＜異世界アルカニア2＞輝くは水晶の森、かざすは勇者の剣｜リアクション

＜異世界アルカニア2＞輝くは水晶の森、かざすは勇者の剣

　それから生き残った少女を彼女の村に送り届け、皆は帰路に着く。
　寝子島へのゲートまであと数時間といった上空。その船内では各々がくつろいでいた。
　常闇はツクヨと船内にある固定式冷蔵庫からスイーツを出し、その味を堪能している。程よい甘さのケーキは疲れた体に心地よい。
「甘さが身体に染み入る気がしますね」
「戦いの後のスイーツは格別ですからねぇ……」
　絵梨菜はルイセから本格的な弓の打ち方を習っているようだ。グラビアの仕事で使うつもりなのだろうか。
「へぇ、持ち方もちゃんとあるんだね。それにしてもルイセちゃんって教え方が上手いよ。さっきよりも断然楽に弓が引けるもん」
「いえいえ、それはあなたがしっかりと普段の基礎鍛錬を怠っていないからだと思いますよ。ある程度の筋力がないとこの弓は引けませんから」
　轟とナディスに至っては艦尾にあるスペースを利用し傷も治ったばかりだというのに、組手を行っている。流石はこの二人といった所か。
「もっと打ち込んで来い、ナディス！　力に振り回されるな、力は上手く乗りこなすんだ！」
「はいっ！　ししょー！　全力で行きますよッ！」
　美野梨と八神に至っては生きたまま捕獲されたマルムの使い魔を解析しているようだった。そこにご褒美としてのバケツアイスに惹かれたちーあも参加している。
「ふむ、組成は……コウモリの亜種に近いようね」
「ああ。だが細胞には改良を繰り返された跡がある。もしかしたらまだ何か隠されているかもしれない、ちーあ頼めるか」
「はいなのです。バケツアイスの為にも頑張るのですよー！」
　
　闇はまだ深く、その正体は計り知れない。
　マルムの目的はどこにあるのだろうか。
　それを彼らが知るのは、まだもう少し先の話になるだろう。

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あとがき

担当マスター：ウケッキ
ファンレターはマスターページから！

お初の人もそうでない方もこんにちわ、ウケッキです。
今回は大変お待たせして申し訳ありませんでした！

新たな力に目覚め、少女を守る為に戦い続けた勇者ナディス。
皆様のおかげで彼女も無事に生還し、クリスウルフは討伐され生き残りの少女も救えたようです。ありがとうございました。

暗躍するマルムの次なる目的とは……。
それでは次回のお話でお会いしましょう！

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