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寝子島電鉄霊界線 浅縹駅(4)
彼らが
黒白 滴
という少女と初めて出会った時からも、彼女のいささか浮世離れした面は現れていた。
「君、幽霊だからといって、この場は危ないよ」
島崎 嘉織
の目に、彼女はひどくエキセントリックな存在として映った。
どこか近しいものを感じてしまうのは、自身も世俗からはいささか外れている自覚があるからかもしれない。
「僕は島崎、寝子高の2年だよ。どうやら今夜は、サトリとやらになってしまっているようだけど……君は?」
「……ああ~。じゃ、先輩だねぇ。私は滴。クロシロって書いて、あいろしずく」
「へえ。素敵な名前だね」
嘉織の言葉に滴はにへらと笑ったが、その瞳が自分を見ているようには思えなかった。嘉織の身体を透過し、どこか遠くの……夜の九夜山の森の奥、ブラックホールを思わせる暗い闇を見据えているかのようだった。
もっとも、嘉織が彼女に声をかけたのは、生来お人好しがゆえにだ。滴の態度や心の内がどうであれ、寝子高で新しくできた友人たちと接するのと同様に、ひとつ肩をすくめ、世話を焼いてやるだけだ。
「がしゃどくろと言うそうだね、あの巨大なガイコツは。あんなの踏み潰されちゃたまらないよ、少し離れよう」
「ん~。そうだよねぇ。でもなぁ~……声はこのへんから聞こえてる気がするんだよねぇ」
ためらうそぶりに、嘉織は首を傾ける。
「声? 誰のだい?」
「ん~、わかんない。どこかから、誰かが、私を呼んでるような……はっきりとは聞こえないんだけど、とにかく、聞こえてくるんだ」
「興味深いお話ですね」
振り向くと、幾人かの顔ぶれがあった。嘉織と同様に滴が気になってやってきた面々は、
深縹 露草
、
巫部 紫苑
、
恵御納 夏朝
だった。
露草が慇懃に一礼し、
「私は木天蓼大学生、深縹露草と申します。黒白さん、でしたね。よければその声について、もう少し詳しく教えていただけますか?」
「よろしくね~。んー……詳しくって言ってもなぁ。なんかこぉ~……暗いところにいるような? ちょっと、怖いけど……でも懐かしいような~……」
考え込んでしまった滴の口から語られる情報は、いまひとつ要領を得ない。
滴とは既に顔見知りであるらしい夏朝が、横から尋ねる。
「ねえ黒白さん、それって、あのがしゃどくろの声とは違うのかな……?」
「たぶん違うかなぁ。さっき梢ちゃんも言ってたよ~、あれの声じゃないって」
「うん、それは僕もそう思う」
サトリである嘉織も、がしゃどくろの思考を読んで言う。
「あのおばけは、黒白さんを見ていない。もっと何か、別の……何かに追い立てられているような感じだ」
「何か、ですか? もしかして、それが黒白さんを呼んでいる声の主でしょうか?」
ぼんやりとしているようで、紫苑が気になることをずばりと口にした。
ちなみに紫苑は吸血鬼であり、背に生えた翼でぱたぱたと飛んでいる。
「もしそうだとして……黒白さんは、その声の主を探したいのですか?」
露草の問いに、滴は躊躇わずこくりとうなずく。
「探したい! 知りたい! だってさ~、こんなに呼ばれてるんだもん。気になっちゃうよ~。誰なんだろ~?」
「では、探してみましょう。私のろっこんでお手伝いいたしますよ」
「僕も手伝おう。君を呼んでいる存在を、見つけてあげる」
寝子島で、今夜は特別な夜だ。きっとその声の主とやらも、尋常の存在ではあるまい。
善い存在か、はたまた彼らにとって悪しき存在であるのかも分からない。
「黒白さんを呼ぶ『何か』が、寝子島を脅かす存在なら……」
そのために、滴を何らかの形で利用しようと企むような者ならば。
夏朝は決意を新たにする。
「……僕は、許さない」
吸血鬼とは、かくも多彩で便利なものか。
「静かに、素早く行きますよ~?」
声の主に気づかれないよう、とは紫苑の配慮だ。
紫苑は多様な吸血鬼の能力の一つを発揮し、自らを無数の蝙蝠に分かつ。飛び立った蝙蝠たちは一行を囲むように広がり、異質な何かを発見すればすぐさま知らせる構えだ。
「よいしょっと。ちょっと肩をお借りしますね、黒白さん」
「おわ~、かわいい!」
蝙蝠たちを統括する紫苑の本体は、てのひらサイズのちまっとした身体となり、滴の肩に降り立った。
「何かあれば、すぐにお伝えしますね」
「ありがとう。へへぇ、先輩たち、頼りになるな~」
さらに、調査の手管はこれに留まらない。
露草のろっこんを用いれば、目的の存在へより端的に近づけるだろう。ノートとペンを取り出し、白紙のページにコミカルなおばけをあしらった紋章を描くと、虚空へ念じた。
「かの声を発する存在への手がかりになるものよ……光れ!」
ノートの中の紋章が輝く。
試みが成功していれば、条件を満たす存在にも同様の紋章が現れ、光を放つはずだ。
「いかがですか?」
「ちょっとまってくださいね~」
紫苑が目を伏せる。分身である蝙蝠たちとのリンクを図っているのだろう。
ややあって、
「! 向こうで何か光りました! 山頂近くの、森の深いところに」
「おお。行ってみよー」
幽霊ボディで真っ先に飛び出した滴を追い、夏朝に嘉織、露草も駆け出した。
生い茂る樹々の向こう、確かにちらり、ちらりと光が見える。獣道の倒れた草葉の下に、おどろおどろしく枝を揺らす枯れ木の幹に、営巣する蜘蛛の膨らんだ腹に点々と輝く紋章をたどれば、呼び声の主へと行き着けるかもしれない。彼らは奥へ奥へと分け入った。
いつもは寝子島の人々を雄大に見下ろす九夜山が、今夜ばかりは奇妙な異界に思え、夏朝は一つ肩を震わせる。
気がつくと、滴は前方をじっと見据えたまま佇んでいた。
「黒白さん、どうかしたの……、!?」
肩を叩きかけ、相手が幽霊であることを思い出す。しかし言葉に詰まったのはそれが故ではなかった。
その場の誰もが、声を失った。
『それ』が何であるのか。ひとなのかおばけなのか、そのいずれでもなく全く未知の何かなのか、思いもよらないが彼らも良く知っている何かなのか。一つとて、『それ』について分かることは無かった。
その上で彼らは、『それ』を知っていた。どこかで『それ』に触れたことがあるはずだった。
一つとて思い当たることが無いにも関わらず、『それ』は彼らが人生において一度は触れたことあろう、根源的な何かだった。
「……!? な、なにこれ~?」
内面にて相克する感覚は彼らの心に混乱をもたらしたが、思い煩ってもいられない。
『それ』が在ると思われる方向へ、幽霊である滴の身体が、風に吹かれて千々と流れる煙のように吸い込まれ始めたからだ。
「せ、せんぱ……ひゃああああ~」
「いけない……!」
「黒白さん!」
露草と紫苑が悲鳴めいて呼びかけ、夏朝はとっさにろっこんを放つ。
「っ、待て……!」
ねこシールを張り付けめいっぱいに過重してやる算段であったが、『それ』にはそもそも質量があるのか。姿が見えないだけなのか。射出されたシールは空を切り、手応えなく闇へと消えた。
滴もまた。
「そんな……!」
必死に手を伸ばす。しかし滴の透きとおる身体を掴まえることはできず、
「……君が……私を呼んでたの? 君は、誰? 君は……これは、何? 私は」
渦巻く闇へ吸引されるがまま、やがて埋もれて消えてしまった。
「待ってくれ! 黒白さんを、返せ……!」
嘉織も手を伸ばすが霞をかき分けるような感触が残るのみ。
せめてもと、嘉織は闇の中に存在するのだろうか、サトリとして『それ』の思考の読解を試みた。
「!!!!」
一拍を数える間もなく嘉織の意識は弾き飛ばされ、倒れ込む彼女の身体を露草と夏朝が辛くも受け止めたところで、奇怪な闇は晴れた。
空を仰げば、今日は見えないとばかり思っていた月の光が、煌々と輝いていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ホワイトシナリオ(100)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
コメディ
バトル
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
67人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年03月14日
参加申し込みの期限
2021年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年03月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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