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- 00月00日生 00歳
- AAA000000
寝子島の風にのって、ふわふわわ～
七色の流れ星が空を駆ける。それが合図。
あなたの手の中に、行き先の書かれていない不思議な切符はある？
エノコロ岬の先っぽにいつの間にか現れている駅。そこから宙へ飛び出したふしぎ超特急『七ツ星』は、時空を超え、自由に世界を駆け巡る―――。
「ほうほう。今度の中秋の名月に合わせて、お月様当番も交代なのですか。ウサギさんも大変ですねえ」
車窓に大きな青白い月を映し走り続ける『七ツ星』。そのノスタルジックな内装の客車内で、ふかりとした座席に座りながら薄野 五月はふむふむと頷いた。彼女の話し相手は……隣に座る親友御薗井 Ｅ セレッソ……の膝の上にちんまりいる、可愛らしい白ウサギである。
セレッソは、どこか得意げなウサギを撫でながら、青い瞳をキラキラさせる。その隣で早坂 恩は、恋人の可愛らしい様子に目を細めながら、彼女と自分の間でスヤスヤ寝ているウサギに優しく触れた。
「ウサギさん達が私達のテディベアを気に入ってくれて、良かったわ」
恩の膝の上にはウサギと同じくらいのテディベアがいる。さっきまでウサギはこのテディベアと遊んでいて、そのまま寝てしまったのだ。
「ウサギさんがティノの友達になってくれて、ワタシも嬉しいノ！」
少し頬を桜色に染めセレッソが言えば、五月もにこりと笑った。
アルパカぬいぐるみ片手にウサギと話をしていた五月が、ほう！ と眉を上げ、嬉しそうな顔になった。
「うちの店の蕎麦を食べたいのですか？ いいですよ、今度お届けしますね」
「ワア！ 素敵ね、五月チャン！」
セレッソが手を叩いて喜ぶ。恩もうんうんと頷いた。
「それはいいですね。『月のウサギご用達』と銘打って、月見そばを大々的にプッシュしましょうか、ふっふ」
五月が商売人の顔になる。恩がそっとセレッソに寄り添いながら言った。
「とっても美味しそうね。私達も食べに行っていいかしら？ ね、セレッソちゃん」
「ウン！ 五月チャンのお蕎麦、ワタシも食べたいノ！」
可愛らしい恋人達のお願いに、五月はトンと得意げに胸を叩いた。
「勿論ですとも。『蕎麦屋すすきの』は、いつでも美味しい蕎麦を用意して、皆様をお待ちしています！」
「「ありがとう！」」
息の合った恋人達の声。五月は柔らかく笑った。
「え、何々……お月様にかぐや姫が住んでいるの？ す、凄い！ 凄いよ彰尋くん！」
鴻上 彰尋の膝の上にいるウサギと戯れていた七夜 あおいが、キラキラと瞳を輝かせ顔を上げた。
「へえ、それは確かに凄い……うん、何々」
話を続けたそうなウサギに耳を寄せた彰尋が、お？ という顔をする。ちょっと笑いながらあおいに伝えた。
「あおいさんもかぐや姫と同じくらい綺麗だってさ」
「えー！ ウサギさん、褒めても何も出ないよ？」
言いながらもやはり女の子、嬉しそうなあおいである。しかし彰尋とウサギは微妙な牽制が始まっている。彰尋が眉根を寄せながら再びウサギの言葉を伝えた。
「……良かったら月に住まないか、だって」
「ふふ、ありがとう！ でも、遊びに行くのはいいけど、私達が住むのは寝子島だから。ね、彰尋くん？」
（ウサギは俺の事は誘ってないと思うけど……）
そう思いながらも彰尋はほっとする。あおいには、やっぱり近くにいて笑っていて欲しい。
「―――そうだね、あおいさん」
あおいの返事にしゅんとしてしまったウサギを優しく撫でながら、彰尋は笑顔で答えた。
「先生、懐かれていますねえ」
ウサギを抱いた倉前 七瀬がのんびりと言う。その目の前では恩師ウォルター・Bが肩に乗るウサギと格闘していた。
「先生、それは動物虐待ですよー」
わやわやと言い合いながらも、ようやくウサギはウォルターの腕の中に収まる。ふうと息をついたウォルターが顔を上げ、つと七瀬の若葉色の瞳を見つめた。
「ど、どうしたんですかウォルター先生」
突然の顔の近さにどぎまぎする七瀬。するとウォルターがふわりと笑った。
「いや、倉前ももう大学生なんだと思ってさぁ。僕が寝子島へ来たのもそれくらいだったから」
そうか、あの時の僕と同じくらいかぁ、と感慨深そうなウォルター。七瀬も自分と同じくらいのウォルターを想像すれば、何だかドキドキしてしまった。
「まあ今年は無理だけど、飲める歳になったら一緒に酒でも飲もうか。月見酒なんて粋だよねぇ」
車窓の大きな月を眺めていたウォルターが、七瀬に振り向き微笑む。七瀬は大きく大きく頷いた。
「はい、はい！ 是非！」
月光が、仲良く並ぶ２人を照らす。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2021年12月10日
- 参加申し込みの期限
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- 2021年12月17日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2021年12月17日 11時00分
