ハッピーバースデー！　７月☆｜リアクション

ハッピーバースデー！　７月☆

●Jul.31　ずっと一緒の誕生日

　ついこの前、大学の前期試験が終わり夏休みに突入した。
　高校生の時と違って9月半ばまで休みだ。
　初瀬川理緒はラッキーと思っていたが、その間にグラビアアイドルとしての仕事がある。
　というが、理緒ではなく、この春デビューした最愛の恋人の佐和崎紗月の仕事だが。
「結局、高校生の時とあんまり変わらないのね」
　夏休みだからゆっくりできると思ったのに……とカレンダーを見る。
　今日は紗月19歳の誕生日。
　なりゆきでグラドルデビューを飾った紗月だが、巻頭グラビアが掲載された週刊ヤングニャンプは売り切れ。
　これを機に紗月の人気が急上昇し、単体で特集することになったのだ。

　グラドルは水着グラビアを連想する人が多いようだが実際はそんなことはなく、私服での撮影も多い。
　2日がかりの撮影の最終日、つまり紗月の誕生日は旧市街やシーサイドタウンなどで私服での撮影を。
　紗月はグラドルの仕事で、ずっと撮影中。
　前日は、寝子ヶ浜海岸は海開きで賑わっていることもあり鈴島で水着での撮影。
　今日は旧市街地やシーサイドタウン、星ヶ丘で私服での撮影を。
　理緒と一緒に撮影に臨むことが多いが、今回は初めての単独撮影ということで紗月だけ。
　9月発売の週刊ヤングニャンプで紗月特集をするとのことなので、終始緊張しっぱなしだった。
　水着姿でも私服姿でも、紗月の耳には理緒から誕生日祝いに貰ったカイヤナイトのノンホールピアスがつけられていた。
（まさかあの時、物の弾みでのデビューで人気が出るなんて思わなかったわ）
　3月の撮影が終わったら、一発屋で終わると思っていた。
　それでも理緒と同じ世界に入ったら、一緒にいる時間を増やせるかもしれない。
　理緒と同じ景色を観たり、同じ音を聞いたりして、一緒の記憶にできると思った。
　そうでなければ紗月はきっと、この世界に飛び込まなかった。
　理緒が撮影の間ずっと見守っていたので、大変な撮影も、どうにか頑張れた。

　全ての撮影が無事に済んだのは夕方。真夏の中、何度かクタクタになりながらだったが。
　何度目かの服を着替えた紗月は、暑さでボーッとしていた。
「疲れた……」
　そう思っていると、誰かの手が目を塞いだ。
「な、何！？」
　いきなりだったので、紗月はパニックになりかけた。
「ハッピーバースデー、紗月！」
　いきなり目隠しをしたのは理緒だった。
「……理緒ちゃん？」
　理緒の側には、花束を持った撮影スタッフがいた。
　花束を手渡して「お誕生日おめでとう！」と言ったり、拍手をしたりと盛大に祝った。
（結果的にサプライズを仕掛けた格好になるけど、たまにはいいよね？）
　驚かすつもりはなかったんだけど……と思いつつ、撮影スタッフにお祝いされている紗月を見た理緒は思わず涙ぐんでしまう。
　紗月が泣くとは思わなかったので、やりすぎたかしら……と反省する理緒。
「ごめんなさい、泣かせようと思ってしたんじゃないのよ。紗月をちょっと驚かせたくて……」
　オロオロしながらそう言う理緒に、紗月は嬉しくて……と指で涙を拭う。
「理緒ちゃん、スタッフさん、ありがとう。ちょっと驚いたけど嬉しかったわ」

　その後、理緒と撮影スタッフ達は場所を変え、打ち上げを兼ねた紗月の誕生日会を行った。
　撮影は大変だったが、紗月は大切な人にお祝いしてもらったので疲れが吹き飛んだ。

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あとがき

担当マスター：カターレ
ファンレターはマスターページから！

カターレです。
7月のバースデーシナリオを担当させていただきました。

1年に１度の特別な日の様子をお届けしました。
お誕生日を迎えた方。
お友達のお祝いをした方ともに、素敵な1日であったことと思います。

楽しい時間を書けて幸せでした。
ご参加、ありがとうございました。

（運営部より）
キャラクターの年齢加算は、後日らっかみ！タイムの移行とともに行われます。しばらくお待ちくださいませ。

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