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寝子島高校
ドキドキ! わくわく? 悪魔の身体測定☆
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今日は高校生活最後の身体測定、のはずだった。
(夏夜ちゃんと一緒に)
やっとひとりからふたりになれた。ひとつの身体にふたつの魂の状態から、ふたつの身体にふたつの魂となれて、ふたりは高校三年生になった。
だから今回の身体測定はふたりで寝子高で受ける最後の身体測定だった。
(夏夜ちゃんにとっては、最初で最後の身体測定だったのに)
ふたりで一緒に受けられる、唯一かもしれない身体測定だったのに。
「今日という日がとても楽しみだった」
赤黒い空を仰いで呟く
恵御納 夏朝
の言葉に、傍らに立った
恵御納 夏夜
はそっと頷いて返す。
「今日と言う日、僕もとても楽しみだった」
夏夜に手を握られ、夏朝は無表情であることの多い頬に小さな笑みを辛うじて浮かべた。その笑みもすぐに沈む。
「楽しみ……だった……」
「……ああ、楽しみだったんだよ」
夏夜のまなざしの先には、校舎への入口がある。赤黒い空よりも尚暗く見えるそこに向け、ふたりは迷いのない足取りで歩き始めた。
(全ての悪魔が悪い存在じゃないって知ってる)
今まで、たくさんの悪魔と遭遇してきた夏朝はそれを知っている。夏夜も、それは同じ。
(けど)
今日の悪魔は違う。だって身体測定を滅茶苦茶にしようとしている。寝子高の生徒たちをこの空間に引きずり込んで、あまつさえ首を狩ろうとしている。
(全部何もかもすべて悪い)
繋いだ手を夏夜の手が握り返してくる。まなざしを合わせずとも分かる、夏夜も、全く同じことを考えている。
(……悪魔共は殲滅する!)
(……あの悪魔共はありとあらゆる惨殺拷問ですら生温い!)
夏朝よりも苛烈な思考に心を煮え滾らせながら、夏夜は校内に視線を走らせる。耳を澄ませる。
「……夏朝」
「うん」
誰かの足音が聞こえた。必死に逃げ惑う足音と、息も絶え絶えの悲鳴。
迷いなくふたりは駆けだす。嫌気が差すほど陰気な廊下を駆けたその先、物陰に隠れて頭を抱える女子と男子の姿を見つけた。彼女から少し離れて、包丁を手にした兎覆面の悪魔。
「ボケ兎……!」
怒りに我を忘れて突っ込もうとする夏朝の手を引き、夏夜は震えて怯えるばかりの生徒の傍に膝をつく。
「君達は逃げて」
でも、と必死な顔を上げる男子に、夏朝が首を横に振る。
「ここの事は気にしないで!」
これは劣悪な夢だから、と夏朝が小さく微笑む。
「そう、これは悪い夢。目が覚めれば悪縁は切れるよ」
「目が覚めたら、忘れていいんだよ」
ふたりから宥められ、男子が女子の手を引く。
「行こう」
「忘れられるわけないじゃない、こんな、……こんな!」
首根っこを掴まれて奇妙な空間に引きずり込まれた挙句、包丁を持った兎に追い回された恐怖と混乱のあまり喚声をあげる女子に睨まれても、夏朝と夏夜はただ黙する。
(こんな状況に引き摺り込まれたら、恐怖も怒りも混乱もあって当然だよ)
夏朝の視線に夏朝の思いを読み取り、夏夜は小さく頷いて返した。逃げようとする被害者たちに手短に逃走経路を告げる。
「正門へ」
「愚兎の相手は僕等が引き受ける」
悪魔の被害者たちが逃げていく足音を背に、夏朝と夏夜は廊下に立つ兎と向き合う。包丁を手にした兎頭は、首があれば相手は誰でも良いようだった。
(……怒りも、憎悪も、何もかもすべて糞兎にぶつける)
(……怒りも憎悪も全て糞兎にぶつける)
ふたりは兎と睨み合う。
(目玉と脳を輪切りにする、腕も足も切り飛ばす)
(噛み千切る歯を粉砕する、舌もとっとと切ってしまえ)
そう思うほどに、ふたりにとって今日という唯一の機会を阻害した罪は大きかった。
(百億回ぶつ切りにしたって足りない)
(百億回ぶつ切りにしても足りない)
持ち得る武器はろっこんとその進化能力のみ。それらを全て駆使するとしても、武器が手元にない。
「家庭科室」
「うん」
短い言葉で意思疎通を交わし、ふたりは手を離す。左右に別れ、兎が一瞬迷いを見せたその瞬間、夏朝がポケットから取り出した猫のシールを鞄に貼り付けた。ろっこんが発動し、重くなった鞄を兎に投げる。
鞄を避けてよろけた兎に、今度は夏夜が月のシールを貼り付ける。途端、兎は重力に潰されたが如くその場に膝をついた。
投げつけて囮とした鞄を夏夜が回収する。夏夜が鞄を拾うと同時にろっこんで鞄を軽くし、夏朝は夏夜と目配せひとつ後に再び駆けだす。
(如何なる武器・道具・狂気を用いてでも)
(害悪首狩り兎悪魔を一体残らず殲滅する)
思いをひとつに重ねて走る。家庭科室に辿り着き、武器となりそうな包丁や道具をそれぞれに手にする。
「僕等以外がいなくなったらこんなところ爆発させて崩壊させよう」
「戻ってきたらガス栓を全開にしよう」
決意を籠めたまなざしを交わし合い、ふたりは凶器を手に再び廊下に出る。
可能であれば、他の悪魔たちも殺してしまいたかった。
(健康診断阻害悪魔め)
数歩も進まぬ間に行き当たった兎目掛け、ふたりは駆ける。
「死ね、消えろ、記憶からも歴史からも存在からも完全消失しろ」
「とっとと帰って! 消えて! 存在自体消失しろ!」
夏夜と夏朝、ふたりの全身全霊の怒りと憎悪を受けて、兎は覆面の下でうふふと笑った。その声を聞き咎め、夏夜は激昂する。
「惨たらしい絶命ですら生温い!」
正門を潜れば、空は青く澄んでいた。
ふたりは悪い夢から覚めたように顔を見合わせ笑いあう。
「あれはぜーんぶ悪い夢」
「あれは『健康診断と一切関係ない悪夢』」
「もうあの糞夢はどうでもいい、何の感情も起こらない!」
「もうあの夢はどうでもいい、何の感情も起こらない……それが一番良い」
鏡合わせで自分自身に言い聞かせるように互い互いに言い聞かせ、同じ顔かたちのふたりは同じ仕草で大きく頷き合う。
「さぁ、行こう夏夜ちゃん!」
「うん……行こうか、夏朝」
悪夢から覚めてしまえば、今日は楽しくて『何も起こらない』身体測定が始まる。
(……うん)
悪魔の居た寝子高とは比べるべくもなく美しい春の空を仰ぎ、夏夜は今日のいちにちを大切に過ごすことを誓う。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年04月17日
参加申し込みの期限
2021年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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