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寝子島高校
明日(あした)はきっと風の中
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終業式まであとわずか。
もうすぐ高校最後の一学期が終わる。そして、高校最後の夏休みがはじまる。
昼休みだって今日が学期で最後だ。明日から授業は午前中だけで、それもほんの数日しかない。
大半の生徒にとっては嬉しい話かもしれないが、
御巫 時子
には、すこし寂しい。
もうすぐ夏休みで尚輝先生になかなか会えなくなりますね……。
青い砂がさらさらとこぼれ落ちていくような感覚だ。大きな砂時計のなかで、高校生活の残り時間が思い出に変換されてたまっていく。それでも、
「尚輝先生、一緒にお弁当食べませんか?」
化学準備室の扉をあけると、
五十嵐 尚輝
は平素と同じように時子を待っていた。
「御巫さん」
いつもすいませんと言いながら、尚輝はそそくさと机を片付ける。慣れた動きだった。
準備室の狭い机が、時子と尚輝のランチの場となってひさしい。日ごろは山積みのプリント類やノートでもっと散らかっているのだが、期末テストもその採点も終わった現在では用件も少ないようで、試験管やフラスコをどけただけでスペースができた。
机の片付きかたに、学期末を感じて時子はまた切なくなってしまう。高校三年生の二学期なんて、あっという間に終わるだろう。後半からは授業も減るし、三学期ともなればなおさらだ。ずっとこんな毎日をすごせたら、と願ってやまない時子だが時間の流れは無常にして無情、昼食を彼とともにする機会は、あと何回残っていることだろう。
けれどもその、心にあいた穴に継ぎをあてるように、
「コーヒー、淹れましょうか」
かいがいしく時子は告げてコーヒーメーカーを手にする。
「今日は暑いですからアイスコーヒーにしますか?」
「いいですね」
氷をとってきますと言い、尚輝は立って冷蔵庫をあけた。いまどきツードアの古い家庭用冷蔵庫、二十年、下手をすれば三十年は使っているようだが、いまだ故障ひとつないという。化学準備室ならではの備品といえよう。美術室や図書館には冷蔵庫なんてないだろうから。
本日のランチはサンドイッチ、それも全粒粉パンをつかった香ばしいサンドイッチだった。定番の卵サンドハムサンドに加え、昨夜多めに揚げたカツを入れたカツサンドもある。コーヒーとの相性はもちろん抜群だ。
「室内にいても水分補給はこまめにして下さいね」
ビーカーがグラス代わりだ。ブロックアイスを浮かせただけのアイスコーヒーだが、時子が丁寧に淹れたおかげか、苦みと酸味のバランスが完璧で、印象的なのどごしだった。
食後になにげなく、しかしなみなみならぬ関心をよせながら時子は問いかける。
「尚輝先生は、夏休みに予定はありますか?」
「夏休み、ですか」
のんびりした口調で尚輝は応じる。もしかしたら、もうじき夏休みなのを忘れていたのではないか。時子はかさねてたずねる。
「やっぱり実験でしょうか?」
「実験……そうですね、実験もしますよ」
「実家に帰省されたりは?」
「ええ。短い期間ですが、帰省も予定しています」
そしたらあまり会えなくなりますね……、という思いを飲みこんで時子は言った。
「ご実家のみなさんも、先生の顔を見るのを楽しみにされてそうですね」
「さあ……」
尚輝はしばしぼんやりと、窓の外に顔を向けていた。
「もしかして、あまり帰りたくないとか……?」
いえ、と尚輝は首をふる。
「そんなことはないんですよ。でも帰るたび、親や二番目の姉がうるさくて。いつまで独身でいるつもりだ、とか、男は家庭をもって一人前だとか……そういう話が出るのがちょっとわずらわしいですね。はは、つまらない話ですいません。盆暮れの伝統行事みたいなものです」
俗世を超越しているような尚輝とて、親元にもどれば三十五歳の長男なのである。本人の希望など関係なく、人並みな圧力にもさらされているようだ。
「つまらなくなんてないですよ」
ゆるされるのであれば、と時子は思う。
だったら私が、と言いたい。言いたくてたまらない。
だったら私が、尚輝先生の交際相手としてご挨拶にうかがっても――と。
でも本当に口にすれば、先生は真っ赤になって卒倒してしまうかもしれない。『そ、そんなこと冗談でもいけませんよ……!』などと全力で否定にかかるかもしれない。
いまはまだ私は高校生、尚輝先生は教師ですから。
だからいまはまだ、抑えておきたい。この気持ちを。言葉を。
でも卒業さえしてしまえば。
学校で会えなくなるのは寂しいけれど、ただの十八歳として尚輝先生の前に立てるのなら。
そのときは――。
考えるだけで頬が熱くなってきた。時子は話題を変えることにする。
「ご実家に戻ればまた、ともかさんにも会えますね」
尚輝の姪の名前を出した。顔も性格も、よく似た小学一年生だ。尚輝も彼女のことをとてもかわいがっているのである。すぐに声が柔和になった。
「ええ、ともかさんと会うのは楽しみです。また少し、大きくなっていることでしょうね」
「もしかして、また寝子島に来られるんでしょうか? ともかさんは」
「わかりませんが、機会があれば夏の寝子島を体験してほしいと思います」
夏の寝子島、という言葉が時子の視界をひらいた。
長期休業中は学校がないかもしれないけれど、それなら外で先生と会えばいいじゃないですか。
「夏……ですが、一緒にどこか行きませんか?」
「でも御巫さんは受験勉強が」
「もちろん勉強はします。でも普段から勉強はしていますし、模試なんかの成績もいいんですよ。夏は無理せずペース維持でいきたいと思っています。ですから」
都心から近い観光地、それが寝子島である。大都会ではないがプチ都会ではあるので、この夏はたくさんの映画も公開されるし、各種イベントも盛り沢山だ。
「花火大会やほおずき市も楽しみですね」
と時子が水を向けると、そうですねと尚輝も相づちをうった。
「ふふっ、水着コンテストもあるみたいですよ。新しい水着を買いたいと思ってたんです」
ここで昨年の水着選びの思い出につなげて、胸を高鳴らせながら時子はこう告げる考えだった。
『今年も……一緒に買いに行ってくれますか? 選んでほしいんです。先生に』
と。
昨夏の記憶が時子の脳裏をめぐる。デパートの試着室、狭い空間、ほんのちいさなアクシデントが、ふたりの距離を一気につめた。互いの鼓動が聞こえるくらいの近さで、時子は尚輝とむかいあったのだった。あのとき彼は真っ赤な顔で、何か言おうとしたのではなかったか。結局聞くことはできなかったけれど、今年はつづきを聞けるかもしれない。
ところが水着の話は、予想外の展開を導いた。
「あ、そうだ。水着……僕も買わないと」
「先生もですか」
もしかして、と時子は目を輝かせる。一緒にプールに行きませんかとか、尚輝らしくないかもしれないがそんな誘いが、飛び出るかもと時子が期待したのだ。心のビーチボールがふくらんでいく。
けれどビーチボールはしぼんでしまった。
尚輝の告げたのは、想像だにしていなかった一言だった。
「沖縄に行くので」
「沖縄? 先生のご実家は沖縄でしたっけ?」
「いえ、旅行です。二泊三日の」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年03月21日
参加申し込みの期限
2022年03月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年03月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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