【１０周年】吾輩は見た～週刊かぎしっぽのねこねこ記者｜リアクション

【１０周年】吾輩は見た～週刊かぎしっぽのねこねこ記者

●週刊かぎしっぽvol.XX022『おでかけ隣のおひるごはん』

　かぎしっぽ読者のみなさんお待ちかね。
　『おでかけ隣のおひるごはん』のコーナーにゃ。
　今日の『お隣』は旧市街の伝統的日本家屋なお屋敷、猫屋敷さんちにゃ。
　猫の寄合所として立ち寄ったことのある読者も多いと思うが、サンマの季節の猫屋敷さんちは最高にゃ！
　ご覧くださいにゃ。
　縁側にいるのは旧市街の老猫と名高い猫屋敷のじいさんの孫、猫屋敷姫ちゃんにゃ。
　姫ちゃんがぱたぱた団扇で仰ぐ先には、赤々と炭の燃える七輪。
　網の上には新物のサンマがじゅわわっと脂を滴らせて音を立てているにゃ。
　あたりには堪らない匂いが漂っていて、嗅ぎつけた猫たちが集まってきてるにゃ。

「よしよし、いい子です。もうちょっとで焼けるですから待つですよ。
ほらそこ。喧嘩するならピコハンですよ？」

　吾輩もおこぼれに与るべく、縁側の下から回り込んでみたにゃ。
「ほーら焼けました」
　姫ちゃんが焼きサンマを皿に取って、箸で身をほぐして沓脱石のうえに置いたにゃ。
　その瞬間、ガン見していた猫から気のない素振りをしていた猫まで、みんなの目が一斉に光ったにゃ！
　

(ↀДↀ)✧　(ↀДↀ)✧　(ↀДↀ)✧

　縁側の下から飛び出す吾輩。
　さらに最初に飛びついたのはガン見した片目キズ猫。
　昼寝をしていると見せかけていた三毛がそれをかっさらうも、黒猫にさらに引っさらわれる。
　黒猫は池のほうに咥えて行ってひとりで楽しもうとしていたようだが、そこに現れたのは二匹の仔猫。
　あーっと仔猫は若さで素早くサンマを奪い、そのまま食べたーッ！
　ちなみに吾輩は、争奪戦のさなかに落っこちたサンマの皮のところを馳走になったにゃ。
　また来たいにゃ。

「猫屋敷家、ぼくもよく行くにゃー」
「姫ちゃんもじいも優しいにゃ」
「姫ちゃんのピコハンにだけ、ご注意にゃ！」