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枯れ木も花咲く寝子島で
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【九夜山、花盛り】
なによりも大切なのは、愛娘と過ごす時間。学業と子育てを両立する苦労に追われる
梓 智依子
ですけれど、なににも代えがたいこの時間と、娘の……そうなによりも、楓のこの笑顔のためならば。
智依子の行動原理とはつまるところそれに尽きました。
「ママ、ママ! ろーぷうぇー、すごいね! たかい!」
「そうね。ほら、こうしたらもっとよく見えるでしょ?」
「わあ!」
まだまだ軽くて小さい娘のつもりで抱き上げると、日々の成長をずしりと腕に感じます。いつまでこうしてあげられるだろう。そう考えると寂しくも嬉しくて、今さらながらに親になることの重さと喜びを実感します。
そんなわけで今日は、親子連れで九夜山散策です。
斜面を登るロープウェーには梓親子に加え、数人のお客が乗り込んでいます。まだピークには少し早い時間で、空いているのは幸運でした。利用客でみっちりな中、暴れまわる我が子をおさえこむひと仕事を想像して、智依子はほっと安堵。
「はな! おはな!」
「うん、すごいわねー」
それにしても寝子島という場所は、子育てにはうってつけの場所かもしれません。なにしろ次から次へと、子どもの興味を誘うような珍現象が起こりまくるのですから。今日などは寝子島中に花という花が咲き乱れ、実に賑やか。華やかです。楓も朝から興奮することしきりで、もういてもたってもいられないといった様子です。
まあ、ちょっと元気すぎるかも? 智依子が大人しくさせるのに苦労するくらい、楓はいつもより元気充填120%! てな感じでありました。
「あ! ママ、おろして! おろしてー!」
「あ、うん。なあに?」
「しっぽ!」
智依子はこてん、と首を傾げました。
てててと小走り、せまいロープウェーの中で楓が駆け寄ったのは、
「おにいちゃん、しっぽある?」
「ん?」
やけに時代がかった服を着て、それでいて白・黒・茶色のまだら髪がオシャレな、青年でした。
「ママ、しっぽ!」
「す、すみません娘が……」
と頭を下げて恐縮しながらも、楓がしきりに指すところをちらと見てみると、確かに。
ぴこ、ぴこん。青年のおしりに、先の割れた猫しっぽ……どころかよくよく見れば、彼の頭には猫耳までもぴんと生えているではありませんか。
「ははは、気にしなくていいさ」
青年、
三毛谷 道哉
はけろりとして言うと、楓の頭にぽむっと手を乗せ、言いました。
「猫のこすぷれ、似合うだろう?」
「?? ママ、こすぷれってなに?」
「ええと……」
にんまり笑う彼に、楓にぐいぐい袖を引っ張られながら、智依子はやっぱり首を傾けます。
ねこみみねこしっぽがまるで生きているみたいにぴこぴこ動くその仕組み、どうなってるんだろう?
「おや、桜餡のたい焼きとな。ひとついただけるかい? 熱いお茶もね」
山頂にて。道哉は和菓子とお茶でほうっとひと息。地元の和菓子屋さんが急遽出店しているとかで、桜並木に春めく九夜山にぴったりな桜メニューが、寝子島の突拍子もない気候や現象をあらためて教えてくれました。
「春……だけじゃない、夏も秋も咲き乱れじゃないか。まったくおかしなところだね」
「お客さん、寝子島は初めてですか? ええ、たまーにね、こういうことがあるんですよ」
なんて和菓子屋さんのスタッフが、くすりと笑って教えてくれました。どうやらこんな珍現象には慣れっこな様子です。
「寝子島の人は、みんなそうなのかい」
「いやあ、どうだろ? 自然と受け入れちゃうっていうか。でも、まったく気づかないって人もいますよ」
「それはまた。面白いねえ」
そもそもは天から落っこちてきた親子が発端だと聞いてはいるけれど、これほどまでとは。道哉は思わずごろりとうなりました。
たい焼きをほおばり、お茶をひと口すすり、ゆったりと流れる雲を眺めて、山頂付近の花々へと目をやります。
「向日葵、水蓮。桜に梅。菊に孔雀草。……たんぽぽ、か」
可憐な花々の中にちょこんと花弁を風に揺らす、たんぽぽの黄色が目につきました。
自然、ふと目を伏せた道哉のまぶたの裏には、かつて見たたんぽぽの鮮やかな色と、寒さとあたたかさの記憶が蘇ってきます。
道哉は、あやかしです。いわゆる猫又です。
あやかしに変ずるずっと前。初めて野良猫として経験した、あの極寒。食べ物もとぼしく、飢え死に野垂れ死にと隣り合わせに過ごした冬。
日々を必死に耐え忍び、もう一歩も動けず目もよく見えない、そんな極限状態でおぼろげに目にした、一輪のたんぽぽ。冬の終わりを告げる、穏やかな春の使者。
「毎年、春の初めに見つける最初のたんぽぽが、ひどくまぶしく見えたもんだ。嬉しかったなあ」
たい焼きとお茶のお代にお礼を残して、道哉は歩き出します。
山頂にくねる道の脇に、たんぽぽ畑といってもいいくらい、黄色がわんさと集まる一角を見つけると、道哉はたまらず歩み寄り、膝を落とします。
「あ。思いだした」
そういえば、猫又になってすぐの頃だったか、花冠を作ってみたことがありました。人に変化して、人の手で一輪一輪丁寧に編み込んだ、いびつながらも素敵な花冠でした。
「若気の至りだったな……」
今考えれば、青年の姿でせっせとたんぽぽを摘み花冠を作る姿はいかがなものかと、まあ思わないでもありません。
「……また作ってみるか」
なんとなく興が乗ったか、あの日を懐かしむように、道哉の手は花冠を編み始めます。
「これこそ若気の至りか。ま、しかし、遊び心を失くしてしまうのもね。私らしくはないか」
しばし没頭し、やがて陽気にうとうとして、花畑の脇の芝生に横になる彼の頭の上には黄色の花冠が、ちょこん。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
コメディ
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年10月20日
参加申し込みの期限
2021年10月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年10月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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