this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【お花見】花の盛りの寝子島で
<< もどる
1
…
33
34
35
36
37
…
42
つぎへ >>
「さて」
ポニーテールを春風に揺らし、
響 タルト
は寝子島駅のホームに立つ。寝子島神社で桜祭りをめいっぱい楽しんだあとは、お花見のシメといこう。
(一日限定なら乗らなきゃね)
薄紫に暮れなずんでゆく春の空と茜の色を深める海を眺めるうち、お花見日和な日曜日の最後のお花見列車を楽しもうとする人々でホームが賑わってきた。
(夜桜はぎりぎり見れるかなあ)
発車時刻は太陽が沈んでから。春になって明るい時間は随分と延びたけれど、この様子なら月下の桜も見られるかもしれない。
カメラ代わりのスマートフォンで時刻を確かめ、夕暮れに艶めいて見える桜に包まれた線路を見遣ったとき、ホームのあちこちに飾られた桜模様の灯篭がふわりと優しい光を帯びた。
アナウンスが列車の到着を告げる。
線路に降った桜の花びらを再び空に舞い上げ、桜の描かれた列車がホームに入って来た。賑わう花見客たちのあいだから思わずといった風に歓声があがる。
「うん、いいね」
特別感のある車体を写し、夕暮れから夜にかけての桜にスマホのカメラを向けようとして、
「時子ちゃんだ、こんばんは!」
桜の列車を背景に偶然写りこんだ友達にひらひらと手を振る。こんばんわ、とお辞儀をする鶯色の着物を纏った
御巫 時子
は、いつも通りに淑やかで優し気な雰囲気で、なんだか華やいで見えた。
「誰かと待ち合わせ?」
無邪気に問うてみれば、照れたような首肯があった。タルトさんは、と問い返され、
「薄い本の資料に使えそうだから写真いっぱい撮ろうかと思って」
あっけらかんと応じてみせる。少し不思議そうな顔をする時子に軽やかに手を振って、颯爽と列車に乗り込む。
窓向きの座席に腰を下ろし、外に見える桜に向けてカメラをパシャリ。
(電車から見る桜もいいもんだね☆)
窓の外のホームに、待ち合わせの相手を人並みに見つけたらしい時子が嬉しそうな足取りで駆けて行くのが見えた。
一日限定な上にその最後のお花見列車とあってごった返すホームの中、待ち合わせをしていた
五十嵐 尚輝
先生の姿を見つけて駆け寄る。
人波に狼狽して見えた先生は、駆け寄って来る時子を見つけた途端、少しほっとしたような顔をした。
「こんばんわ、尚輝先生」
「今晩は、御巫さん」
にこっと笑いかければ穏やかに笑い返してくれる先生の態度が嬉しくて、時子は先生の隣に並ぶ。
「はぐれると困りますから」
そっと服の袖を摘まめば、先生は困ったような顔をしながら小さく頷いた。
乗車するひとや特別列車の写真を撮るひとでざわめくホームから個室を備えた車両に乗り込む。こちらです、と時子が案内するのは、先に予約していたパーテーションで区切られた炬燵つきの個室。ここなら、どんなに乗客が多くても人目を気にせずのんびり寛げる。
「歩かない夜桜は初めてですね」
いつもと違う列車の内装に、胸がわくわく弾んだ。先生もそうなのかしらと隣をちらりと仰いでみようとして、乗車したときと変わらず服の袖を摘まんだままだったことに思い至った。
「す、すみません」
ちょっぴり狼狽えて袖を離すも、先生は不思議そうな顔をするばかり。
すいせん、ゆきやなぎ、うめ──春の花の名がつけられた個室の扉の前を過ぎ、時子が足を止めたのは『はなみずき』。
そっと扉を開けば、ボックス席ほどの広さの空間はほとんどを畳と炬燵が埋めていた。靴を脱ぎ、向かい合ってぽかぽかの炬燵に入る。
卓の上にはサービス品らしい飲み物がいくつかとお団子やお菓子が置かれていた。
「お酒も飲めるようですが……」
「ああ、いえ。コーヒーで」
缶コーヒーを手に取る尚輝に微笑み、時子はお茶を手元に寄せる。ふわりと温かいお茶の缶を両手で包んだとき、発車を告げるアナウンスが流れた。一パックのお団子をふたりで分けて一息ついている間に、電車がことんと動き始める。
寝子島駅を出てすぐは夕日の色に染め上げられた桜、シーサイドタウンに近づく頃には眩くライトアップされた桜。
窓枠の中に見える桜の景色は、次々に変わって行く絵画のよう。
心地よい揺れの中に流れて行く桜に、時子はただただ見惚れる。
「綺麗ですね」
呟いた途端、視界いっぱいを薄紅が染め上げた。覆い被さって来そうな桜の隧道の風景に、時子は別世界への入り口を思う。幻想に誘い込まれそうだった気持ちは、窓の向こうに浮かび上がる寝子高校と桜並木を見た途端に引き戻された。ライトアップされた学校の桜並木を、先生とふたりで歩けたら。
「尚輝先生は今日も学校でお泊りですか?」
「……少し、気になる実験があって」
「学校の辺りまで一緒に行ってもいいですか?」
頷く先生に、時子は顔中で笑った。夜の学校に行くのはドキドキする。先生と一緒なら、きっともっとドキドキする。
知らずふわりと頬が熱を帯びてきて、時子は先生に断って少し窓を開けた。冷たい風も、風に紛れて迷い込んで来ては熱い頬に触れる桜の花びらも、とても気持ちが良い。
「尚輝先生」
「はい」
「お花見の思い出など、──小さい頃も、お花見より実験でしたか?」
尋ねられ、尚輝は小さく首を傾げた。そうですね、と笑う。
「どうして桜が咲くのか、不思議でなりませんでした」
「春が巡るから、でしょうか」
何気なく応えた時子に、尚輝はどこか楽しそうに口元を緩めた。
ふたりで桜を眺めているだけで、時間は駆けるように過ぎる。終点の星ヶ丘を告げるアナウンスに夢から覚める心地で電車を降り、静かな夜桜の下を辿って学校に向かう。
「尚輝先生」
隣を歩く尚輝の手に手を伸ばす。遠慮がちに繋いでも、先生は解こうとはしなかった。それだけのことがとても嬉しくて、時子は星々よりも明るく地面を照らす桜を仰ぐ。
「二人占めしてるような気分です」
時子の言葉に、尚輝は足を止めた。夜空に浮かび上がるように甘い光を帯びて見える桜を揃って見つめる。
時間が止まって欲しい、と時子は真剣に願った。
それでも、時間が止まり続けることなどないと知る時子は、尚輝先生に丁寧に笑いかける。
「昨日も、今日も、先生とお花見出来て嬉しかったです」
明日も明後日も、これからも一緒に過ごせると信じたくて。
<< もどる
1
…
33
34
35
36
37
…
42
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【お花見】花の盛りの寝子島で
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
65人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月23日
参加申し込みの期限
2021年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!