ハッピーバースデー！　７月☆｜リアクション

ハッピーバースデー！　７月☆

●Jul.30　誕生日の朝　初めて２人で

　7月30日は恵御納夏朝と恵御納夏夜の誕生日。
　夏夜は昨年、夏朝の身体の中で誕生日を迎えたので分離してから、初めての誕生日だ。
　猫パペットの付喪神は、たまたま誕生日と被ってしまった霊界のお泊り会で不在。
　他の家族とは、また今度お祝いすることにしたので今日は2人でのんびり。
　去年は両親が星幽塔第一階層の城下街で誕生日のお祝いをしてくれたが、その時はまだ、夏夜は分離していなかった。
　だから、夏朝は、今年は夏夜と一緒に誕生日のお祝いができることがすごく嬉しかった。
（今日は、僕が夏夜ちゃんの誕生日をお祝いしてあげよう）
　そうと決まれば、２人でいろいろお買い物をしよう。

　誕生日だから、ということで小さめのチョコケーキを買うことに。
　その他は夕飯、クッキーといったお菓子等。
「ケーキに立てるろうそくも買おう」
　ろうそくは欠かせないよね、と買おうとしたが、ここで問題発生。
　夏夜が分離してから、２人は双子の姉妹として生活しているのでともに18歳だ。ということは……。
「……１８歳×２人だから36本……？　しまった！　２人分立たない！」
　どうしよう……と真剣に考え込む夏朝。
「……って待て夏朝、36本は多い！」
　どう考えても無理だろう、と夏夜に突っ込まれたことでようやく落ち着いた。
　細いろうそくを買ったとしても、小さめのケーキなので18本は立てられない。
「２人一緒に18本……は皆と祝う時にとっておいて、今回は『１』と『８』を２本ずつ買おう」
　それなら少なくて済むし、ちゃんと立てられるだろう？　と言う夏夜に「……そうしよう」と夏朝は納得した。
　数字のろうそくを買うことが決まったが、何色にするかは決まっていない。
　いろいろ見て、これはどうかな？　と話し合う。
「この色は夏朝に似合いそうだ」
　そう言って夏夜が選んだのは橙色の『１』と赤色の『８』ろうそく。
　常備している猫パペットを連想した色合いだ。
「……夏夜ちゃんに合うのは、この色かな？」
　夏朝が選んだのは青色の『８』と金色の『１』ろうそく。
　夜と月をイメージして選んだのだろうか。
「いい色だね、夏朝。僕のはどうかな？」
「夏夜ちゃんのもいい色だよ」
　早くケーキに立てたいねと話しながら、２人は帰宅した。

　ケーキ等を自室の冷蔵庫に保管した後は外へ遊びに行った。
　誕生日に夏夜と一緒に猫達と過ごせる時間は、夏朝にとって、とても幸せな時間だった。
「可愛い可愛い猫さんまみれー！　にゃー！」
「僕も、夏朝や猫と過ごせるのは……心が和む。猫まみれ……夏には珍しいかもね。にゃー」
　クールさを崩さず猫と戯れているが、夏夜も幸せだった。
　猫達と遊んでいるうちに、すっかり日が暮れてしまった。
「そろそろ帰ろうか」
「そうだね、夏朝」

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