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連なる鳥居の、その先は
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城山 水樹
と
ヒュー・ヒューバート
は恋人らしく手を繋いで歩いていた。どちらもパンツルックで行き先の無い散歩を楽しむ。
二人は目抜き通りを抜けて閑静な住宅街に入った。
「誰もいないみたいに静かね」
「日曜日だから買い物かな」
言いながら歩いていると小さな公園が前方に見えてきた。二人は同時に目を留めた。
「あれって鳥居よね?」
「公園に鳥居か」
二人は公園の中に入る。砂場やブランコを無視して赤い鳥居の前に立った。
「普通の鳥居なんだけど。どうして公園にあるのかな」
「わからない。近くに社はないようだ」
ヒューは周囲を見て言った。
「ご利益があるかもしれないし、潜ってみる?」
「二人で潜ろう」
手を握って見つめ合う。二人は柔らかい笑みを浮かべて揃って踏み出した。
赤い鳥居の連なりが方々に広がる。道として機能しているようで人影が吸い込まれるように入っていく。
水樹は驚きながらも全体を眺める。
「京都の千本鳥居みたいだけど、違うよね? ここはどこなんだろう」
後ろを振り返ると古い作りの駅舎があった。数回、強い瞬きをした。
「寝子電にこんな駅はないんだけど。『銀朱駅』も初めて見るわ」
口にして怖くなったのか。水樹はヒューと肩が触れ合うくらいに近づいた。
「僕がいる」
ヒューが耳元で囁くと水樹の表情が明るくなった。
「そこの素敵なお二人さん、少しよろしいですか」
話し掛けてきた相手は中年男性だった。丸顔と垂れ目に愛嬌がある。大きく迫り出した腹のせいでシャツには深い皺が寄っていた。
不信感を露にした水樹が顔を突き出す。
「誰よ」
「しがない両替屋です。霊界の銀朱駅周辺は古い地域なので古銭が喜ばれます。持っていますか?」
「霊界って。まあ、私はないわ。ヒューはどう?」
「僕も同じだ。では、五千円分、古銭に両替をお願いできるか」
「もちろんです。多少の手数料はいただきますが」
口頭で商談は成立した。受け取った古銭を見て二人は、これが、と関心を寄せる。その合間に両替屋は他の客を見つけて小走りで向かう。
やや呆れた顔で水樹が言った。
「商魂たくましいわね」
「でも、助かったよ」
ヒューは財布に古銭を収める。
「行こうか」
「そうね。あの道で」
二人は一本の道を選んだ。水樹は歩きながら鳥居を数える。百を超えた辺りで適当になった。
「全く、幾つあるのよ」
「凄い数だ」
繋いだ手をブラブラさせて歩いてゆく。
鳥居の終わりが見える。二人の速度が少し上がった。
同時に広い場所に踏み出した。
「何匹いるのよ」
水樹は鳥居の時のように少しげんなりした。
「また人間にゃ」
「今度はつがいにゃ」
二人を見た猫達は駆け寄って、撫でるにゃ、と頭を突き出した。言われる通り、水樹がしゃがんで撫でた。
「見た目は猫なのに喋れるのね」
「当たり前にゃ。猫は喋るにゃ」
「常識にゃ。お腹を撫でるにゃ」
ふくよかな白猫が仰向けになった。水樹の代わりにヒューが撫でる。
「なかなかの男前にゃ」
「ありがとう」
猫に褒められた経験がないのか。ヒューは微妙な笑みを浮かべた。
二人の近くにはたくさんの猫がいた。
その中に猫の家族がいた。大きな二匹の親猫の周りを小さな子猫達が元気に走り回る。興奮が高まると掴み掛かってじゃれ合った。
二匹の親猫は穏やかな状態で子猫達を見守る。立てた尻尾を絡ませて、まるで手を繋いでいるようだった。
目にした水樹の顔が優しくなる。
「夫婦になっても恋人みたいね」
「僕達も、いや、なんでもない」
ヒューは水樹の目を避けて他所を向いた。
「あれは……」
見た目は三毛猫。半透明でゆらゆらと揺れている。
目は別の物を捉えた。両目がボタンで二足歩行をしていた。猫の縫いぐるみに宿った付喪神のようだった。
「ヒュー、どうかしたの?」
「霊界らしい猫がいる」
「あっちにも尻尾が二つの猫がいるわ」
水樹が指差す方向に猫又がいた。よく見ると尻尾が三本や四本の猫までいた。
「驚く方がおかしいのか」
「そうみたいね」
水樹は笑って猫達の頭を撫でた。
二人はほのぼのとした時間を過ごした。最後は猫達に手を振って別れ、新たな鳥居の道へと踏み出した。
延々と階段の上りが続く。水樹は歩きながら太腿を触った。
「余計な筋肉が付きそう」
「この階段はいつまで続くのか」
言いながらヒューは腹部に手を当てた。横目にした水樹が不安を表情に滲ませる。
「もしかして腹痛?」
「……お腹が空いて」
「言われてみれば私も空いているかも。でも、この先に店があるとは限らないよね」
「あると思って頑張ろう」
ヒューは儚い笑みを見せた。
「あったよ」
一番、驚いたのはヒューであった。水樹も隣で目を丸くした。
二人が店の前にいると賑やかな声が聞こえてきた。
水樹が握っていた手を振った。
「人気店みたい。これなら味の方も期待していいよね」
「そうだね。あと両替屋で古銭に替えて貰って正解だったよ」
共に笑顔となり、引き戸を開けて店内に入っていった。
賑やかな声がぴたりと止まる。全員が二人に注目した。
「雰囲気のある、良いお店ですね」
水樹は優しい笑みを振り撒いて場を和ませる。賑やかな会話が戻るとカウンター席に落ち着いた。
立て掛けてあったメニューを開いて二人で覗き込む。
水樹が声を抑えて言った。
「……人魂ステーキって、どう思う?」
「味が想像できない。この目玉のソルベはデザートだと思うが、味が……」
二人は顔を突き合わせて密やかな相談を重ねる。
「ご注文はお決まりでしょうか」
ろくろ首のウェイトレスが首を伸ばして聞いてきた。
水樹はやや強張った笑顔で言った。
「個性的なメニューが多くて」
「あやかし専門点ではありませんが、味には自信があります」
「オイラの腕を信じな」
白い割烹着に身を包んだ一つ目小僧が口端を吊り上げた。
「オススメはどれになりますか」
ヒューはろくろ首に聞いた。
「それでしたら『地獄蟹定食』と『魔草炒め定食』はいかがでしょうか」
「それでいいです」
水樹は朗らかに答えた。
「少々、お待ちください」
ろくろ首は二人の前に水の入ったコップを置いた。
水樹は軽く水を飲んだ。急に笑みを浮かべてヒューに顔を寄せた。
「出来上がりが楽しみだね」
「確かに」
一つ目小僧は大きな鉄鍋に食材を入れて豪快に揺する。漂ってきた香ばしい匂いに二人は切なそうな表情となった。
手早い調理で、ほぼ同時に定食が完成した。『魔草炒め定食』は水樹が受け取った。ヒューは『地獄蟹定食』となった。巨大な蟹の甲羅を器にして料理が詰め込まれていた。
「香油と磯の香りが食欲をそそられる」
「私の魔草はミント系の香りがするわ。肉厚で牛肉にも見える。不思議な食べ物ね」
割り箸で摘まんで見せた。その動きが止まる。
店内の静けさに気付いた水樹は他のテーブル席に目を向けた。すると視線が合った。食べる瞬間を客達は待ち侘びているようだった。
「なんだろう」
不思議に思いながらも二人は食べ始める。
「この魔草、肉厚で噛むと甘い脂が口に広がって美味しいわ」
「蟹は味が濃厚で口の中で蕩ける。ご飯が味だ」
一斉に拍手が送られた。
「人間の口に合って良かったぜ」
烏天狗は長い鼻を揺すって喜んだ。
ろくろ首は厨房に向かって声を掛ける。
「さすがですね」
「オイラの霊界一の料理人だからな」
「すぐ調子に乗るんだから」
白装束に身を包んだ女幽霊が甘ったるい声で艶然と笑う。
一気に場は盛り上がり、二人を巻き込む形で賑やかな食事となった。
古銭で支払いを済ませると、二人は揃って店を出た。
気が付くと二人はテーブルに突っ伏していた。逸早く目覚めたヒューはぼんやりした目で周囲を眺める。
「ここは僕の……」
木天蓼市内のヒューのアパートだった。
「夢なのか?」
側には水樹の姿もあった。寝言で、美味しいね、と口にした。
未だヒューは気付いていない。財布には使い切れなかった古銭が入っていることに――。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
神話・伝説
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年10月11日
参加申し込みの期限
2021年10月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年10月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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