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【お花見】花の盛りの寝子島で
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(……ちょっと張り切り過ぎたかな)
地面の上に仰向けに転がり、幸次は息を整える。数え切れないくらいの子猫を捕まえては撫で、捕まえては匂いを吸い、ろっこんによる猫化を解除する頃にはもう疲れ果てて動けなくなってしまった。
「……も、もう全部終わったよね」
少し離れた筵の上で放心したようにへたり込んでいる絢に話しかける。
「そうね、たぶん……」
頷いた絢は、夜空に数え切れないほど舞い上がる桜の花びらたちを仰ぐ。
──と。にゃああん、と猫の鳴き声が空に響き渡った。香箱を組んで眠っていた巨大な白猫が、ゆっくりゆっくりと首をもたげる。ぷぷぷと首を振ったかと思えば、のっそりと立ち上がり──その足元から、幻が解けるように、白壁も美しい眠り猫城と、城と支え合うようにして咲く老桜の巨木が姿を現した。
ぶわり、幾千幾万の薄紅が舞い踊る。
「わあ……!」
思わず歓声をあげる綾花の傍を、城の住人たちがわらわらと駆け抜けた。素早く手慣れた動きで、あちらこちらに敷かれた筵の上に料理を並べ酒器を並べ、宴の準備を完成させる。
「大きなにゃんこが居なくなると──」
寂しいですね、と言いかけて、綾花は眠り猫の城の屋根の天辺に居座る白猫を見つけた。大きさは城から小屋ほどに縮んだものの、それでも大きな『猫又さん』の姿に思わず笑みを零す。
重さを感じさせない動きで屋根の上に再び香箱を組み、『猫又さん』は大あくび。
「さあさ、嬢ちゃん。兄さんも」
騒動が解決したと見るやすぐさま花見の酒宴を始めた老翁たちが、綾花と珪に竹製の盃を渡す。中に満たされているのは、綾花は蜜柑の果汁、珪は濁り酒。
乾杯、と笑う老翁たちに合わせ、綾花と珪も器の縁を合わせる。
「頑張った後のジュースは美味しいです」
「そうだね」
満開の桜の下、今年も八夜城の人々と寝子島の人々が集まっての宴が始まる。
派手な化粧を施した男の一人芝居に、たっつけ袴の男女の軽業、酔った老翁たちの古い唄。城の人々が行う宴会芸を楽しみながら、綾花は風に舞う花びらを眺めやる。あの花の群れはきっと、城の壁を越えて三夜湖にも落ちる。
水面に落ちた薄紅の花びらが絨毯のように広がってゆくさまを胸に描きつつ、目前をふわり過った花びらをひとひら、掌に納める。
(珪先生が担任だと嬉しいな)
願いを込めた花びらは、帰り際に三夜湖へ浮かべよう。
「珪先生」
「うん?」
「来年もまた、大きなにゃんこに会いたいです」
もちろん、と綾花は顔中で笑う。
「珪先生と一緒に!」
わっ、と城の人々が歓声のような悲鳴のような声をあげる。
「んー?」
獣人化して駆けずり回った疲労からどうにか回復し、復活! とばかりに起き上がった幸次が目にしたのは、白猫ではなくなった眠り猫城から出てきた黒髪の少女を取り囲む城の人々だった。老翁たちは泣き、侍たちは心配げにおろおろし、女たちはお腹は空いていないかどこか痛いところはないかと世話をやいている。どうやら天守閣に籠っていた姫君らしい。
「やあ、めでたいめでたい」
安堵してか隣にぺたりと座り込んだ老翁のひとりに、めでたいついでに食いなさいと焼きおにぎりを渡され、幸次は笑う。老翁と並んでおにぎりに齧りつけば、綺麗な桜と動き回ったお陰でいつもの数倍はおいしく感じられた。
(来年もこうやってお花見出来たらいいなあ)
しみじみと思ってから、ふと寂しくなった。
(俺は来年の春も寝子島にいるんだろうか)
四月には高校三年生になる。先延ばしにしていた進路も決めなくてはならない。
電車を乗り継いで二時間ほどのところに住む母は、自分が実家に帰ってくることを願っているのだろうか。
(でも、出来ることなら)
ひらひらと舞い続ける桜を眺め、祈るように思う。
(あと一年と言わずこの島にいたいな……)
小さな風が吹き抜ける。桜の花びらの吹き溜まりをふわりと舞いあげ、その中で眠っていたまうとまうまうを優しく起こす。
「……賑やか?」
「……お花見?」
もとは子猫だった桜の花びらをかき分け、まうは隣で同じように起きるまうまうに触れる。まうまうはまだ、消えずに済んでいる。
「まうまう、一緒にお花見しよう」
「猫もいるかな」
一緒に周りを見回したふたりは、お城の屋根で眠る小さくなってもまだまだ大きな白猫の姿に顔を見合わせて笑いあった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
65人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月23日
参加申し込みの期限
2021年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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