんを受け止めたけれど、その瞬間。

　びりっ！！

　おっきな音がして吾輩の目の前で、スーツのズボンがぱっかり破れたにゃ！
　智瑜ちゃんはそのまま桐島先生を押し倒して捕らえたにゃ。
　狩りは成功にゃ！

　今日のまとめ『ハンティングの基本は目標を見定めてのダイブにゃ』

「智瑜ちゃんにゃ！宮祀青果店はお野菜も果物もおいしいにゃー」
「智瑜ちゃんのダーイブは今や名物にゃ。ぽよーんと飛んで、ぷにゃっとくっつくにゃ」
「それを言うなら桐島先生のビリッも名物にゃ」
「そうにゃー。智瑜ちゃんがズボンをちくちくぬいぬいするところまでがお約束にゃー」