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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
ドキドキ！ わくわく？ 悪魔の身体測定☆
測定結果を記した用紙を保健委員から受け取る。
「ありがとう」
血の色をそのまま宿した瞳を淡く和らげ、桜 月は穏やかに会釈した。
記録をつけてくれた者への礼儀とするかの如く、静かなまなざしで測定用紙をちらりと見遣る。
身長は150センチ。
(伸びてた、嬉しい)
去年と比べて五センチも成長したことが素直に喜ばしかった。それに伴い体重も43キロから46キロに増え、胸囲も85センチから87センチにきちんと成長している。
体重が増えているのが乙女としてはちょっぴり気がかりではあるものの、これは身体が大きくなっているのだから、
(当然だね)
聴力は問題なし、視力は1.2程度。
二センチ成長した胸に視線を落としつつ、測定会場を出る。
(冬華はどうだったんだろう？)
新年度恒例の行事をひとつ済ませて、まず気になったのは同学年の北条 冬華。自宅の屋敷に通いのメイド兼、服飾デザイナーを目指す己のモデルも務めてくれている彼女は、──己の、ただひとりの恋人だ。
(確かめに行こう)
芸術科に体育科、所属する学科は違えど学年は同じ。そろそろ向こうも測定を終えて教室に戻っている頃だろうと判断し、体操着姿の生徒たちで溢れる廊下を歩き始めようとして、
「鷲尾先生」
廊下の向こうから颯爽とした足取りでやってくる保健室の先生を見とめた。反射的に呼び止める。
「お時間大丈夫ですか」
「どうしたのかしら？」
優しいまなざしを向けて足を止めてくれる先生にお辞儀をしてから、月は先生をまっすぐに見る。
「聞きたいことがあって」
ほんの少し、声を潜める。
服やデザインをしているからこそ、自分の身体で気になることがあった。
(ちょっとバランス的にアンバランスだと思うんだ)
そっと見遣るのは自分の胸。身長と体重の割りにおおきなおっぱい。
(服や下着は自分で手配できるから問題ないけれども)
なんといっても自分の身体のこと。健康的なことはキチッとしておきたい。
身長がもっと伸びればいいのかもしれない。ならばそのためにはどうすればいいのだろう。筋肉を増やせばいいのか、体重を増やせばいいのか。
栄養的に気にしなくてはならないことはあるのか。
ひとより色素の薄いこの身体を成長させるために必要なものは何なのか。
「……そうね」
月から相談を受け、保健室の先生はちょっと考え込んだ。ちょっといいかしら、と月が手にしていた測定用紙を受け取って読み取り、
「大丈夫よ」
優しく微笑む。
「身長も体重も伸びているし、身体的には何も問題ないわ。今まで通り、バランスの良い食事と運動を続けてね」
「はい」
先生のお墨付きを得て、月は胸を撫でおろす。ともかくも、悪いことはなさそうだ。
ありがとうございます、と先生に別れを告げ、月は今度こそ冬華を探す。まず目指すは冬華の教室。
体育科のある廊下へと向かっていて、ふと目を向けた階段の踊り場、愛しい恋人の優しく波打つ白い髪を見つけた。窓の外の春を眺める髪の隙間に、白く細いうなじ。
踊り場に人通りのないことを確かめ、月は足音を殺して恋人の背後にそうっと忍び寄り、
「ふーゆかっ」
がばり、後ろから抱き着いた。どさくさに紛れ、両腕を回しても届かないくらいにおおきなおっぱいを揉む。
「きゃ……？！」
「ん？」
「つ、月さん？」
「んん？」
振り向こうとする冬華のうなじに背伸びして唇を寄せつつ、胸を鷲掴む手をにぎにぎする。てのひらいっぱいに心地よい弾力を返してくる恋人の胸は、
「冬華また大きくなった？」
「やっ、ちょっ、つ、月さん」
身を捩らせる恋人の様子が可愛らしくて、もう少し胸を揉んでいたい気持ちもあるにはあったけれど、場所が場所であることを思い出して思いとどまる。
踊り場の端にふたりで並んで立てば、窓の外の葉桜が見えた。
「冬華」
「はい」
「背が伸びた！」
胸を張って報告すれば、冬華は柔らかな笑顔を見せてくれた。
「冬華のご飯が美味しいからだね！」
「そんな……」
「これからもよろしく」
碧い瞳を伏せ、冬華は淑やかに頷いた。
「はい、よろしくお願いします」
「冬華は身体検査どうだった？」
冬華が差し出した測定用紙に目を落とし、月は息を呑んだ。
(また胸が大きくなったのか……)
元よりけしからん体型がますますけしからん体型になってゆく。そのことに月は戦慄を覚えざるを得ない。
(まあ私が毎晩──)
それ以上のことは春の眩しい光の中では考えられる気がせず、月は胸の内にあってもごにょごにょと言葉を濁す。
(……止めるつもりはないけど)
それに、そんな冬華に合わせたサイズの服をまたデザインする楽しみが増える。
帰ったらまたモデルを頼もう、と心に決めてしまえば、胸はわくわくと高鳴った。
(次はどんなのにしようかな～)
アイデアを頭にまとめながら、月は傍らに立つ冬華を見つめる。これから先もきっとずっと、隣にいてくれるはずの恋人。
(次はお互いどれくらい成長してるかな)
視線を受け止めて微笑んでくれる冬華に、月は同じように柔らかな笑みを返した。
(楽しみ)
「ありがとう」
血の色をそのまま宿した瞳を淡く和らげ、桜 月は穏やかに会釈した。
記録をつけてくれた者への礼儀とするかの如く、静かなまなざしで測定用紙をちらりと見遣る。
身長は150センチ。
(伸びてた、嬉しい)
去年と比べて五センチも成長したことが素直に喜ばしかった。それに伴い体重も43キロから46キロに増え、胸囲も85センチから87センチにきちんと成長している。
体重が増えているのが乙女としてはちょっぴり気がかりではあるものの、これは身体が大きくなっているのだから、
(当然だね)
聴力は問題なし、視力は1.2程度。
二センチ成長した胸に視線を落としつつ、測定会場を出る。
(冬華はどうだったんだろう？)
新年度恒例の行事をひとつ済ませて、まず気になったのは同学年の北条 冬華。自宅の屋敷に通いのメイド兼、服飾デザイナーを目指す己のモデルも務めてくれている彼女は、──己の、ただひとりの恋人だ。
(確かめに行こう)
芸術科に体育科、所属する学科は違えど学年は同じ。そろそろ向こうも測定を終えて教室に戻っている頃だろうと判断し、体操着姿の生徒たちで溢れる廊下を歩き始めようとして、
「鷲尾先生」
廊下の向こうから颯爽とした足取りでやってくる保健室の先生を見とめた。反射的に呼び止める。
「お時間大丈夫ですか」
「どうしたのかしら？」
優しいまなざしを向けて足を止めてくれる先生にお辞儀をしてから、月は先生をまっすぐに見る。
「聞きたいことがあって」
ほんの少し、声を潜める。
服やデザインをしているからこそ、自分の身体で気になることがあった。
(ちょっとバランス的にアンバランスだと思うんだ)
そっと見遣るのは自分の胸。身長と体重の割りにおおきなおっぱい。
(服や下着は自分で手配できるから問題ないけれども)
なんといっても自分の身体のこと。健康的なことはキチッとしておきたい。
身長がもっと伸びればいいのかもしれない。ならばそのためにはどうすればいいのだろう。筋肉を増やせばいいのか、体重を増やせばいいのか。
栄養的に気にしなくてはならないことはあるのか。
ひとより色素の薄いこの身体を成長させるために必要なものは何なのか。
「……そうね」
月から相談を受け、保健室の先生はちょっと考え込んだ。ちょっといいかしら、と月が手にしていた測定用紙を受け取って読み取り、
「大丈夫よ」
優しく微笑む。
「身長も体重も伸びているし、身体的には何も問題ないわ。今まで通り、バランスの良い食事と運動を続けてね」
「はい」
先生のお墨付きを得て、月は胸を撫でおろす。ともかくも、悪いことはなさそうだ。
ありがとうございます、と先生に別れを告げ、月は今度こそ冬華を探す。まず目指すは冬華の教室。
体育科のある廊下へと向かっていて、ふと目を向けた階段の踊り場、愛しい恋人の優しく波打つ白い髪を見つけた。窓の外の春を眺める髪の隙間に、白く細いうなじ。
踊り場に人通りのないことを確かめ、月は足音を殺して恋人の背後にそうっと忍び寄り、
「ふーゆかっ」
がばり、後ろから抱き着いた。どさくさに紛れ、両腕を回しても届かないくらいにおおきなおっぱいを揉む。
「きゃ……？！」
「ん？」
「つ、月さん？」
「んん？」
振り向こうとする冬華のうなじに背伸びして唇を寄せつつ、胸を鷲掴む手をにぎにぎする。てのひらいっぱいに心地よい弾力を返してくる恋人の胸は、
「冬華また大きくなった？」
「やっ、ちょっ、つ、月さん」
身を捩らせる恋人の様子が可愛らしくて、もう少し胸を揉んでいたい気持ちもあるにはあったけれど、場所が場所であることを思い出して思いとどまる。
踊り場の端にふたりで並んで立てば、窓の外の葉桜が見えた。
「冬華」
「はい」
「背が伸びた！」
胸を張って報告すれば、冬華は柔らかな笑顔を見せてくれた。
「冬華のご飯が美味しいからだね！」
「そんな……」
「これからもよろしく」
碧い瞳を伏せ、冬華は淑やかに頷いた。
「はい、よろしくお願いします」
「冬華は身体検査どうだった？」
冬華が差し出した測定用紙に目を落とし、月は息を呑んだ。
(また胸が大きくなったのか……)
元よりけしからん体型がますますけしからん体型になってゆく。そのことに月は戦慄を覚えざるを得ない。
(まあ私が毎晩──)
それ以上のことは春の眩しい光の中では考えられる気がせず、月は胸の内にあってもごにょごにょと言葉を濁す。
(……止めるつもりはないけど)
それに、そんな冬華に合わせたサイズの服をまたデザインする楽しみが増える。
帰ったらまたモデルを頼もう、と心に決めてしまえば、胸はわくわくと高鳴った。
(次はどんなのにしようかな～)
アイデアを頭にまとめながら、月は傍らに立つ冬華を見つめる。これから先もきっとずっと、隣にいてくれるはずの恋人。
(次はお互いどれくらい成長してるかな)
視線を受け止めて微笑んでくれる冬華に、月は同じように柔らかな笑みを返した。
(楽しみ)
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2021年04月17日
- 参加申し込みの期限
-
- 2021年04月24日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2021年04月24日 11時00分
