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霊界の山間部に
片夏村
(ひらなつむら)があった。鄙びた感じではなく、温泉と観光で賑わう。住人の八割が狐のあやかしで片夏(へんげ)家が村長を務めていた。
その屋敷から
片夏 阿呂江
が着物姿で現れた。黄色いおかっぱから二つの耳が飛び出している。ふさふさとした複数の尻尾を広げた。
「今日の霊界の風は機嫌がよいのう」
静々と歩いて門を抜けた。ふと足を止めて銀朱駅の方向を見やる。
「少し足を伸ばしてみてもよいのじゃ」
はしゃぐ子狐達を横目で見ながら歩を進めた。
黒猫を模したパーカー姿の
アイオ・キャンドライト
がランニングに励む。信号の少ない道を選び、寝子ヶ浜海岸を目指す。
海の匂いが強くなる。アイオは腕を大きく振って速度を上げた。手前の信号が点滅を始める。切り替わる前に渡り切った。
防風林の向こうに輝く砂浜が見える。
「妙な物がありますの」
青い目で見ながら斜面を駆け下りる。砂浜を速足で歩き、立ち止まった。
目前の赤い鳥居は砂浜で傾ぐことなく、どっしりと構えていた。アイオは柱の部分に触れて前傾姿勢となった。
「動かないのですわ」
姿勢を戻し、柱の周りを歩く。潜った瞬間、アイオは忽然と姿を消した。
世界が一変した。
きょとんとしたアイオは、え、と短い声で我に返って周囲を見回す。
古めかしい駅舎は『銀朱駅』と書かれていた。遠方を見るような目となって小首を傾げる。
「見たことも、聞いたこともない駅ですわ」
「そこにおるのは……猫か!?」
「猫ではなくて猫獣人のほしびとですわ!」
怒鳴るようにして振り返ると阿呂江が赤い目を細めて近づいてきた。
「寝子島で迷子になったアロエですわ!」
「今はお前が迷子なのであろう。ここは霊界じゃからの」
「そうですわ! 前はアイオが案内したので、今回はアロエにガイド役をして欲しいのですわ」
アイオは目を輝かせて言った。阿呂江は満更でもない様子で尻尾を揺らす。
「これも何かの縁と思って引き受けてやろう。それに今日は日和がよく、上手くいけば湖に辿り着けるじゃろうて」
「湖ですか? 自然に溢れていれば見る価値はあると思いますが、珍しくはないので期待薄ですわ」
「ただの湖ではないからの。儂が進む道を選んでやろう」
頭から突き出た耳を動かし、あちらかの、と一本の道に顔をやる。滑らかな動作で歩き始めた。
「少し興味が湧いてきたのですわ」
アイオはいそいそと付いていった。
鳥居で覆われた道を上る。急角度で曲がり、緩やかに下る。再び上り、不規則な蛇行を繰り返した。
阿呂江は尻尾を振りながら歩を進める。アイオは周囲を見ながら、まだですの? と声を掛けた。
「運がよければそろそろじゃな」
「どういうことですの?」
「儂にも原理はわからんのじゃが、この辺りの道は行き先が決まっておらんのでな。直感で選んだが、さてどうなるかのう」
どこか楽しげにも聞こえる。アイオは尻尾を見ながら言った。
「アイオを化かすつもりなのでは……狐だけに」
「化け猫のお前が、それを言うとはな」
「だから猫獣人のほしびとですわ!」
笑いを含んだ声にすかさず反論した。
「湖に着けたようじゃな」
「本当ですの!?」
アイオは阿呂江を追い抜いた。眼前に広がる湖に息を呑んだ。
「これが湖、ですの? まるで大きな鏡を見ているようですわ……」
「誰が名付けたのかは知らぬが『願望を見せる湖』と言われておる」
阿呂江はアイオの横に並んだ。赤い瞳で湖面を眺めていた。
「アイオの願望は、あいおシスターズでドームライブをやることですわ」
「ほう、それなら湖面を見れば、その様子が映し出されるであろうな」
「熱狂的なファンがペンライトを振って応援してくれるのですわ。一体化となって歌って踊るステージはとても華やかで夢のような時間を与えるのですわ」
アイオは言いながら湖へと近づいていく。阿呂江は優し気な眼差しを向けた。
「儂はここで見守っていてやろう。そうそう、あまり夢中になるでないぞ。湖に魅入られて大変な目に遭った者もおるのでな」
「わかったのですわ」
アイオは振り返らないで答えた。
水際で立ち止まり、前屈みとなった。青い瞳を見開いて湖面を見詰めた。
「……何か見えてきたのですわ。ライブ会場……とは違いますわ。ここは……」
木製の家具が品よく並ぶ。小さな丸いテーブルにはティーカップが置かれ、白い湯気をくゆらせる。近くの揺り椅子には大柄な猫獣人が座り、優し気な顔で前後に揺れていた。
そこに別の小柄な猫獣人が小走りで現れた。両耳が垂れていて人懐っこい笑みを覗き込むアイオに向けた。
「お父様、それにお母様……」
潤む目で深々と頭を下げる。二人の顔が近くなり、アイオ、と呼び掛ける口の動きまではっきり見えた。
「……ここですわ。アイオは、ここに」
上体が傾き、不安定な状態で揺れ始める。目にした阿呂江は厳しい顔で飛び出した。
「馬鹿者が! 湖に引き摺り込まれるではないか!」
後ろから抱き着き、強引に引き戻す。
「泣いておるのか」
「生き別れとなった……両親が、映っていたのですわ」
「お前にも、そのような過去があったのじゃな。いや、すまなかった。少し口調がきつくなってしまったのう」
阿呂江はアイオの背中を優しく摩る。頬を流れる涙は尻尾の先で、そっと拭った。
「この湖自体に悪意はないのじゃろうが、以前にのう、あやかしの男が湖に飛び込んで溺れかけた騒ぎがあったのじゃ。話を聞けば湖面に先立たれた妻と娘の姿が浮かんだそうじゃ。男は自分が生み出した願望に一瞬で囚われてしまったのじゃな」
「……その気持ち、アイオにはよくわかるのですわ」
ぽつりと口にした。
「誰が言い出したのか。そのような状態を『湖に魅入られる』と呼ぶようになったのじゃ。お前は大丈夫かの」
「もう平気ですわ。アイオの、もう一つの夢を久しぶりに思い出せてよかったのですわ」
「少し冷や冷やしたが、案内した甲斐はあったようじゃな」
「他にもオススメのスポットがあるのなら案内して欲しいのですわ」
少し赤くなった目で笑う。
「それなら花見はどうじゃ。陽気な連中が、連日、楽しんでおるぞ」
「今は桜の季節と違うのですわ」
「季節は関係ないのじゃ。万年桜と呼ばれていて何年も咲き続けているのじゃ。そのような木が何本もあるおかげで、花見の季節が終わることはないのじゃ」
「見てみたいのですわ!」
アイオは笑顔で飛び跳ねる。
「では、行ってみるかの」
微笑みを浮かべた阿呂江が手を差し出す。アイオは屈託のない笑顔で握る。
二人は手を繋ぎ、鳥居に覆われた道を引き返していった。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
神話・伝説
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年10月11日
参加申し込みの期限
2021年10月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年10月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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