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路地にころんだ、雨水なめた
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【澱の澱】
とうとうと語る男に、
エレノア・エインズワース
の愛想笑いも限界を迎えつつあった。
「ほう、それはそれは興味深い! それで?」
男は平凡な男だった。郊外で家を売るだけのつまらない男。しかし彼の全身は青タンに包帯、ガーゼ、その他あらゆる治療の痕跡で飾られており、客もドン引きだ。それらがエレノアの興味を惹いた。
彼は嬉々として語る、よくぞ聞いてくれました、実は素晴らしい場所がありまして、そこでは日々抑圧される己を思いのまま解放することができるのです、それはもう得難く唯一無二の体験というものでして私もすっかりハマってしまい、いやははおかげで妻子には逃げられてしまいましたしこの仕事も失いそうではありますがねははは、しかしあの場所には代えがたく抗いがたい魅力がおやあなたも興味がおありで、それは良い、ではご案内して差し上げましょういえいえみなまで語るまい実際に見てからのお楽しみというやつですよはっははは。
笑うのだ。
「なるほど、気になりますね。ではお言葉に甘えて、ご一緒させていただきましょうか」
半分は嘘だ。半分は本当だが、多分に社交辞令でもある。とはいえこの場は自身の興味を優先させることとした。
エレノア自身は物事において社会性に意味を見い出さない。しかし彼女の興味は人間そのものにあり、人間の行動とはしばしば社会の情勢に左右され翻弄される。獣と人を隔てるものこそがそれだ。そして目の前の男もまたそれを体現する一人だろう。いかなる理由があっての彼の不条理な言動か、確かめたいという率直な欲求には抗えなかった。エレノアもまた疑問を抱き真実を求む知性ある人間であるからだ。
道中も笑みとウィットなトークを絶やさない彼の話術に内心辟易としながら、案内されたのは夜の暗さが満ちる廃倉庫だった。朽ちかけたような倉庫だが、シャッターの向こうには多数の人の気配があり、火の揺らめく明かりもちらと見えた。
果たしてそこは、地下格闘場とでも呼ぶべき吹き溜まりだった。多くは男だが、少なからず女もいる。いずれも傷だらけ、腕を吊り足を引きずる者もいる。あたりは赤黒い染みがそこかしこに点々と広がり、向こうには焦げ跡もあった。
中央に人だかり。人垣の作るリングの中で、相対する男らが激しい格闘に興じている。殴り合う者、見守るものに共通しているのは彼らの熱狂だ。瞳をぎらつかせ、どいつもこいつも前のめり。
「……はー。つーーーっまんね」
エレノアは落胆を隠さなかった。
「わざわざ案内してもらってどうも、けど期待外れもいいとこ。はあ時間を無駄にしました。帰らせてもらいます」
「……おい。ちょっと待てよ、ねえちゃん」
振り返れば目が据わり眉を吊り上げた男や女がぐるりと、エレノアを取り囲んでいた。
この価値観の相違こそが、彼らと社会の隔絶を示していると言っていい。
エレノアが滑稽に笑うのも、まさにそれだ。
「抑圧された自己の解放? 暴力によって真の己を取り戻す? バーッカバカしい、原始時代ですかお前ら」
かけていた眼鏡がすっ飛んでゆく。もちろん怯まず、かすめた拳を腕ごと絡め取り腰を使って身体を跳ね上げ、力も使わず投げ飛ばし叩きつけた。直下はコンクリートだ、無論相手は起き上がれない。
男物のスーツを着ていて良かった、とエレノアは薄く笑う。飛び入り参加にスカートはいささか不向きだ。
一対多数。清廉にして無垢な夜を冒涜した不埒者を叩き伏せ後悔させようと、怒りをあらわに男も女も迫り来る。エレノアは身につけた柔術でいなす。
見せつけるのは体系付けられた近代的知識、確かな技巧だ。追い詰められた者のハングリー精神も火事場の馬鹿力も、気高き精神性も、彼女は全てを嘲笑う。
「お前らが敵わないこの技術は人の営みやシステムが連綿と築き上げてきた精髄だ。本能に忠実に? 自己を解放する? 敗北者どもが、自分の愚鈍をずいぶんと良いように言うじゃないか、ええ? しょせんお前らは、社会のくびきから逃れられはしないのさ!」
怒号と乱打が降り、ほとんどをエレノアは無効化しすり抜けざまに叩き伏せたが、いくつかをその身に受ける。そこにあるのは純粋な苦悶であり、闘争の歓びなど低次元だとエレノアは断ずる。認めたくない者らの咆哮も矜持の発露も拙い児戯と嘲笑し、実証する。
「結局お前らは、ただのつまらないアドレナリン中毒者に過ぎない。どうせ浸かるなら、オキシトシンにしとけば良かったのにねえ、妻子でも抱き締めりゃ出るだろ、そういうの……ああ」
呆然と見つめる、不動産業のあの男と視線が通った。饒舌に語った彼の世界を否定するたび、踏みつけるたび、エレノアの胸は爽快に踊った。
「お前、もう遅いんだっけ? こんなモンのために全部捨てたんだっけねえ、ご愁傷様!」
雄たけびをあげ掴みかかってきた彼を容易く昏倒させ、踏みにじるエレノアはその時になり、気が付いた。
「お前ら……はん。どぉーーーしょうもねえな。道端に吹くホコリカス、路地裏の小便にも劣る。みっともなく欲情しやがって」
取り囲む者らの、いやに熱を帯びた瞳に。エレノアが与える絶望、嘲笑、それさえも己の愉悦へと変換する、格闘場においても最も凝り固まった類の者たち。
どれだけ痛めつければ、こいつらは折れるだろうか?
「いいでしょう。実験開始といきますか」
牙のごとく歯を剥くエレノアの悦びは凄絶に、幾夜を彩った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年01月21日
参加申し込みの期限
2022年01月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年01月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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