漂流　～宇宙にて～｜リアクション

漂流　～宇宙にて～

【そして……】

「……朝か」
　月詠は自室で朝を迎えた。
　どうにも記憶がぼんやりしている。
　何か壮大な冒険をした気がした。
　何か貴重な経験をした気がした。
　今日は、目をつぶったら絵をたくさん描ける気がした。

「おはようございます！　先輩！」
　こまちは、学校へ行く途中で円に声を掛けられた。
「……あなた、桜庭さんよね？」
「……そうです」
　そう言って、円はポケットから石を取り出した。
「これ、先輩に渡さなきゃ行けない気がして」
　それは、ひもを通した石だった。
　吸い込まれるような黒い色をした石だった。
「メソシデライトっていうのかしら？」
　首をかしげつつ石をとるこまち……。
「！？」
　石に触れた瞬間、遙かなる宇宙が見えた気がした。
「先輩？」
　不思議そうに、あるいは分かっていそうに自分を見る円にこまちは頷いた。
「ありがとう」
　そう言って、ぎゅっと『石』を握りしめた。

　この日、寝子島の何人かの生徒は不思議な夢を見たという。
　ただ、夜、天体観測をしていた人が居ればこう言ったろう。
「夜、不思議な流れ星を見た」
　だが、それが本当なのか嘘なのか誰にも分かる事はない。
「良い記事だ」
「ミス研も全力をあげたよ～」
　修は息を吐きつつ記事を見た。
　オカルト特集をなぜやってみたくなったかは分からない。
　水月の協力も得て記事を書こうと思ったのはなぜだろう？
「よっ！　面白い特集をやってるな！」
　そこにラッセルが加わり、話が広がっていく。

「ふっ！　ふっ！」
　朝、稽古をしていた刀は気づいた。
　自分が余りお腹が減っていない事に。
　なぜかは分からないが、どこかで何か食べた気がしていた。
「よぅ！」
　そこに偶然、轟が通りかかる。
「朝から精が出るな！」
「そっちこそ、何をやってるんだ？」
　ランニング中であろう、轟に刀は声を掛ける。
「何か無性に走りたくなってな！」
「お、朝から精が出るな！」
　そんな轟の隣を博美が走り抜けようとして止まる。
「……今日はどうしたんだ？」
　刀が尋ねるも……。
「なんだか、今日は無性に走りたい気分でな」
「そっちもか！」
　博美の答えに驚く轟。
「あ、みんなで何をやってるのだ？　真央ちゃんも混ぜるのだー！」
　そこに、がおーを連れた真央が通りかかる。
　心なしか猫のがおーはぐったりしていた。

　そして今日も、日常が始まる。

おわり

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：じんの
ファンレターはマスターページから！

というわけで、盛大なる夢オチでした（今回は）
といっても、一部、夢だけど夢じゃ無かったかもしれない人が居ます
今後、再び宇宙へ行く事があるのかどうか……
実に楽しみです

今回はみんなあれこれやりたいことがいっぱいあって
色々大変でしたが、じんのがんばりました

お疲れ様でした
またのご参加をお待ちしています！

↑ページトップに戻る