その日、寝子島に朱色の鳥居が忽然と現れた。寺社仏閣の関係を無視して、かなり偏ったところに佇む。
誰も入り込まないような袋小路の先にポツンと立つ。遊具のない小さな公園の端にも出現した。ひっそりと隠れている訳ではなく、寝子ヶ浜海岸の波打ち際の鳥居は多くの人の目を集めた。
関心を寄せた人々が足を止めた。鳥居の全体を眺めてから近づく。材質を確かめるように柱に触れた。軽く叩いたあと、全力で押してみるがびくともしない。
不思議に思いながら鳥居を潜ると一瞬で姿が消えた。この世とあの世の境界を易々と超えるのだった。
霊界に踏み込んだ人々は目の前の景色に圧倒される。無数の鳥居が何本もの道を覆い、ヤマタノオロチの首のようにうねりながら広がっていた。
後ろを見ると古めかしい駅舎があり、
銀朱(ぎんしゅ)駅の名が付けられていた。
目は前後で迷い、やがて決断の時を迎える。鳥居の先にあるものは果たして――。
今回のシナリオは霊界線の銀朱(ぎんしゅ)駅周辺の話になります。
前回の浅縹(あさはなだ)駅と同じで詳しい内容は伝わっていません。
鳥居に囲まれた道が複数あることはわかっています。ですが、その道の先にあるものは不明となっています。
詳しい内容は下記をご覧ください。
十十十 今回の舞台 十十十
寝子島に朱色の鳥居が出現した(複数)。判明している場所は「袋小路、小さな公園、寝子ヶ浜海岸」の三箇所。
それ以外のところでも見つかる可能性はある(アクション次第)。個々の鳥居は潜ることで霊界に取り込まれる。
帰還の方法はアクションに左右されるが、現実世界の一日の経過で任意の場所へと戻る(自宅、鳥居など)。
十十十 駅の周辺 十十十
鳥居に覆われた複数の道が存在する。駅前から道の先を見ることはできない。
飛行が可能であったとしても、延々と続く状態が見えるだけで行き着く先は不明となっている。
日本古来のあやかしの力が関与していると思われる。ただし現段階では何もわかっていない。
十十十 行き着く先 十十十
彷徨える定食屋(原案、光村 日向さん)
通り名が示すように神出鬼没の店となっている。木造の建物で外観は地味な印象を受ける。
店内はカウンター席とテーブル席があり、そこそこの客で賑わっている。
訪れた客があやかしであれば、普通に料理を注文してすんなり食べることができる。
人間の場合、急に静かになる。他の客達は食べる瞬間をそれとなく見守る。料理が届いていながら口を付けないと、
催促するように勧めてくる。食べることで何が起きるのかは噂としても伝わっていない(アクション次第)。
願望を見せる湖(原案、夏風 遥さん)
鏡面のように美しい湖を覗き込むと、心の中に秘めていた願望を湖面に映し出す。
無くした物を見つける一助になるかもしれない。望めば自身の前世の姿を目にすることもできる。
未来は確定していないこともあってはっきりしない。自身の死に関してもぼんやりしている(アクション次第)。
PLのアクション
参加したPCに相応しい場所を自身で決める。
あらゆる筐体を揃えた大型ゲームセンター。懐かしいゲームも残されていてどの世代であっても楽しめる。
猫好きには堪らない猫の聖地にはありとあらゆる種類の猫がいる。とても人懐っこく、一日、猫に塗れて過ごす。
海洋生物が好きならば海を用意してイルカやアザラシと一緒に泳いで戯れても構わない。
十十十 N P C 十十十(原案、鏨 紫さん)
駅の周辺にいる、丸顔で垂れ目の中年男性。白いシャツは膨れた腹でボタンが吹き飛びそうになっている。
人を見つけると気さくに声を掛けてくる。相手に不信感を抱かれる前に両替屋であると身元を明かす。
実はタヌキが人間に化けていて色々な通貨に両替をしてくれる。もちろん、商売なので少々の手数料は取られる。
「古いあやかしには古銭が好まれる、今時の若者には日本貨幣で、あそこの連中は物々交換が主流だ」等、
のんびりした見た目と違って情報通でもある。名前はあるらしいが、馴染み客からはポンの愛称で呼ばれている。
説明は以上になります。
銀朱(ぎんしゅ)駅周辺は特殊な力が作用しています。
同じ道を歩けば、必ず同じところに行き着くとは限りません。
訪れた者の想いで行き先は変わり、道は無限に広がってゆきます。
古いあやかしが多く住む地域なので「ろくろ首、河童、一つ目小僧」に出会えるかもしれませんね。
皆様のご参加、首を長くしてお待ちしています(にょろにょろ~)。