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【お花見】花の盛りの寝子島で
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「……あれ?」
瞬きひとつのうちに碧い水底から橙色の光に照らされた炬燵つきの個室に立っていて、
宮祀 智瑜
は眼を丸くした。
「ねこでんだ! お花見列車の個室だ!」
水底から一緒についてきたユニが万歳をする。朝にも乗ったけど個室は初めてだ、と笑い、こんと一緒に早速炬燵に潜り込む。
「まあ、こういうこともあるやろ」
「寝子島ですからね」
顔を見合わせていた日暮と夕も、そういうことで納得したらしい。
(外は暗くなってるけど……)
こうなったからにはたぶん大丈夫だろうと納得するしかない。この個室に自分たち以外のひとは居なかったし、しばらく様子を見ても他のひとが来る様子もない。
「そうですね、寝子島ですもんね!」
窓の外を流れる夜桜をひと眺めして、智瑜はひとつ大きく頷いた。
テーブルの上には元から用意されていたお酒におつまみ。何本かの缶ジュースも置かれている。
「日暮さんと夕さんはお酒にしますか?」
「そないしよかなあ」
「うちはこんなやし、お茶にしよ」
日暮が頬を緩め、見た目は十代前半の夕がお茶の缶を手に取る。
「ゆっくり走ってくれるから桜も綺麗に見えますね」
窓を全開にすれば、ひらりひらりと桜の花びらが躍りこんできてくれた。みんなでぎゅうぎゅうに小さな炬燵に入れば、ぷち宴会の始まり始まり。
ライトアップされた桜のトンネルに入れば視界が桜一色、流れ込んで来た桜がテーブルまで桜色に彩る。
「わあ! わああ!」
綺麗きれいとはしゃぐこんのおかっぱ頭にも桜がひらりとくっついた。
「髪飾りみたい」
可愛い、と微笑む智瑜に、こんは嬉しそうに胸を張る。
「ユニくんは寝子島に慣れました?」
「うん、いろんなところに行けるようになった」
こんと揃って胸を張ってみせるユニに、智瑜はなんだか嬉しくなる。
「またみんなで遊びに行きたいですね」
個室の扉の向こうから不意に賑やかな声が聞こえてきて、
鴻上 彰尋
はぱちりと瞬いた。一瞬前までは誰の気配もしていないように思えたけれど、勘違いだったらしい。
楽しそうな誰かの声についつられた。ちらりと笑う。
ととん、ことん。思っていたよりもゆっくりな速度で動いているのは、これがお花見列車だからなのだろう。
(学校へは徒歩だし)
シーサイドタウンに住む彰尋にとって、星ヶ丘はあまり行く場所ではない。乗る機会が少ない電車に乗るのは、ほんの少し心が弾んだ。加えて、今日一日限りの特別列車。
(夕食の準備は済ませた)
洗濯物は取り込んで畳んだ。珍しく早く帰って来た兄に弟妹たちの面倒は見てもらっている。
(明日の朝食の下ごしらえも終わっている)
やり残した家事がないか、癖のように数え上げてから、窓の外を眺めやる。流れ始めた夕暮れの街並みを晴れやかに、幽かに寂し気に彩る、薄紅。
夜の桜を、どうしても見たかった。
ほんの少しだけ、と兄に頼めば、少しと言わず行って来い、と家を追い出された。わがまま言ってごめんと詫びれば、いつも頑張ってるだろ、と、わがままぐらい言えと逆に申し訳なさそうに微笑まれ、返す言葉に困ってしまった。
──お土産よろしくね!
明るく見送ってくれた双子の妹弟たちの顔が浮かんで、彰尋は黒い瞳を和ませる。
個室車両を見学がてらに過ぎ、桜模様が彫り込まれた木製床に同じく桜模様の硝子机が配されたボックス席も過ぎる。すべての座席が窓の外へ向けて設えられた車両に空いた席を見つけて腰を下ろす。
「彰尋くん」
離れた位置から声を掛けられ、ドキリと振り向けば、近づいてきて隣に腰を下ろす
七夜 あおい
の姿があった。
「一日限定、って聞いちゃったらやっぱり乗りたくなっちゃうよね」
くすくすと笑う女子に、彰尋は丸くした目で頷くしかなくなる。
「間に合うかなって走ってきたからお腹ぺっこぺこ!」
「お昼だったら弁当を用意してきても良かったかな」
明るい陽射しの下で見る桜には、おにぎりが似合いそうな気がする。
「手毬おにぎりとか」
「名前からして美味しそう!」
鮭に梅干し、昆布におかか。色んな具材を楽しめるように、手毬サイズに小さく丸めたおにぎりを思い浮かべてみる。美味しそうに食べてくれるあおいの笑顔もうっかり思い浮かべてみる。けれど、窓の外には宵闇に艶やかに浮かび上がる月の色した桜たち。
窓枠に備え付けの小さなテーブルの上には、サービス品らしい個包のおつまみが籠に入れられ置かれている。
「夜桜のお供には、こっちかな」
くすりと小さく笑って、一口サイズのお煎餅やスルメの袋をいくつか掴む。膝の上に広げ、あおいの掌にも乗せる。そうして、窓の外を埋めるライトアップされて華やかさを増す桜並木に目を向ける。海沿いの菜花の明るさを浴びる桜、輝き始める月の色を帯び始める桜、幾千幾万の花びらのうちの少しを気まぐれに舞わせる桜、──それから、隣に座って澄んだ空色の瞳を綺麗に輝かせる女の子。
星ヶ丘への到着を告げるアナウンスに、彰尋は内心残念に思う。もっとゆっくり走ってくれれば、もっと距離があれば。
「っ、あおいさん!」
「ん?」
降車してゆく人々に合わせて名残惜し気に立ち上がろうとするあおいに、彰尋は提案する。
「街道に屋台も出ているし、少し立ち寄ってみない?」
「いいね、おやつ買おうかな!」
「そうだ、弟妹にお土産頼まれていて、……選ぶのを、手伝ってくれると嬉しい」
口にしてから、これはちょっとずるいかもしれないと思った。弟妹を口実に、好きな女の子と少しでも長く時間を過ごそうとしている。
「うん、いいよ」
彰尋の内心の迷いに構わず、あおいは朗らかに頷いた。何がいいかな、と楽しそうに言ってくれるあおいと一緒に電車を降り、桜並木の下、提灯の光とともにずらりと並ぶ屋台の街道を歩く。
お花見電車の乗車客の流れもあって、人通りは極めて多い。はぐれないよう、あおいの背中をしっかり視界に入れてついて行くも、
「っと、すまん」
「いえ」
酔いどれた足取りの男とぶつかってしまった。互いに詫びて離れ、視線を戻そうとして、
「大丈夫?」
「わっ」
心配して振り返ってくれたあおいにもぶつかってしまった。その拍子に胸に抱きこむ格好になってしまい、彰尋は焦る。慌てて離れようとして人込みの多さにたたらを踏む。
「ごっ、ごめん!」
「ううん、こっちこそごめん」
互いに焦りながら、焦ったままお土産の桜クッキーとおやつのお団子を買って、どうにかこうにかいくらかは人通りの少ない路へと抜ける。本来であればあおいは桜花寮へ、彰尋はシーサイドタウンの家へと道を別にするところではあるけれど、
「人が多くて危ないし、……送るよ」
「平気へいき、大丈夫だよ」
ひらひらと手を振って気遣われることを厭うあおいに、彰尋は口ごもる。もう少しだけでも一緒にいたいけれど、これ以上はきっと、わがままだ。
(でも)
──わがままぐらい言え
出掛けに背中を押してくれた兄の言葉が耳に蘇った。
「あおいさん」
「大丈夫だって」
「っ、……」
わがままを──自分の素直な気持ちを口にするのは、勇気が要った。
「……もう少し話を、していたいんだ」
それでもなんとか口にすれば、目の前の女の子は驚いたように目を丸くして、
「いいよ」
どうしようもなく柔らかく、微笑んでくれた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
65人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月23日
参加申し込みの期限
2021年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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