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路地にころんだ、雨水なめた
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【本能謳歌】
三人目をコンクリートへ沈めたところで儀式も最高潮へと達する。アドレナリンが駆けめぐり全身を発火させ、肌から立ち上る蒸気は返り血を空気へ還元する。その域に達して初めて、人が根源的に備える獣性が顔を見せ始める。
「はっ。ざまぁ」
三人目が元カレのDV男だったのはまったくの偶然だが、いつかそんなこともあろうかと期待はしていた。始める前こそ息巻いていたが、前歯を三本も飛ばしてやればしおらしくなり、降参を訴える必死の形相へとどめの蹴りを入れたところで絶頂めいた昂揚に包まれた。
与えられる痛みから与える痛みへの転換点の訪れ。こうなるとかつてこの男から与えられた暴力の数々が懐かしくも思える。自分はマゾだったのかと思うもそうではなく、今この瞬間に彼より自身が優位に立ったからだろう。
三折部 朝衣
。お役所勤め。クリーンなイメージとはほど遠いブラックな職場には学歴マウントを取ることしか頭にない生意気な後輩に、ステロタイプなセクハラ中年ハゲオヤジ、妻にも子にも頭が上がらない鬱憤を部下にぶつけることしかできない哀れなパワハラ上司。家に帰ればDV男とフルコース。ジャックポットだ。
自分が壊れてゆくのを自覚しながら、止められない。そういうところでしか働けない人間はいるものだ。だから世は回る。朝衣はことに出来のよい歯車であり、仕事ぶりは真面目で裏表なく利発な公務員なのだ。自分が王族か何かだとでもカン違いしているらしい客たちが感情丸出しにぶつけてくる無理難題に理不尽を、笑顔浮かべて粛々とこなしてゆく。
摩耗すればするほど、反動は恐ろしいまでの衝動となり朝衣の内を荒れ狂うようになった。笑顔を保つので精いっぱい、ミスが多くなりクレームは頻発し、上司やハゲオヤジに付け入る隙を与えることとなる。後輩の嬉しそうな顔といったらなかった。その顔面を拳で撃ち抜き風穴を開けてやる妄想で己を慰めていたところに、ファイトクラブの存在を知った。
「さあ、次は誰? どっからでもかかってきなよ」
言うなり、がつんと後頭部への不意打ち。目玉がぐるりと回るほどの衝撃にも踏み止まり、イイ一発をくれた相手へお礼を返す。血しぶきと汗と唾液が宙を舞い、朝衣の顔を汚した。それがいい。
腹部を打つ。頬骨へヒビを入れてやる。けたぐりよろしく引き倒し、馬乗りになって乱打を降らせる。満たされてゆく。拳から伝わってくる相手の苦悶が、朝衣へ溶けてゆく。
故に思う。
やっぱり暴力は、振るわれるより振るうのがいい。
痛覚には悪魔が宿る。彼を愛おしく感じるようになってからが真髄だ。
ファイトクラブにおいて、
魚塚 源三
は多くの打撃をあえて受け止めてみせた。プロレスのような心意気の賜物かと思えばそうではなく、度を越えてタフな彼の肉体を前にして絶望に染まってゆく相手の顔がたまらないのだ。
「おいおい、それで終わりかぁ? じゃ、今度はこっちから行くぜ? 簡単に壊れんじゃねえぞ!」
素早い手数で攻めるボクサーくずれも、一撃の重さがウリの空手家も、長い蹴りで間合いを制するテコンドーも、関節技であらゆる相手を破壊してきたコマンドサンボ使いも、源三を下すことはできなかった。一因にはコンクリートのリングが、源三の得意とする投げ技の多くを一撃必殺へ昇華したこともあるが、やはり彼の頑強に過ぎる肉体によるところが大きい。実のところろっこんがもたらす超再生能力であったが、源三も対戦相手も、客らもそれに気づくことはなかった。
柔道……そう、かつては真摯に向き合いのめり込んだこともあった。多くの大会を渡り歩き、総なめにし、頂点に立った。しかしそれによって得た富も栄誉も、必ずしも源三の闘争欲を満たしてはくれなかった。
源三を満たすのは闘争、それのみだ。殴打に砕かれ、関節を破壊され、血にまみれぐずぐずとなってもなお立ち、目の前の壁に心へし折られ萎縮してゆく相手を見下す瞬間をたまらなく好んだ。それ無くば生きる価値もない、そう断じて源三は相手のいなくなった表舞台から姿を消し、こうして日の当たらない裏格闘場で思うさま欲求を満たしている。
「次はお前か? おう、腕に自信ありってなツラしてるじゃねえか。そいつが絶望に歪んでくのを見るのが楽しみだぜ」
闘いを。ただひたすらに、無心に、殴り殴られ、投げ壊していたかった。それのみが望み。他に何もいらない。
雨のような乱打が源三を打ち据えるも塵ほども怯まず、決して退くことなく歩み寄り、追い詰め、傷だらけの顔でにんまりと笑う。
「つかまえた」
この夜の相手は特に不運だった。見事な背負い投げに腰椎を砕かれ動くこともままならない身体となり、ベッドに縛られ源三を生涯呪い続けるのみとなった。
源三は満たされたが、闘いへの餓えはすぐにもやってくる。際限なく渇いてゆく。壊す愉しみが、受ける痛みが、狂おしいほど愛おしく思えた。
朝衣と源三が互いに特筆すべき相手だったわけではなかろうが、確かな転換点ではあった。
「そら、もう俺の間合いだぜ?」
迫る源三の手のひらは異様に巨大に見えた。刹那の隙に捕まり、背を床に叩きつけられる。息が詰まり骨が軋んだ。
しかし朝衣も一撃では終わらない。プライドもあったし、殴られたら殴り返さねば、壊されれば壊し返さねば気が済まない。肉体や精神を越えた意地をもって立ち上がる。
「懐かしい痛みをありがとう、でもあたしは、与えられるより与えるのが好きなのよね」
鋭く踏み込み渾身の一発。源三に避けるそぶりはなく、ならばと一、二、三発を立て続けに叩き込む。いいのが入り、鼻っ柱がひしゃげて源三の鼻腔を血が伝う。
に、と壮絶に口元を歪めた源三を見やり、朝衣も彼のタフネスが尋常のものではないと気が付いたろう。しかしこれまでの相手と異なるのは彼女が浮かべた表情には絶望の色も滲まず、源三に劣らず凄絶な笑みだった。
「へえ……姉ちゃん、いい女じゃねえか」
「あらそう?」
「ああ、壊し甲斐があるぜ」
「奇遇ね。あたしもそう思ってたところよ」
二度目の背負い投げで朝衣の肩は砕けたが、片腕となっても繰り出す拳の破壊力は塵ほども劣らない。ボディを打てば源三の臓腑を傷め、その速度は彼の再生の速度を数段上回った。
「ああ。ちくしょう……これだ」
相手が絶望に歪む顔がたまらない? とにかくぶん投げられればいい? 源三は己の誤りを悟った。
「こいつが欲しかった。あんたもそうなんだろう? なあ?」
殴られ、投げ、蹴り砕かれ、押し潰す。相互破壊、そこへ堕ちてゆく自身の暗く甘い絶望、そのための闘争こそが源三を満たした。
その点においては朝衣もまた、源三と感性の近しきを悟った。与えられるより与えるほうがいい……誤りだった。双方に破壊し合うこの痛苦や苦悶、快楽に比べれば一方的な蹂躙など手遊びに等しい。
「悪くないじゃない」
もはや周囲の雑音などまるで消え失せ、目の前の相手の個さえ認識できなくなり、そこにあるのは痛み、痛み、痛みと、野獣めいた闘争欲のみとなった。
「さあ、こっからだぜ。限界まで行こうじゃねえか!」
「望むところよ。ほら、あたしを楽しませてごらんよ!」
源三は最後まで格闘場へ足を運び続けた。しかし投げの切れも自慢の頑強な肉体も衰え、凡庸な相手に打たれるばかり。頭部へ受けた何気ない一打にあっけなくコンクリートへ沈み、立ち上がることはなかったという。
朝衣は今日もベッドへ寝そべり、白い部屋の白い壁を見つめている。時おり両親や弟が見舞いに来るが、反応を示すことは稀だ。しかし瞳の奥に、異様な輝きを見せることがままあった。
きっと今でも心は、あの夜を繰り返しているのだろう。幾度も幾度も。互いを決定的に燃やし尽くした、黒く輝く業火のごときあの夜を。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年01月21日
参加申し込みの期限
2022年01月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年01月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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