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寝子島高校
【お花見】花の盛りの寝子島で
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お布団があったかいのは幸せだ。
春眠を心行くまで味わって味わって、目が覚めたのは昼前だった。
「んー……」
枕に寝ぼけ眼を埋め、
仙藤 蒼
は布団を抱きしめる。昨日の土曜日は姉と一緒に海浜公園へお花見に出かけた。
(せっかくのお姉ちゃんとのデートだったのに)
ふたりっきりを楽しむはずだったのに、思わぬ邪魔が入った。
(ナンパ男滅すべし!)
しつこい誘いを掛けてきた男の顔を思い出し、形の良い眉がムムムと歪む。枕をぼふぼふ殴る。
(まあでも死闘の末に倒したし!)
死闘という名のカラオケ勝負に勝利したのは大金星だった、と蒼は小さく笑う。お姉ちゃんにもちょっとはいいところを見せられたかな。
でもそのおかげでクタクタで、だからもうちょっと惰眠を貪ってもいいかもしれない。カーテンの向こうの明るい日差しから目を背け、布団に潜り込んだはいいものの、
(……眠れない……)
結局もそもそと起き上がる。いつものようにゲーム三昧の日曜日を過ごすのも悪くないけれど、
(たまには別なことをしたいよね)
今日こそお姉ちゃんとふたりっきりのラブラブデートをしてみてもいいかもしれない。
(今日はどこへ行こうかな……)
お出かけの身支度をしながらふと見遣った自分の机の上、この春無事に合格した寝子島高校の書類が目に入った。冊子には、桜が爛漫に咲き誇る学舎の写真が掲載されている。
(そういえば寝子高って桜の名所でもあるんだっけ)
となれば、行く場所は決まった。
「お姉ちゃーん! おねえちゃーん!」
家のどこかにいるだろう姉、
仙藤 紫
に元気いっぱい呼びかけつつ、部屋を飛び出す。居間で寛いでいた姉を捕まえ、寝子高に行こうと誘う。
「今から?」
「今から!」
お花見日和な日曜日の人出の多さを考えてのんびり自宅で過ごすつもりだった大学生の姉にねだる。
「どこへ行きたいの」
「お姉ちゃんの母校! もうすぐ私の母校にもなるよ!」
去年の今頃に卒業した寝子高の名を耳にして思い出す。そういえば、寝子高も時期になると溢れるほどに桜が咲いた。
準備するから、と立ち上がれば、妹が全身で抱き着いてきた。
「お姉ちゃん、だーい好き!」
「……もう」
「いっぱい咲いてる!」
寝子高の正門をくぐった途端に続く桜並木に、蒼ははしゃいだ声をあげた。
「綺麗だね、お姉ちゃん」
「そうね」
受験や合格発表の際やそれ以前の学祭にも何度か訪れているとは言え、私服姿で高校に来ても物怖じしない妹の笑顔につられて紫も笑う。
「部活やってる、陸上部かな」
「だと思うけれど」
グラウンドから生徒たちの掛け声が聞こえてくる。何か用事があって学校に来ているらしい制服姿の生徒たちがそれぞれの足取りでどこかに向かう。中には自分たちのように花見に来ている近隣の住民もちらほら。
「先輩、お久しぶりです」
「あっ、仙藤センパイ!」
華やいだ声を掛けられて振り向けば、立っていたのは紫が在学中に在籍していた水泳部の後輩たち。
「今日は」
「こんにちは」
優しい笑みを浮かべる紫の隣、蒼もきちんと頭を下げて挨拶をする。
(先輩になる人たちだもんね)
大人びた笑顔を後輩たちに向けて話す姉の横顔を見上げ、妹はなんだかちょっと嬉しくなる。この綺麗なひとが私のお姉ちゃんなんだよと『先輩』たちに自慢したくなるのをぐっと堪え、それでは失礼しますともう一度頭を下げる。
部室棟へと駆けていく後輩たちに手を振り、紫はきちんと挨拶の出来た妹の背中をぽんと叩いた。褒められてにこにこする妹を微笑ましく思いながら、ふたりで桜の咲く校内を見て回る。
グラウンドで部活に励む生徒たちの背後で眩しく咲く桜、中庭で静かに光を浴びる桜、駐車場でひっそり綻ぶ桜。寝子高にはたくさんの桜がそれぞれに咲き誇っていた。
「そういえばなんで今日は寝子高に来たのかしらね?」
屋上に続く外階段を登りながら、紫は一段飛ばしで階段を駆ける蒼に声を掛ける。学校見学はもう参加していたし、受験や合格発表でも、何度となく高校には来ている。
「えー」
最後の段を登り終え、屋上の端っこでジャンプしつつ蒼は振り返った。春の眩しい光が元気いっぱいの笑顔を照らす。
「お姉ちゃんはこの学校でどんな高校生活を送ったか聞きたいな」
下のグラウンドで部活中の生徒や顧問の掛け声が明るく響いてくる屋上のベンチに腰掛け、紫はちらりと首を傾げた。
「思い出話、ねえ……」
妹にせがまれるまま、思い出すまま、紫は話す。
高校の入学式で校長先生のシトラス・ガムダン話の洗礼を受けて面食らったこと、
「私の入学式のときもあるのかな」
「さあ……?」
水泳部の肝試しで仕掛けがばれて、怖がらせるどころかコントじみた顛末を迎えてしまったこと、
「お姉ちゃんでもそんな失敗するの?」
「色々と失敗しているわよ」
高校一年の寝子高祭に水泳部で海賊船喫茶をやったとき、別の海賊に扮した仲間と教室で決闘の寸劇をして高揚した挙句、武器代わりにしていた掃除道具で窓硝子を割ってしまったこと、
「お姉ちゃんが?」
「うん、私が」
くすくすと笑う姉の横顔は、いつもの思慮深い『お姉ちゃん』の顔ではなく、『女子高生』の顔をしていた。
「二年のときは演劇をしたっけ」
「海賊?」
「ううん、サイケデリックでカオスな演劇」
ハテナでいっぱいの顔をする妹に、姉はまたくすくすと楽し気な笑みを零す。
「競泳水着の天才科学者役でね、状況に絡まずひたすら無駄な分析をしてたっけ」
「謎だ」
「今考えても謎よね」
グラウンドから聞こえてくる部活の声を聞くともなしに聞きながら、紫はよく晴れた空を仰ぐ。
風に舞い上げられた桜の花びらがひとひらふわり、青い空に踊っている。
「お姉ちゃん」
「ん」
「恋は、した?」
「うーん」
妹の問いに、姉は桜花じみて儚く淡く微笑んだ。
「短い恋をしたわ」
高校三年の夏、一年を共に過ごした恋人と別れた。しばらくは、彼の好きだった音楽を聴く度に流れた涙も、今はもう聞いたところで滲みもしない。触れるたびに痛んだ失恋の傷も、今はもう微塵も痛まない。ただ、恋をした日々を懐かしく思う。微笑ましくさえ思う。失恋してからまだ一年も経っていないけれど、もう終わったことなのだと胸を撫でていられる。
(いつか、また)
恋をしよう。そう思うことが出来ている。
そのときはきっと、高校生のときの恋よりも素敵な恋をしよう。
物静かに、吹っ切れた顔で微笑む姉を見つめ、蒼は瞬く。お姉ちゃんは、強い。その上凄い。
(そんな中で夏のAO入試に合格してるもんね)
並んで空を仰いでから、蒼は大好きなお姉ちゃんの腕に両手でぎゅっと抱き着く。それだけでは足りなくて、腰にぎゅううっとしがみつく。
「きゃ、ちょっと、蒼……?」
「お姉ちゃん!」
「なあに」
「だーいすき!」
愛の告白じみて大きな声で叫ぶ妹の頭をちょっぴり持て余し気味に、それでも優しく撫でる。
「……ありがとう」
くすぐったそうに笑う妹につられて笑ってから、紫は殊更に大真面目な顔をしてみせる。
「それじゃあ、最後に」
「うん」
「高校生活に当たって、先輩として一言助言を」
「ハイ」
隣で姿勢を正す蒼の膝をぽんと叩く。
「蒼は蒼らしく、ね」
だってお姉ちゃんは、天真爛漫でお人好しで、好奇心旺盛で自由気ままに生きている妹のことが大好きだから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
65人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月23日
参加申し込みの期限
2021年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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