◆じちかい【自治会】
学生・生徒が寮生活を自主的に運営していくための組織。
自治会は有志による。
人が足りない場合は自治会員が適当な寮生を指名。
月に一度会議をして今後の運営方針を決定、実行している。
◆どんき【鈍器】
第122代自治会長・
近石 簾氏の通常装備。
近石会長は8mm径の各種レンチを常に持ち歩いており、鈍器王と呼ばれていた。
――自治会室に転がってる臙脂色の表紙の紐閉じノート「猫鳴館用語辞典」より
今年もまた自治会長選が近づいて来た。
玄関前には、すでに一言メッセージ付きで3名の候補者のポスターが張り出されている。
『新参者だけれどこの館の事は大切に思っているから、微力ながら力になれれば』 ――恵御納 夏夜
『元自治会長の邪衣だ。2年ぶりだが今でも志は変わらないつもりだ』 ――邪衣 士
『猫鳴館や関わる人達が楽しい生活をおくれるようにしたいですぅ』 ――喜矢武 あいお
現猫鳴館自治会長・
近石 簾は自治会室で徹夜して、ひとり記録を手繰っていた。夜が明けたら次の自治会長を決めるための
選任戦の日だ。どんな選任戦を行うかは自治会長に任されていて、過去には「パンツの色当て」やら
『自治会費の回収合戦』やら
『みんな猫鳴館の熊さんになっちゃったゲーム』やら
『天使の羽選手権』やら
『裏寝子温泉我慢大会』などといった、その時々の自治会長の個性が反映された選任戦があったようだ。
「俺らしさといえばやっぱりこの工具だよな」
腰に下げたポーチを開けると、そこには各種工具がぎっちりと詰まっている。
「派手に出来たらいいんだけど……何か作るか? いいアイデア思いつけ、俺!」
なかなか決め手になる案に辿り着けずにいると、突如少女の声がした。
「自治会長! おかしなことが起きてるよ」
簾の顔を覗き込んでいたのは、作務衣に前髪斜めぱっつんの少女だった。戸が開いた気配はなかったのにそこにいたのだ。簾はそれが
近ごろ猫鳴館に住みついている付喪神の
猫館 鳴(ねこだて めい)であることに気が付いた。
「驚かせるなよ! っていうか、おかしなこと?」
「何十年も前の卒業生が、ガラクタを寄せ集めて作って森の中に隠していたボロボロのロボが、何かの拍子に動きだしちゃったみたい。ゆっくりだけど猫鳴館に向かって来てるよ」
「ボロボロのロボが!?」
「そう、それも3体! このままだと猫鳴館が潰されちゃう。なんとかしてよ自治会長!」
「なんだって!」
簾は勢いよく外に出た。
そして見た。
まだ明けきらぬ薄紫の空の下、白く靄にけぶる九夜山の森の中に現れた三つの巨大な影を!
たしかに、ボロボロのロボだ。
西・北・東に現れたきゃつらは三方向から、亡霊のようにゆっくりと猫鳴館へ向かってくる。
森から頭が付きだしているところを見ると、身長は20メートルほどだろうか。
その瞬間、簾の頭に電球が灯った!
「そうだ『作る』じゃない。
『壊す』だ!」
簾は館の中に取って返すと、大声で叫んだ。
「愛すべき猫鳴館の諸君、起きろ! 謎の巨大ロボが三体、こっちに向かってる!」
館内に響き渡る簾の声に、寝ぼけまなこの猫鳴館生たちが何ごとかと顔を出す。
簾は必死に彼らに訴えた。
「このままだとあのボロボロのロボが猫鳴館を潰しちまうかもしれねえ!
候補者を中心に力を合わせて『ボロボロボをぶっ壊せ!』
一番早く壊したチームの候補者が勝ち。これが今回の選任戦だ!」
こんにちは。
ゲームマスターを務めさせていただきます笈地 行(おいち あん)です。
11月から自治会長を務めてくださった近石 簾さんが
猫鳴館自治会長を引き継ぎすることになりました。
らっかみ!タイムで半年という長い間、ありがとうございました。
今回のシナリオは、近石さんに出していただいた案のひとつをかたちにさせていただきました。
近石さんには監査というかたちで自治会に残っていただくことになると思いますが、
このシナリオで、次の自治会長を選出します!
なお、これまで半年ずつだった任期は今回から伸びて、年度替わりまでとなります。
自治会長選任戦『ボロボロボをぶっ壊せ!』
猫鳴館自治会長は、『選任戦』という一風変わった選び方で選ばれます。
選任戦の内容は、現在の自治会長が決めるのが慣例です。
自治会長のお仕事や選任戦について、詳しくはこちら
候補者のみなさんの立候補メッセージはこちら
今回の選任戦は、近石 簾さんの発案で、
ひょんなことから動き出してしまった卒業生が作った『ボロボロボをぶっ壊せ!』です。
それぞれの候補者は、担当を割り振られたボロボロボと対峙することになります。
猫鳴館生や応援する候補者といっしょにボロボロボへ向かいましょう。
その他の方もどれか1体のボロボロボを相手にしたり、
戦いに疲れた猫鳴館生のサポートなどで参加できます。
ボロボロボは、寄せ集め素材でできた、年季が入った自立型?の機械です。
大きさは高さ約20メートルほどの二足歩行型で、どれも動きはそんなに素早くはありません。
(お台場にある実物大ガン〇ム像を想像していただければと思います!)
ボロボロボは、意思があって会話ができたり、じつは搭乗者がいたり、ということはありません。
暴走しちゃって危険なので遠慮なくぶっ壊しちゃってください!
西:ボロボロボ1号……担当:恵御納 夏夜さんチーム
双子風に二つの頭と四本の手をもつ赤い機体。
あちこち錆びだらけ。
ピンチになると全身が光って3秒だけ素早く動くが、
その分、機体の駆動部にガタが来やすくなって、その後動きが鈍る。
北:ボロボロボ2号……担当:邪衣 士さんチーム
熊っぽい青い機体で三体の中で一番大きい。
あちこちに蔦が絡まっている。
ピンチになると体に纏うガラクタや蔦を投げつけてくるが
その分身体は小さくなっていく。
東:ボロボロボ3号……担当:喜矢武 あいおさんチーム
スマートでスタイルのいい、アイドル少女っぽい黄色い機体。
手にはマイクならぬドリルが付いている。
ピンチになるとドリルで突撃してくるが
自分の足場の確保のような高度な思考はできないので
あちこち穴だらけにすることも。
アクションで出来ること
<ボロボロボをぶっ壊せ! ルール>
1.ろっこんの使用は不可とします。(近石さん以外)
2.破壊したり、トラップを仕掛けたりするために、
猫鳴館にありそうな物を調達したり、工作したり、
高校生が入手できそうなものを持ち込んでOKです
3.近石さんのろっこん<Titan's Toolbox>で巨大化した
レンチ(2m以内)を借りることができます(大きいほど重いです)
振り回したりハンマー代わりに使えたりとすごい威力!
希望者はレンチを借りたい旨とどのくらいのサイズを希望するかを、
アクションに書いてください。
参考になるシナリオがあれば、URLを明記ください。
ボロボロボたちは、個性や若干の差はありますが、耐久度はほぼ同じで有利不利はありません。
素材は、鉄材・プラスチック材・べニア・段ボールなど、
粗大ゴミのようなものを工夫して組み合わせてあるようです。
気持ちよーく破壊しちゃいましょう!
一番早く壊したチームの候補者が、次期自治会長に任命されます。
▼候補者の方
事前に仲間を募ったり、チーム名を決めたり、作戦を立てたりして、
担当になったボロボロボに挑みましょう。
コメントページや、猫鳴館コミュニティなどもどうぞご活用くださいませ。
▼猫鳴館生(=応援者)の方
・応援する人の名前(1名)を書いてください。
・応援する人のチームとしてボロボロボに挑んだり、
準備や物品を用意したり、サポートしたりしましょう。
▼それ以外の方(ボロボロボと戦う)
・【協力したいチームをひとつ書いて】ボロボロボに挑んだり、
準備や物品を用意したり、サポートしたりしましょう。
▼それ以外の方(ボロボロボと戦わない)
・猫鳴館で救護にあたったり、新自治会長就任祝いパーティを企画したりご自由にどうぞ。
▼近石 簾さん
恐れ入りますが、現自治会長のため、選任戦には参加できません。
中立の立場であれば、
猫鳴館にいて実況したり、応援したり、引継ぎの準備をしたりどんな行動もOKです。
ろっこんレンチを希望者に貸していただければ幸いです。
▼登場NPC
猫館 鳴(ねこだて めい)(中立・誰が自治会長になるか楽しみにしている)
猫鳴館に十六年前に宿った付喪神で、見た目は十六才の小柄な少女。
艶やかな黒髪のセミロング。猫目で目尻は少し上がっている。色白の為、唇の赤さが際立つ。
前髪に特徴があり、左斜めに切り揃えられている。指摘されると少し機嫌が悪くなる。
茶色い作務衣が普段着で、それに相応しい白い足袋を好む。木目の美しい草履も気に入っている。
性格はおおらかで明るい。猫鳴館と等しく、誰でも受け入れる。
いっしょに猫鳴館の歴史の新たな1ページを刻みましょう!
ご参加お待ちしております。