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明日(あした)はきっと風の中
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モンスターバイクに娘がふたり、ハンドルをにぎるのは志桜里でその背は芹香、全身マッサージを受けているような大排気量の振動を味わいながら、夏のロードを突っ走る。
なんという快適さ、爽快さ。前のバイクでも風になった気持ちを味わえたものだが、今はもう自分が乗っているものが風なのかバイクなのか、それすらわからないくらいの走り心地だった。
「これは……いい!」
最高ですと志桜里は恍惚の表情で告げ、
「極楽過ぎて運転忘れるなよな!」
ケラケラ笑いながら芹香が応じる。白象に乗った古代印度の王様とて、これほどの感覚を味わったことがあるまい。
それにしてもと志桜里は思う。かつて幾度となく殴り合ってきた喧嘩友達と、ぴったり身を寄せ合いながら走ることになろうとは。
「あなたを背に乗せるのも癪やら、慣れてきたやら。これで喧嘩には行かないね」
「自分で運転できないってのが私は一番癪だよ。でも志桜里の運転、なかなかいいじゃないか」
「おほめにあずかり光栄」
「男どももそうやって操縦してんのかい?」
「ふり落としますよマジで」
「おおコワ!」
流してはファミレスで休憩し、また流してはコンビニでコーヒーをすする。目的なんてとくにないから、面白そうな場所、気になった場所、走って気持ちよさそうな場所を好んで選んだ。
やがてふたりは、勢いにのって寝子島と本土を結ぶ橋を渡っていた。日が暮れるころには名前も知らない地域に向かい、地元の暴走族をぶっちぎってみたりもした。必死で追いすがってきた威勢のいいのもいるにはいたが、マシン性能で到底およばないし、テクニックとなるとおよばぬことさらに遠い。追っ手はたちまちはるか後方、音ばかりうるさい蛍みたいになってしまった。
真夜中ごろに岬の灯台が見えた。バイクを止める。
「ずいぶん来たね」
志桜里は灯台に目を凝らした。
「ここはどこだい?」
芹香はきょろきょろするばかりだ。日本海側まできたらしい。海が見えるが地名の看板を読んでも、さっぱり居場所がわからない。
「おいパンT、ケータイで調べろや、この場所」
「不幸にして充電が切れました。芹香は?」
「私は持ってくるの忘れた」
「……五十歩百歩ね」
「よくわからんたとえをするな、どういう意味だよ?」
「いやもういいです」
幸い適宜給油はしてきたから、ガス欠立ち往生ということはなかった。もう深更なので仕方なく、宿を探しながら流すことにした。
さまようこと四半時程度、ようやく宿が見つかったがそれは、
「あれってさ、ラブホって言わね?」
ロードサイドにぽっかり浮かんだお城のような建物だった。走りながら海と大地をつらぬいて、人の心のふるさとたるファンタジー異世界に転生でもしたのでなければ、芹香の予想通りのものにちがいない。
「といっても選択の余地はないんじゃない? そろそろ疲れてきましたし……」
「マジかよ。私ああいうところ入ったことなくてぇ~」
「嘘いうと閻魔大王に舌引っこ抜かれるんですよご存じでしたか?」
なおもブーブー言う芹香をひきずるようにして、志桜里は無人の受付をくぐった。
入ってみれば外観以上に、『ど』がつくくらいの安っぽいラブホテルである。
「『プリンセスルーム』たぁ気がきいてやがんね。ディナーはレトルトのカレーか冷凍ピザ、モーニングは食パンとコーヒーだけでなんのプリンセスなのだか」
などと言いながらベッドにあぐらをかいて、芹香はピザをパクついている。
「ちょっと、ベッドの上で食べないでよ」
「うるせーなぁ、お前は私のかーちゃんか?」
などと言いながら腹も満たし、テレビモニター(AVしか映らない!)つきのジェットバスで一風呂浴びれば、なんとなく居心地がよくなってくるのだからわからない。志桜里と芹香はどちらからということもなくお互いの近況を交換し、とりとめのない会話を楽しんだ。
「そういえば、かーちゃん、といえば……」
「あんだよいきなり? わかってるよ。新しい母親とはうまくやってるよ、一応」
「助かるわ。芹香の継母は、私の師範ですからね」
「別に志桜里のために仲良くしてんじゃねぇよ。まあ私も、それなりに大人になったからさ」
「おやおや、しおらしいことを」
うるへー、と言って芹香はシーツをかぶった。
「私は疲れた! もう寝る」
「はいはい」
志桜里はベッドサイドのライトを消した。やわらかな闇が訪れる。
「ま、良かった。ちょっとは気にしていたんだけどね」
「何を?」
「芹香のメンタルを。家庭環境とか、一変したでしょうから」
「なんでパンTが心配すんだよ?」
「それは私は……優しいから」
「自分で言うか」
「そう、けしかけられない限り私は優しいのっ」
ふんと鼻で笑って芹香は背を向けたが、やがてポツリと言った。
「……なんか子守歌唄って」
「子守歌?」
やっぱり変なやつ! と思ったが、優しい志桜里としてはそんなことを言わず、
「ラップならできますよ。子守ラップ」
とアカペラでひとしきりはじめたのである。即興だ。
「
パンチラインひとつ駆けろ明日もIn da wind
二次元 三次元 ついてきてねぇなここは異次元 弾けない時代の新世代
としか言えないようじゃ知れない 俺らZ-gen
」
すらすらといい感じのフローができたと思う。これ、トラックにちゃんと乗せればヒット性の当たりに化けるんではなかろうか。かくして志桜里は自信を持って、
「……新曲よ。聴いた?」
闇の中で問いかけてみたのだが、返ってきたのは芹香の寝息だけだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年03月21日
参加申し込みの期限
2022年03月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年03月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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