漂流　～宇宙にて～｜リアクション

漂流　～宇宙にて～

【探索開始】

「宇宙キターー！！よし、満足！」
　轟は広く長い廊下で、外に見える地球を見ながら、突如大きな声で叫んだ。
　声は、廊下に反響し、先へ先へと進み消滅していく。
　食堂でビスケットのような非常食らしきものと、水筒のようなものに入った水を確保しつつ、轟は歩く。
「お、なんだこりゃ」
　しばらく言ったところで、青緑のライトに照らされた扉が見つかる。
　プシューッ！　
　轟が前に立つと、そんな音がして扉がスライドして開く。
　そのまま轟は中へと入る。
「何があるかなぁ……もしかしたらこいつを作った奴についての痕跡とかか。それともただの倉庫か……どっちにしろ楽しみだな！」
　といったのもつかの間だった。
「……なんだこりゃ？」
　そこは一面水槽の部屋だった。
　まるで碁盤の目のようである。
　黒い線の部分が通路で、マス目のところに水槽が配列されている。
　そんなイメージを轟は持った。
「……そしてちょっと熱いな」
　宇宙船の内部よりやや温度が高い。
　水槽の中はさまざまな植物が植えられており、そして液体で満たされている。
　そして、水槽の材質も触ってみるとどこか違和感があるものであった。
「こりゃ、ガラスでもプラスチックでもねぇな」
　軽く手を触れつつ、轟はつぶやく。
　水槽の中に生物らしきものはいない。
　多種多様な植物たちが、じっと揺られている。
「だめだ、分かんねぇ！」
　頭を振って、轟は考えを振り払う。
「八神に報告しておこう」
　そう言って、踵を返す。
「それにしても、俺たちをここに連れてきた奴は一体何が目的なんだろう？」
　それに答えるものはいない。

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