【球技大会】思い出に残る初夏の大会へ｜リアクション

【球技大会】思い出に残る初夏の大会へ

　水上桜はバスケットボールを選択した。授業で習ったこともあり、すんなりと決まった。
「まずは練習よね」
　背は高い方ではない。リバウンドの競り合いでは負けることもあるが、積極的な姿勢は敵の一角を崩し、得点に繋げたこともある。
　体育館の空いたところを使ってドリブルに励む。相手のディフェンスを想定してジグザグに動く。
　足を止めるとフェイントを入れたピボットに専念する。
「あ、わたしも混ぜて」
　クラスメイトの女子が朗らかに声を掛けてきた。
「いいよ」
　二人になったことでパスの練習が加わる。その後も人数が増えてシュートやパスカットに励んだ。

　練習場所は体育館だけではなかった。
　大会の前日、桜は第一グラウンドを走っていた。
「うん、悪くないね」
　走りながら笑みを見せる。脚力と持久力を鍛え、明日の大会に備えた。