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【お花見】花の盛りの寝子島で
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嘉渡洲 稀跡
が寝子島で暮らし始めたのは、しとしとと降る雨の続く梅雨の頃だった。
(寝子島のお花見は初めて)
海から流れてくる少し冷たい風に、沿線の桜が物静かに揺れている。透明な朝の光の中の桜は、目覚める前の夢に似てどこか朧気だ。
朝陽の満ちる空に溶けて消えてしまいそうに真白に輝く桜を仰ぎ、稀跡は海の音が聞こえる寝子島街道をのんびりと歩く。星ヶ丘寮を出たのは朝ごはんを軽く食べてからだけれど、
(まだ間に合うわ)
緑柱石の瞳を桜から街道へと戻す。お花見電車に合わせて展開された屋台群ではあるけれど、朝のこの時間はまだ商いを始めたばかりの屋台が少なくない。賑わうには早い店の前を通り過ぎながら、『お花見電車』が発車する寝子島駅へと散歩がてらに向かう。
桜を眺め、海を眺める瞳にふと留まったのは、シーサイドタウンの住宅地から歩いてくる黒髪に眼鏡、ボディバッグを背に負った目立たぬ風貌の男性。誰かを探すように周囲を見回していた視線は、
「チハヤ!」
海沿いの歩道の半ばに設けられた花壇と小さなベンチの前で大きく手を振る帽子に半ズボン姿の少年を見つけて僅かに和んだ。
(いいお花見日和……ね)
誰かとお花見をするのもいいものよね、と小さく小さく頬を緩める稀跡の脇を通り過ぎ、少年は元気いっぱい青年のもとへと駆けて行く。
「おはよう、チハヤ!」
微塵も迷うことなく青年の──
神代 千早
の腹にタックルする勢いで抱き着き、満面の笑みを浮かべる。
「お早う、ユニ」
「何して遊ぶ?」
金魚か子犬の動きじみて回りをぐるぐるするユニを視線で追いつつ、千早は昨日時刻表目当てで立ち寄ったシーサイドタウン駅に貼られていたポスターの話をする。
「今日一日限りの電車に乗ってみない?」
ポスターを見たとき、いちばんに思い浮かんだのが、先にねこでんに乗って喜んでいたユニの姿だった。
誘ってみようかとこの春に引っ越したばかりの元家具工場だった家に帰り、居住スペースの二階に置いている白い巻貝をコツコツと叩いた。
──用があるときはこれコツコツって
ユニは、普段は寝子島の海の底で暮らしている。元々は別の世界の水底に暮らしていたのだと、稀有な縁を結ぶことが叶って島の海に移り住んできたのだと聞いたのは、少し前に新居に泊まりに来た日だったか。
(合図に気づいてくれて良かった)
誘いとしてはギリギリの時間ではあったし、ユニにも都合があるだろうし、もしかすると今日は会えないかもしれないと思っていたけれど、
「うわ、やった! 乗る!」
両手を上げて飛び跳ね全身で喜ぶユニを見、誘って良かったと千早は眼鏡の奥の榛の瞳を細めた。
「チハヤ」
「ん?」
袖を引かれ、腰を軽く屈める。背伸びしたユニは、内緒話のように耳に口を寄せてきた。
「みんなは?」
こそりと問われ、千早は頷く。
ユニの言う『みんな』は、元家具工場の物置と化した一階部分にひっそりと住まう付喪神たちのこと。
「お花見」
「お花見?」
首を傾げるユニに、千早は出掛けに酒と塩と米をそれぞれ桜の花一つ彫り込んだ木杯に盛ってお供えしてきたことを告げる。
一階部分の、なんとなくここと決めた場所に木杯を並べ、
──少し出掛けてくるので
膝をついて挨拶をして顔を上げれば、陽のよく当たる窓辺で日向ぼっこをしていたらしい、一見奇矯なかたちをした小さな妖たちは見送るようにぴょこぴょこと飛び跳ねてくれた。かと思えば千早の供えた木杯の周りに集まり、下から上にぐいぐいと背伸びするような不思議な仕草をし始める。
思わず見つめる千早の瞳に映ったのは、木杯の端っこにぴょこんと飛び出した小さな芽。若緑の芽は、付喪神たちの呪い仕草に合わせて見る間ににょきにょき、芽から若木に、若木から大木にと変化する。
瞬きの間に部屋の天井全てを覆い尽くした樹は、もうひとつ瞬きする間に満開の桜を咲かせた。
さらさらさら、次々に開いていく桜の花弁の音を聞いたと思って、瞬きをもうひとつ。爛漫の桜の下で木杯を手に酒宴を催す付喪神たちを確かに見たけれど、気づけば千早は自分以外に誰もいない部屋に立っていた。
お供えの木杯を見下ろし、行ってきますと告げて──
「あはは、確かにお花見だ!」
今は、こうして楽し気な笑い声をあげるユニとともに寝子島までの桜と海の道を辿っている。
「チハヤ、あれ! あれお花見電車?」
手を引く勢いで歩いていたユニが示すのは、寝子島駅に停車している桜の花がラッピングされた列車。頷けば、ユニは目を丸くして歓声を上げた。
はしゃぐユニと一緒に切符を買い、駅員に車内をスマートフォンで撮影しても良いか確認する。もちろん、と笑う駅員にお辞儀をして、早く早くと手を引くユニに連れられ列車に乗り込む。
「うわ!」
「すごいな」
「うん、すごい!」
桜の造花で飾り立てられた吊革や座席、桜のシールが貼られた窓や壁面をスマホで録画しつつ、なるべく前方の席を確保するべく移動する。
(個室車両まであるのか)
朝から酒類を持ち込むご機嫌な大人たちを見つけて少し笑う。電車が動き出せばきっとすぐに乾杯の声を上げる彼らに、今もきっと幻の桜でお花見酒宴をしているだろう付喪神たちを重ねてしまった。
(どこも同じだな)
最前列の特等席に並んで座り、窓の外の春めく景色にスマホを向けたとき、出発を告げる車内放送が流れだした。
「写真?」
「いや、動画」
スマホを覗き込んで来るユニに『●REC』と表示された画面を見せる。あとで見せてねと笑うユニは、もしかしたら今日も家に泊まっていく算段であるのかもしれなかった。
動き出す外の景色を、桜の薄紅が染め上げる。
(電車を降りたら)
寝子島街道の屋台を巡ってみよう。星ヶ丘の植物園にも寄ってみよう。
春の一日は、始まったばかりなのだから。
──なんか、海、変? ちょっと行ってくる!
星ヶ丘の駅で降りて後、ユニはそう言うなり海へと走ったけれど。でも、
──あとでスマホ見せてなー!
元気いっぱいに手を振っていたから、きっと心配はいらないのだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
65人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月23日
参加申し込みの期限
2021年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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