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路地にころんだ、雨水なめた
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【記憶より】
「探してる? 誰を?」
「男を」
そんな話題こそピロートークにはふさわしいとでも思ったか、男は半身を起こして
朝鳥 さゆる
の横顔を見下ろした。名も知らぬ男だ。ことさらに下世話な輩とは思わないが、探られることにいい気はしない。とはいえこれは必要なプロセスだ。さゆるは駆け引きに長けていた。
「何だ、いい男がいるのかい」
「そうね。殺したいほどに」
男は一瞬寝ぼけたような顔を浮かべ、エンドテーブルの煙草とライターに手を伸ばす。
「激しいな。そりゃあいい。あんたみたいな女は、そこがいい。生きるも死ぬも興味ないってツラして、一度くわえこんだら……」
「知ってる? 片篠 藍人」
さゆる流の『駆け引き』が通じないタイプも中にはいる。塵ほども女に主導権を握らせるべきでないとでも言いたげな、自称マッチョな男ども。今夜の相手はその類ではないが、さゆるを軽んじる口ぶりが時おり鼻についた。
問いに、男はしばし呆けたように煙をふかし、やがて頭を探り探りに言った。
「かたしの……かたしの。どっかで……ああ。ファイトクラブか」
「ファイト、何?」
「そこは楽園か掃き溜めかってな。ファイトクラブ、殴り合いのサークル活動さ。馬鹿馬鹿しいと思うだろ? 案外、これがアツくてね。かたしの、そんな名前の男を確か、そこで……」
さゆるの興味はもう男にはなかった。つまらない男、履いて捨てるほどいる凡俗な男。
彼は、藍人は、彼だけは違う。彼こそが男だと、さゆるの信頼は盲目的なまでに加速した。
ファイトクラブにおいて片篠 藍人は芸術家の名で通っていた。絵筆もノミも持たないが、実に効率よく人体を破壊する術を心得ていた。どこで会得したものか、寡黙な彼が語ることはなかったが、何らかの実体験に基づくものであろうことは誰しも感じ取ることができた。
藍人は月に一度か二度現れては、人垣のつくるリングへ飛びこむ。立て続けに数人を殴り、壊す。相手に殴らせることは稀だ。
彼はそれを終始淡々とこなした。口元へ薄い笑みをたたえるばかりで、感情をまるでどこかへ置き忘れてきたかのようだった。
「あんたのファイトが見られるとは、今夜はツイてるぜ」
顔を見せても声をかけられても、一度も口を開かないことさえあった。
「なあ、知ってるか? あんたを探してる女がいるってよ」
そんな彼がぴくりと眉を跳ね上げたのを、声をかけた男は物珍しそうに見返した。
女。このところ毎夜話題に上る新進気鋭、しかしその闘いは狂気と畏怖によってのみ語られる。まるで我が身を刻むような闘いをするという女に、藍人は興味を惹かれたようだった。
数夜の開催を経て、ファイトクラブにて男女は相対した。
さゆると藍人。目を結んでなお互いに名を呼び合ったりはせず、故に互いの関係性について観衆の理解が及ぶことはなかった。
いや。かつて想い合った、あるいは今なお想い合う仲だなどと触れ回ったところで、二人を理解しうる者などいるだろうか。
始まりは右、いきなりの大振りがさゆるの整って美しい顔を歪ませ、潰す。衝撃もお構いなしに繰り出した拳が藍人の顎を打ち、彼は血に混じって奥歯を吐き出した。
およそ殴り合う様など想像もつかない美貌が、破壊されてゆく。衆目へ暗い熱を帯びさせながら、さゆるは頬骨を砕き、藍人は鼻っ柱をへし折る。互いに防御の意思もない。ただ打ち合い壊し合うのみ。
はは、と笑った。うふふ、と微笑んだ。リングを形作る凡庸な者たちはその笑みに気圧され後退るも、あとからあとから人波は押し寄せる。
彼らはその目で二人の笑みが宿す狂気と狂乱を見ただろう、しかしそうだろうか。肋骨ごと臓腑を打ち抜くつもりで繰り出すボディに吹き飛び、コンクリートの床に叩きつけられ肩骨も砕ける。それでも立ち上がり横腹へ一撃叩き込むと続けざま、ハイキックで蹴り倒す。どちらが? どちらもだ。互いが互いを破壊し合うそのやりとりは、二人にとって歪な愛情の交換とは呼べないだろうか。
ファイトクラブの闇へ、人々は多様な理由を携え訪れる。二人がここへ求めたのは、闘争と最も縁遠く、最も近しい愛だったのだと、言えはしないだろうか。
この夜最後に叩きつけた拳はさゆるの片目へ、藍人の側頭部へ致命的な痕を残した。
共倒れとなった後、二人が再び出会うことは二度となかった。
この夜を越える衝撃も熱も快楽もこの世に存在しないと、二人だけが、理解していたから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年01月21日
参加申し込みの期限
2022年01月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年01月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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