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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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猫鳴館、自治会長選任戦1371～ボロボロボをぶっ壊せ！
●ボロボロボ１号戦：恵御納チーム
ひゅぅぅぅぅぅぅっ！
双子風に二つの頭と四本の手をもつ赤い機体、ボロボロボ１号との戦いは、ペットボトルロケットによる風を切る高い音で開幕した。
――狙うのは歩いているときの軸足よ。
神野 美野梨は言葉通り、ペットボトルロケットで執拗に軸足を狙ってゆく。
ボロボロボ１号は五月蠅い虫を追い払うかの如く錆びだらけの腕を振るう。
ぶつかった部分の装甲に窪みが出来るが、致命傷にはまだ浅い。
サキリ・デイジーカッターは木陰に隠れて待ち伏せしていた。手にはロープを握っている。ロープの反対側は木の幹に結び付けられており、木の葉等をかけて偽装してあった。ロボが通りがかった所でロープを引き足を引っ掛けて転ばせる肚だ。だから、まだサキリは出られない。
サキリが目配せした先にいたのは、大将たる恵御納 夏夜であった。
「僕が……引き付ける！」
夏夜は単身、ボロボロボ１号の方へ飛び出した。
ボロボロボ１号が味方へ向かわぬように誘導したい。味方の射線をふさがぬよう気を付けつつ接近し、自ら囮になる。それが夏夜の選択であった。
ペットボトルロケットが軸足に派手に着弾した。
「ナイスタイミング」
夏夜は呼応し、同じ軸足にパイプレンチで打撃を入れる。
１号の軸足を出すリズムが崩れた。バランスを崩して倒れるかと思った刹那、機体が光り、動きが早くなる。時間にして約３秒。錆びた１号は火事場のバカ力的速度で動いた。軸足とは逆の脚が繰り出され、機体はバランスを保った上に、取りついていた夏夜を蹴って剥がすことにも成功する。
「くっ」
夏夜は地面に転がってダメージを逃がした。
「ピンチになると光って高速になるのか……」
けれどその後の様子がおかしい。
そのまま、夏夜にとどめを刺すことも可能だったはずなのに、動きがぎこちなくなっている。
「そうか。高速化したあとは反動があるんだ」
ボロボロボ１号はぎこちない動きのままサキリが潜んでいる方へ進んでいく。
「――今だ！」
サキリがロープを引き上げた。
回復しきっていないボロボロボ１号は、避けることができずにバランスを崩した。
「倒れるわ！」
――バランスさえ崩せれば、分解することは難しくないわ。ロボットを作るのはとても大変なのよ。絶妙なバランスで動いているのだから、ちょっとしたことで動かなくなるでしょう。
美野梨は事前にそう予測し、サキリや夏夜に話していた。
満を持してサキリが飛び出す。
「光って３秒加速で駆動部にガタがくる構造なら、むしろ沢山光らせた方が早く倒せる」
高く飛んで軸足に巨大なパイプレンチで重い打撃を振り下ろす！
関節部が歪んで曲がった。
「その脚でもう一度立つのは至難の業だろうね」
パイプレンチをその一撃で捨てるところがサキリの戦闘センスの良さであった。
ロボの背中に組み付き、ナイフを関節部に突き立てる。関節部は曲がらせるために柔らかくある必要があり、装甲で守りにくい場所だからだ。実際、ボロボロボ１号の関節部も蛇腹の薄い素材で出来ていた。サキリは躊躇なくその部位を一呼吸で引き裂いた。
ＧＲｒｒｒｒｒ……。
ボロボロボ１号の機体が光る。
（――来る）
サキリは加速が来るのに備えて飛びずさる。
横目で見れば、接近していた夏夜も後退中だ。
ボロボロボ１号は回転で切り裂かれた関節部より先の腕を捨て、飛び道具として使ってきた。
「恵御納！」
「避けられる！ それより！」
「分かってる！」
ボロボロボ１号は残る三本の腕を超速回転させて攻撃してくる。
避ける。避ける。回避に専念して、高速化が解けたあとの愚鈍時を狙うのだ！
（敵が焦って加速を連発してくれればその分ロボの破壊は早まる。少々の怪我は覚悟の上だ）
離れすぎてはいけない。愚鈍化したらすぐさま攻撃に転じるために。
すれすれで攻撃を避けつつ、サキリはその時を待つ。
どこかで巨大な爆発音がした。
こんなところで爆発を起こす奴があるか、と思ったが状況を確認する暇はなかった。
加速が解け、ボロボロボ１号の速度が突如落ちる。
「今だ、火力を集中し一気に叩く！」
夏夜が吼えると、美野梨が残っていたペットボトルロケットを全弾一斉に打ち込んだ。
ペットボトルの中に残っていた水が飛沫となって弾幕の役割を果たす。
煙る中から二つの影。
クロスするように跳んだ夏夜とサキリが、巨大レンチを振りかぶって突き抜ける。
「これで！」
「トドメだ！」
ぐしゃり。
ボロボロボ１号の双面の頭部に、ふたつの巨大レンチが食い込み潰れる！
◇
猫鳴館の屋根の上で鳴と明里がそれを見ていた。
「ボロボロボ１号、停止したね」
「うんっ！ 館に近づく前に撃破したなの！！ さすが恵御納チーム！」
他のチームはどうだろうか。
ひゅぅぅぅぅぅぅっ！
双子風に二つの頭と四本の手をもつ赤い機体、ボロボロボ１号との戦いは、ペットボトルロケットによる風を切る高い音で開幕した。
――狙うのは歩いているときの軸足よ。
神野 美野梨は言葉通り、ペットボトルロケットで執拗に軸足を狙ってゆく。
ボロボロボ１号は五月蠅い虫を追い払うかの如く錆びだらけの腕を振るう。
ぶつかった部分の装甲に窪みが出来るが、致命傷にはまだ浅い。
サキリ・デイジーカッターは木陰に隠れて待ち伏せしていた。手にはロープを握っている。ロープの反対側は木の幹に結び付けられており、木の葉等をかけて偽装してあった。ロボが通りがかった所でロープを引き足を引っ掛けて転ばせる肚だ。だから、まだサキリは出られない。
サキリが目配せした先にいたのは、大将たる恵御納 夏夜であった。
「僕が……引き付ける！」
夏夜は単身、ボロボロボ１号の方へ飛び出した。
ボロボロボ１号が味方へ向かわぬように誘導したい。味方の射線をふさがぬよう気を付けつつ接近し、自ら囮になる。それが夏夜の選択であった。
ペットボトルロケットが軸足に派手に着弾した。
「ナイスタイミング」
夏夜は呼応し、同じ軸足にパイプレンチで打撃を入れる。
１号の軸足を出すリズムが崩れた。バランスを崩して倒れるかと思った刹那、機体が光り、動きが早くなる。時間にして約３秒。錆びた１号は火事場のバカ力的速度で動いた。軸足とは逆の脚が繰り出され、機体はバランスを保った上に、取りついていた夏夜を蹴って剥がすことにも成功する。
「くっ」
夏夜は地面に転がってダメージを逃がした。
「ピンチになると光って高速になるのか……」
けれどその後の様子がおかしい。
そのまま、夏夜にとどめを刺すことも可能だったはずなのに、動きがぎこちなくなっている。
「そうか。高速化したあとは反動があるんだ」
ボロボロボ１号はぎこちない動きのままサキリが潜んでいる方へ進んでいく。
「――今だ！」
サキリがロープを引き上げた。
回復しきっていないボロボロボ１号は、避けることができずにバランスを崩した。
「倒れるわ！」
――バランスさえ崩せれば、分解することは難しくないわ。ロボットを作るのはとても大変なのよ。絶妙なバランスで動いているのだから、ちょっとしたことで動かなくなるでしょう。
美野梨は事前にそう予測し、サキリや夏夜に話していた。
満を持してサキリが飛び出す。
「光って３秒加速で駆動部にガタがくる構造なら、むしろ沢山光らせた方が早く倒せる」
高く飛んで軸足に巨大なパイプレンチで重い打撃を振り下ろす！
関節部が歪んで曲がった。
「その脚でもう一度立つのは至難の業だろうね」
パイプレンチをその一撃で捨てるところがサキリの戦闘センスの良さであった。
ロボの背中に組み付き、ナイフを関節部に突き立てる。関節部は曲がらせるために柔らかくある必要があり、装甲で守りにくい場所だからだ。実際、ボロボロボ１号の関節部も蛇腹の薄い素材で出来ていた。サキリは躊躇なくその部位を一呼吸で引き裂いた。
ＧＲｒｒｒｒｒ……。
ボロボロボ１号の機体が光る。
（――来る）
サキリは加速が来るのに備えて飛びずさる。
横目で見れば、接近していた夏夜も後退中だ。
ボロボロボ１号は回転で切り裂かれた関節部より先の腕を捨て、飛び道具として使ってきた。
「恵御納！」
「避けられる！ それより！」
「分かってる！」
ボロボロボ１号は残る三本の腕を超速回転させて攻撃してくる。
避ける。避ける。回避に専念して、高速化が解けたあとの愚鈍時を狙うのだ！
（敵が焦って加速を連発してくれればその分ロボの破壊は早まる。少々の怪我は覚悟の上だ）
離れすぎてはいけない。愚鈍化したらすぐさま攻撃に転じるために。
すれすれで攻撃を避けつつ、サキリはその時を待つ。
どこかで巨大な爆発音がした。
こんなところで爆発を起こす奴があるか、と思ったが状況を確認する暇はなかった。
加速が解け、ボロボロボ１号の速度が突如落ちる。
「今だ、火力を集中し一気に叩く！」
夏夜が吼えると、美野梨が残っていたペットボトルロケットを全弾一斉に打ち込んだ。
ペットボトルの中に残っていた水が飛沫となって弾幕の役割を果たす。
煙る中から二つの影。
クロスするように跳んだ夏夜とサキリが、巨大レンチを振りかぶって突き抜ける。
「これで！」
「トドメだ！」
ぐしゃり。
ボロボロボ１号の双面の頭部に、ふたつの巨大レンチが食い込み潰れる！
◇
猫鳴館の屋根の上で鳴と明里がそれを見ていた。
「ボロボロボ１号、停止したね」
「うんっ！ 館に近づく前に撃破したなの！！ さすが恵御納チーム！」
他のチームはどうだろうか。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2021年08月16日
- 参加申し込みの期限
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- 2021年08月23日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2021年08月23日 11時00分
