【創立記念】マスカレード☆トリエンナーレ！｜リアクション

【創立記念】マスカレード☆トリエンナーレ！

●結果発表

　校内放送を聞いたトリエンナーレ出場者。結果が気になる観客が行動に集まった。
　出場者は、ドキドキしながら結果発表を待つ。
「たいへん長らくお待たせしました。ねここー賞を発表します！　ねここー賞は……」
　バニーガール姿の青山絢が受賞者を発表しようとしたところ、どこからか男の高笑いが。
「え？　な、何！？」
　こんな演出、聞いてないわ！　とビックリ！
　高笑いが聞こえなくなると暗幕をマント代わりにし、ド派手なカラーリングのバタフライマスクで素顔を隠した男性が現れた。
　姿を現したかとおもいきや、堂々とキャットウォークの中央に向かい歩き出した。
　誰だか知らないけど乱入は困るわ、と絢は男性に駆け寄る。
「乱入は困ります！　ご退場ください！」
　絢と実行委員が退場させようとしたところ、男性はバタフライマスクを外し、纏っていた暗幕を放り投げた。
　男性の正体は、審査委員の野々ととお理事長だった。
　絢に「マイク貸して」というと、講堂にいる人々に突然登場したことを謝罪。
「皆、驚かせてすまなかったね。面白そうだったんで、私も仮装してみたよ」
　楽しんでいただけたかな？　と笑う理事長に、観客は拍手を。
「どの出場者も個性的、工夫を凝らした仮装だった。そういうこともあり、投票数が分かれていてね……」
　コホン、と咳払いした後、そこで、とある発表を。
「ねここー賞の他に四つの賞を用意したよ。本音を言うと皆にねここー賞をあげたいんだけど、そうはいかないからね」
　マイクを絢に返すと、結果発表、頼んだよと後を任せた。
「理事長が仮装して登場のサプライズでしたー！」
　こういうことは前もって言ってほしかったわと思いつつ、場を盛り上げた絢は顔は笑っているものも内心ビクビクだった。

　ねここー賞発表の前に、審査員が作った賞の発表を。
「審査員の提案で急遽作られたのは仮面賞、仮装賞、ねこじま賞、幻装賞の四つです。幻装賞は、幻想と仮装を組み合わせたネーミングだそうです」
　メモを開き、結果を確認してから最初の受賞者を発表。
「まずは、仮面賞受賞者の発表です」

　

仮面賞、万条幸次さん！

　

「お、俺ぇ？」
　結果を聞いた幸次は、受賞したんだねぇと驚いた。
「猫っぽい仮装と紳士的な仕草、正義のヒーローな口上、良かったわよ♪」
　フジコ先生のコメントが終わると、衣装を作ってくれた母と投票してくれた人達に幸次は感謝した。

　

仮装賞、高梨彩葉さん！

「私が受賞したんだね。やったー！」
　出場した時と変わらない笑顔で、彩葉は受賞したことに大喜び。
「可愛い仮装とお菓子がとっても良かったわ。あたしもお菓子、欲しかったな……」
　もらえなかったことを残念がる相原まゆ先生。
「相原先生らしいわね。私は、明るく元気な魔女っ娘に元気を分けてもらったような気分になったわー」
　そうコメントする久保田美和先生は、恋人がいるなんて……と心の中で羨ましがる。

「続きまして、ねこじま賞の発表です。この賞は、寝子高生以外の出場者に与えられる賞です」
　絢の言葉に、寝子高生以外の出場者はドキドキする。

ねこじま賞、鏨紫さん！

「僕がかい？　嬉しいね」
　出場時は布を胸から腰にかけて巻いてスケベティックインナースタイルだったが、今は馴染んだ普段着に着替えている。
　今の服装が動きやすい、という理由で。
　霊界に帰ったら、同居人にこのことを報告しよう。どういう反応を示すか楽しみだと紫はクスリと笑う。
「和服とミイラという組み合わせは思いつかなかったわ。和洋折衷といったところね。マミーは英語で、ポルトガル語ではミイラというのよ」
　言語が違うだけで、中身は同じなのよとフジコ先生がコメントの後に説明する。
　フジコ先生の解説に、世界によって異なることを知った紫は良い勉強になったと思った。

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