ねこじま魔法少女大戦２２２～サヨナラ羞恥心～｜リアクション

ねこじま魔法少女大戦２２２～サヨナラ羞恥心～

【突然ですが入浴シーンです】

「ふんふふふーん♪」
　弘明寺能美子は寮の自室にて、バラを浮かべてリフレッシュタイムを満喫していた。
　湯に揺蕩う黒髪とバラの花弁は日々の辛い出来事を忘れさせ、その高貴な芳香は現実を忘れさせてくれた。
「このまま、別世界へ旅立ちたいわね……」
　痩身なのにメリハリボディな彼女が背伸びをすれば、形の良い目の前の双丘がふるふると揺らいだ。
　すると次の瞬間、どこからどもなく辺りに溢れる光。
　その光は一気に弘明寺の視界を飽和させ、洪水のようにそのみずみずしい裸体を飲み込んでいった！
「……え？　ちょっと！？　えええええ！？」
　視界が、身体が、真っ白にかき消されてく。
　弘明寺は恐ろしくなり、必死にバスタブの縁を握り締めた。
　そして、パンッと何かが弾けるような感覚が彼女の脳裏を襲った。
　恐る恐るシャワーカーテンから顔を覗かせる。
「な、なにこれ……」
　目の前には荒廃した町並みが地平線の向こうまで広がっていた。
　慌てて他の方角も確認したが、瓦礫と灰塵の廃墟ばかりの周囲に弘明寺は思わず湯船から立ち上がった。
　無論、全裸である。
「……は？　なんなのここ？　どういうこと？　……はあああああああ！？！？！？」
　しばらく弘明寺は全裸のまま湯船の周りをジタバタ暴れ回ったが、無駄な足掻きだと理解すると羞恥心から全身を湯船に浸けて震えだした。
「もうなんなのよ……、訳わかんない！　あれ？　なんかお湯がキラキラ輝きだして……？」
　なんと、湯船の中の湯とバラの花弁が、急に七色に煌きだしたではないか！
　それを眺めていた弘明寺の脳内に、ある言葉の羅列が急に思い浮かぶ。
「ああ、私、この言葉を言わなきゃいけない気がする！」
　弘明寺は再び全裸で湯船から飛び出すと、割れんばかりの大声で叫んだ！！

「華麗に美麗に、ウォッシュアーップ！」

　するとどうだろう！
　煌く湯と花弁が空中に飛び回ったかと思えば、弘明寺の身体を取り囲み、その裸体を包み込んだ！
　純白の生地を飾るフリルは真紅の薔薇の花弁。
　身体のラインを強調した小さめサイズのトップスとミニスカート（というよりプリーツが入った腰ミノ）は、完全にブラジャーとショーツが見えてしまっている！
　そして真紅の13cmハイヒールを履いてカメラ目線で投げキッス！
　セクシー且つエロカッコイイオーラ全開で、弘明寺は有刺鉄線状の茨の鞭を召喚して胸を張ってポーズ！
「この私、レディーバンビエッタの美しさを傷付ける輩は許さなくてよっ！」
　――レディーバンビエッタは冷静になった。
「くぁｗせｄｒふじこｊｐｌ＠；」
　そして己の姿に顔から火が出る想いを抱いた。
「こ、こんな姿、知人に見せられないわ！」
　弘明寺はシャワーカーテンを引き裂くと、外套代わりとして身に纏った。
「……前にあったわね、変な世界に飛ばされたこと。今回もそうなのかしら？」
　だとしたら知り合いもこの世界にいるかもしれない。
　その前に元凶を叩く、いや潰す必要がある。
　弘明寺は憂鬱な気分になりながらも、ひとまず周囲を探索することにした。

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