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ドキドキ! わくわく? 悪魔の身体測定☆
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測定用紙を友達に見せながら、ボーイッシュな雰囲気の女子が元気いっぱいに次の会場へと向かっていく。
その溌剌とした背中を眼鏡の奥から眺めやりながら、
月原 想花
は黒い瞳を伏せた。物語の主人公になるような子は、きっとあんな元気で明るい女の子なんだろう。
同じジャージのズボンに体操服姿なのに、どうしてこうも違うのだろう。
身長は同じくらい、胸囲も体重もきっと同じくらい。それなのに、彼女は春の中にきらきらと輝いて見えた。
(身体測定なんてさっさと終わればいいのにな……)
そうつくづくと思ってしまう。
視力なんてどうせ近眼だってことを確認させられるだけ。
身長も体重も、今までと大して変わりない数値のはず。
「……でも体重増えたら、嫌だなあ……」
ぽつり零れた自分の声に気付かず、想花は俯く。
「どっちみちぼくは平凡な数値しか出ないだろうね。平凡すぎて、ぼくは親から嫌われてる」
親の寵愛を一身に受けているのは、自分ではなく、自分とよく似た顔をした双子の弟。成績優秀で、スポーツ万能で、華のある弟。
──それに比べてお前は
ことあるごとに両親から投げつけられる比較の言葉が嫌で嫌で、だから寮のある寝子高に入った。
「……嫌だなあ」
吐き出した息の先、こちらを不思議そうに見つめる同級生の視線と出会った。咄嗟に視線を逸らす。どうやらいつの間にか独り言を口にしてしまっていたらしい。
(変な目で見られた!)
恥ずかしくなって、ますます俯く。
(こんなんだからぼくは変わり者だとか言われちゃうんだ……)
肩をすくめ背中を丸め、身体測定の列に鬱々と並ぶ。
(……あの子、なら)
ままならない現実から目を背け、小説投稿サイトに投稿しているファンタジー小説の勇者の男の子のことを想像してみる。
(それとも、あの子だったら)
ファンタジー系PBWに登録している男の子PCのことを考えてみる。あの子たちならきっと、どんな状況にあっても凛と背筋を伸ばしている。泣きたい気持ちを綺麗に隠して太陽のような笑顔を浮かべている。
(『ぼくは平気』)
PCの台詞を想像し、表情を想像する。そうすれば少し、元気になれた。
想像の中の男の子たちに力を借りて、とにかくも身体測定を乗り切る。
身長は164センチ、体重は47キロ。どちらも中学三生時と大して変わらず、成長しておらず。胸囲は79センチ、これはどう変わっていてもそんなに興味はない。
聴力は普通、視力は相も変わらず眼鏡の必要な近眼の値。
(普通、普通、普通)
測定用紙に並ぶ『普通』の数値を沈んだまなざしで見下ろし、悲しい息を吐き出す。
(視力は案の定)
近眼だという事実を再確認するだけの結果に終わった。これはつまり、眼鏡から卒業できない現実を示している。
あったかいところから出るとすぐに曇ってしまう眼鏡。
夏になれば鼻当てが汗で滑って気持ちの悪い眼鏡。
視界の端がいつだってぼやけてはっきりしない眼鏡。
凡庸な顔がいや増して凡庸になってしまう気のする眼鏡。
嫌なことばかりで外してしまいたいのに、外すと途端に視界が悪くなってしまう。ひとの顔だって自分の足元だってまともに見えなくなってしまう。
俯いた顔を上げる気にもなれないまま、会場を出る。廊下の端で動けなくなる想花の横を、クラスメイトたちが解放された顔で足取りも軽く通り過ぎて行く。
(コンタクト、……)
眼鏡が嫌すぎて幾度となく考えた選択肢が頭を掠めるも、考えた途端に目が痛くなって瞼をぎゅっと閉ざす。
(目にレンズを直接装着するなんて)
考えるだに痛い。怖い。
(……こんなだから)
こんな些細なことにも怖がってしまうから、自分はいつまで経っても親に愛されないのかもしれない。思い切った一歩が踏み出せないままなのかもしれない。
(逃げたら、だめなのに)
そう考える端から願ってしまう。多少は視力がマシになっていたら良かったのに──自分の力ではないナニカに縋ろうとしてしまう。
(……でも)
わかっては、いるのだ。
(これが現実だよね)
思えば思うほど動けなくなって、想花はその場に立ち尽くす。
「あの」
肩を落とす想花を見ていられず、時子はそっと声を掛けた。
「そんなに気を落とさないでください」
「……ありがとうございます」
そう言いながらも俯いた顔をあげない想花が心配で、時子はその背をそっと擦った。
「大丈夫ですよ」
喜んでいるひとを見れば自分も嬉しかった。悲しんでいるひとが居れば隣に立って慰めてあげたかった。身体測定であっても、本人にとっての重大事項であるのならば、他人の目線でどうこう軽々しく言えるものではない。だから自分に出来るのは、せめて同じ目線であろうとすること。
ぺこりと頭を下げて次の会場に向かう想花に手を振り、時子はそっと息を吐いた。
(一年かなり成長される人もいますから、測って気づく人もおられそうですね)
来年の身体測定では、さっきの人の嬉しい笑顔が見られるかもしれない。
(その時には私はもういませんけれど)
そうであるなら嬉しいと、時子は思った。
(……私も、少しは成長しているでしょうか?)
身体測定前の保健委員だけの測定時にはバタバタして参加できなかった。三年生の計測時に参加させてもらおう。
窓に映る自分の姿をちらりと見遣る。成長しているか否かを思えば、なんだか胸がどきどきした。
(今年は事件は起きなかったみたい?)
少なくとも今のところ、去年や一昨年のような大混乱は見られていない、ように思う。
(一安心ですね)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年04月17日
参加申し込みの期限
2021年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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